「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」の最終日、強い雨の中で4ホールのプレーオフを勝ち抜いた安田祐香が今季初優勝(通算2勝目)。163cm、53kgとプロゴルファーとしては細身の体だが、ドライビングディスタンスは240.18Y(21位)と上位。そのスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が解説。

サスペンデッドになった初日の残り4ホールを2日目の朝に消化し7アンダーの65で終えると、2日目は1つスコアを伸ばして2位とし、最終日の前半は寄せワンで3ホールパーを拾い優勝戦線にとどまります。雨が強くなった後半も我慢のゴルフを続けると、最終18番でルーキーの中村心選手がパーパットを外して河本結選手と3人でのプレーオフに突入。4ホール目の2打目をFWバンカーからピンに寄せ2パットのパーで優勝をつかみました。

プレーオフに残った中村心選手のキャディを務めた門田実キャディに話しを聞くと「安田選手とは初日、2日の予選ラウンドで一緒でした。パットのタッチがすごく良かったですね。頭を使ったゴルフ、攻める守るのメリハリもあってすごく落ち着いていました」とベテランキャディは2勝目とは思えないプレーぶりを感じていたようです。

練習ラウンドからロングパットの練習を多くしていたこと、最終日の悪天候の中で「耐えるゴルフ」を目標にして、それをやり遂げたこと。安田選手の心の強さと準備が結果に結びついた優勝だったと思います。それではスウィングを見てみましょう。

オーソドックスなスクエアグリップで握り、手首のコックを多用せずワイドにテークバックしていきます。右への重心移動は少ないものの、両ひじを曲げず腕を伸ばしたテークバックで早い段階からしっかりと体は捻転されています。

画像: オーソドックスなスクエアグリップで握り、手元を遠くにワイドにテークバックする

オーソドックスなスクエアグリップで握り、手元を遠くにワイドにテークバックする

切り返しから注目して欲しい点は頭の位置とバイザーの向きです。テークバックで少し右に向けたバイザーの向き(顔の向き)がインパクトまでキープされています。頭の位置も左には突っ込まず飛球線後方に下がっていますが、こうすることで飛距離の源となる上半身と下半身の捻転差を作り、クラブをインサイドからボールにアタックする軌道を作っています。

画像: テークバックで少し右に向けた顔の向きをキープしながらインパクトを迎える

テークバックで少し右に向けた顔の向きをキープしながらインパクトを迎える

カット軌道に悩むプレーヤーはパートナーに手伝ってもらって、左の首の付け根にスティックやシャフトをあてがい、素振りしてみると帽子のつばの向きをキープする感覚、インサイドから入る軌道の感覚がつかめるはずです。

5戦目で優勝したことで、複数回優勝を目指せますし、安田選手にとってキャリアハイのシーズンになりそうです。「国内ツアーを盛り上げたい」と話す安田選手に引き続き注目していきましょう。

写真/岡沢裕行

富士フイルム・スタジオアリス女子オープンの記事を確認する

「勝者のスウィング」はこちらから

This article is a sponsored article by
''.