第89回マスターズトーナメント。世界中のゴルフファンが待ちに待ったローリー・マキロイのキャリアグランドスラム達成の瞬間が訪れた。プレーオフにもつれるジェットコースターのような1日。1メートルのウィニングパットを沈めたマキロイはグリーンに崩れ落ち頭を抱えながら嗚咽に咽んだ。最後のメジャー制覇から11年。長かったグランドスラムへの道のりを振り返り「大きな重荷を下ろすことができた」と感慨に浸った。
画像: グリーン上で雄たけびをあげるローリー・マキロイ。プレッシャーから解放された彼の今後にも期待だ(撮影/Yoshihiro Iwamoto)

グリーン上で雄たけびをあげるローリー・マキロイ。プレッシャーから解放された彼の今後にも期待だ(撮影/Yoshihiro Iwamoto)

一時4打あったリードがあっという間に縮まり13番のダブルボギーでジェスティン・ローズに並ばれた。15番、17番でバーディを奪い返し、1打リードで迎えた最終ホール。パーパットを外すと、ローズとのプレーオフにもつれ込んだ。

すんなり行かないのが勝負のあや。楽勝かと思ったそばからピンチが訪れる。「まるでジェットコースターのような一日だった」とマキロイはいうがプレーオフでは完璧なショットを重ね、バーディでローズを一蹴。地響きにも似たよう歓声に包まれしばらく地面に突っ伏したまま肩を震わせ立ち上がれなかった。

画像: 97年マスターズで優勝したタイガー。この優勝シーンがマキロイの将来を決定づけた

97年マスターズで優勝したタイガー。この優勝シーンがマキロイの将来を決定づけた

「夢が叶いました。この瞬間をずっと夢見てきました。97年にタイガーがここで成し遂げた偉業(12打差の圧勝)、初のグリーンジャケットを獲得したシーンを見て我々の世代の多くの選手が彼の後に続きたいと思ったものです」

「キャリアのなかでこの素敵なジャケットを羽織れるかどうか分からなかった時期もありますが、人生でもっともタフな一日にも諦めず立ち直った自分を誇りに思います」

期待され続けたキャリアの大半でマキロイはメジャー不毛の日々を過ごしてきた。4勝目まではあっという間だったが5勝目は遠かった。11年に4打リードして迎えたマスターズの最終日バック9で大崩れして戴冠を逃した。

画像: 25年マスターズでもオナラリースターターを務めたレジェンドたちからもマキロイのマスターズ優勝を嘱望されてい(撮影/Yoshihiro Iwamoto)

25年マスターズでもオナラリースターターを務めたレジェンドたちからもマキロイのマスターズ優勝を嘱望されてい(撮影/Yoshihiro Iwamoto)

オナラリーティーショット(始球式)に登場したジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソンのレジェンドからも「ローリーに勝って欲しい」と背中を押された。

「3人、そしてタイガーはいつも“いつか君はマスターズで優勝する“といってくれました。でも本当にそれが重荷だった。彼らが僕にグランドスラムを達成する能力があると信じてくれたのは光栄ですが、そんなこといわれないほうが良かった(笑)」

大会前のパー3コンテストで娘のポピーちゃんが最後のホールでバーディパットを決め、マキロイはパパとしてこれ以上ない喜びと興奮を味わった。しかしポピーちゃんは歓声に驚き泣いてしまうアクシデント。

マスターズの公式Xでマキロイの愛娘ポピーのパー3コンテストのパッティングを動画で確認する

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優勝を決めた18番グリーンを降りてすぐ愛しい娘を抱きしめた。人見知りなのか場所見知りなのかシャイなポピーちゃんに笑顔はなかった。しかし時が経ちいつかこの映像を振り返ったとき、パパのゴルフ人生最高の日を娘も喜んでくれるに違いない。

マスターズの公式Xでマキロイのプレーオフカップインからアテストエリアまでを動画で確認する(1分50秒あたりに妻・エリカ&愛娘・ポピー、4分40秒あたりに親友シェーン・ローリーが出迎える)

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遂にやった。ローリー、おめでとう!

▶▶▶動画・マスターズ公式Xでマキロイの最終日全ショットを振り返る

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