みんなのゴルフダイジェストのYouTube「みんゴルガチギアトラック」は、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太による、本番を想定した打ち直し無しの“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画。今回は、2025年発売のロースピンドライバー『コブラDS-ADAPT LS』の、ミスヒット時のパフォーマンスの高低を検証している。

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『DS-ADAPT LS』のメーカー発のセールスポイントは。「ツアーにインスパイアされたコンパクトな445cc形状と前方に配置されたCG(重心位置)を備えており、最高のボール速度、低スピン、低軌道、完全な操作性とコントロールを求める優れたプレーヤーに適しています」。テクノロジーの注目点は、鍛造の『大型H.O.T.フェイスインサート』で、フェースフレックスを改善し、フェースの中心とその周辺でより堅牢な飛距離とボールスピードを実現。ネック部分の『FutureFit33』は、ロフト角とライ角を任意の方向にプラスマイナス2度で調整が可能で33通りのロフト&ライ設定機能で、フィッティングカスタマイズが可能。

画像: 『SPEEDER NX for COBRA』Flex S、45.5インチ、先中調子。ロフトは9度、10.5度

『SPEEDER NX for COBRA』Flex S、45.5インチ、先中調子。ロフトは9度、10.5度

シャフトは『SPEEDER NX for COBRA』Flex S、45.5インチ、先中調子。ロフトは9度、10.5度の展開で、今回は10.5度を試打する。

試打前に小島プロの『DS-ADAPT LS』(10.5度)のスペックチェック

「“ツアーにインスパイアされた上級者向けドライバー”ということで、『ザ・LS』という雰囲気ですよね。ヘッド体積は445ccで小さいです。ロフト9度と10.5度で内部の設計値を変えていて、今回は10.5度の試打ですが、9度になると凄い低スピンになるようです。分からないのはこのヘッドにこのシャフトでいいんだろうかっていうこと。まあ何かしらのメッセージがあるかもしれないので、そこは要チェックですね。『大型ホットフェースインサート』はフェース全体ではなく、より真ん中で当てることがパフォーマンス向上に繋がるという狙いなので、この辺が上級者向けということなんでしょう、わかりやすいコンセプトです。今年から契約したマックス・ホマーがこのLSの9度を使っているということです」

試打は、センターヒット、トウヒット、ヒールヒットの順に行う。使用ボールはいつもどおりタイトリスト『プロV1』を使用。

HS45m/s前後でセンターヒット

画像: ヘッドスピード45m/sでセンターヒット時のトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

ヘッドスピード45m/sでセンターヒット時のトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.2m/s
ボール初速●66.7m/s
打ち出し角●12.0度
スピン量●2575rpm
降下角●36.2度
キャリー●235.5Y
飛距離●261.0Y
打ち出し方向●0.4度左
スピンアクシス●0.1度左
SIDE●2.4Y左

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●0ミリ
Vインパクト●5ミリ高

癸生川プロの打感と感想は、「いい球ですね。打った感じは低スピンには感じるけど、でも思ったより上がってくれている。たぶん、シャフトの影響だと思うけど」と、LSの割にはスピン量も球の高さも出たことが意外だったようで、そのポイントは軟らかめで先中調子のシャフトにあると感じたようだ。

小島プロの弾道を見ての分析は、「45m/sの速さで振ってるというのもありますけど、スピン量は2575rpmですからロースピンという割にはある程度入っています。確かに、シャフトで球を持ち上げている要素は大きいと思います。上級者でそんなにクラブスピードが速くない人でも、ちょっと軟らかめのシャフトを選択したら打てるというメッセージなんでしょうね。最初に『このヘッドでこのシャフトでもいいの? 』と疑問に思った点への回答はそういうことなんだと思います。これ以上のクラブスピードが出る人は、もっとしっかりしたシャフトを選べばいいわけですからね」というもの。

■HS45m/s前後でトウヒット

画像: ヘッドスピード45m/sでトウヒット時ののトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

ヘッドスピード45m/sでトウヒット時ののトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.2m/s
ボール初速●66.0m/s
打ち出し角●11.7度
スピン量●2679rpm
降下角●35.3度
キャリー●232.0Y
飛距離●257.5Y
打ち出し方向●3.5度右
スピンアクシス●17.5度左
SIDE●14.3Y左

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●22ミリトウ
Vインパクト●2ミリ低

ガチギアの試打ではあまり出たことがない、右に飛び出して大きく左に曲がってくる弾道を見て、二人の意見がぶつかった。

癸生川: 凄いね。

小島: そうね、球が“よじれる”というか、当たった瞬間にバーンと右に出て戻ってくる感じはありますよね。

癸生川: だからある意味、操作性がイイんだと思う。曲げられるから。

小島: それを操作性というのかな。

癸生川: いや、軌道を変えて球を曲げることは多いけど、打点で変えるということもあるからね。

小島: 確かに、ビクトール・ホブランとかトミー・フリートウッドは打点で球をコントロールするって言ってたけど、でもそれをアマチュアのプラスハンディでもやらないでしょ。だとしたら、それは操作性が良いとは言わないでしょう。

癸生川: じゃあ、寛容性や許容性が高いというべきなのかな。

小島: 22ミリトウで打っても着弾点は14.3ヤード左だったので、そうも言えるかもしれないけど、でもたぶん、このヘッドはそこを狙っているわけではなくて、もっとフェースの真ん中で打たないとこのクラブの機能は発揮しにくいんというメッセージなんだと思います。10ミリ以内のズレならいいけれど、22ミリトウは外れ過ぎで、22ミリズレてしまう人は同じシリーズの『X』を選べばいいんじゃないですかということになると思います。

癸生川: やはり上級者向けというメッセージだね。

HS45m/sでヒールヒット

画像: ヘッドスピード45m/sでヒールヒット時のトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

ヘッドスピード45m/sでヒールヒット時のトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.8m/s
ボール初速●64.2m/s
打ち出し角●13.5度
スピン量●3277rpm
降下角●42.4度
キャリー●222.9Y
飛距離●239.5Y
打ち出し方向●5.9度左
スピンアクシス●6.5度右
SIDE●11.5Y左

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●18ミリヒール
Vインパクト●3ミリ高

トウヒットでは意見がぶつかった2人だが、ヒールヒットの弾道を見ての感想はどうだろう。

癸生川: 球が弱い感じがするな。ホワァ~ンって言う感じの飛び方になっちゃうね。

小島: まあそんなに右に逃げてはいませんけどね。でも球に勢いがないと言うか。トウ側に当たったらよじれた飛び方をするし、ヒールに当たったらちょっと前に行かないような感じの飛び方ですよね。

癸生川: うん。やっぱり真ん中なんだろうな。

小島: この『LS』は、ある程度真ん中に当てられるプレーヤー向けなんでしょうね。

癸生川: 上級者向けということなんだろうね。

小島プロによる、センターヒット、トウヒット、ヒールヒットのデータ分析

●『ボールスピード』や『トータルの距離』はヒールヒットで極端に落ちる

トウに22ミリ当たってもそんなに『ボールスピード』は落ちないですね。一方ヒールに18ミリ当たった時には2m/s以上落ちます。『打ち出し角』と『スピン量』、『落下の角度』はセンターヒットとトウヒットとであまり変わらないけれど、ヒールは打ち出し角で1.5度高く、スピン量は700rpm多く、落下の角度は42.4度で高いです。その結果、『トータルの距離』になるとヒールが極端に落ちます。21.5ヤード落ちています。この辺りのデータはヒールヒットは弱い結果になっています。

●弾道の傾きの『スピンアクシス』はトウヒットした時が大きい

トウヒットは距離的には弱くなかったものの、曲がり方が計算できないような飛び方でしたね。その部分が『スピンアクシス』に出ています。センターヒットの弾道は0.1度左でほとんど傾いていませんが『トウヒット』の時は17.5度左に傾いた弾道です。一方ヒールヒットでは6.5度右に傾く弾道ですから、そんなに右には行かないんです。つま10.5度のヘッドは、つかまりが悪いヘッドではないんということです。

●真ん中で打つヘッドであることは、『スマッシュファクター』にも現れている

インパクトの効率を表す、ボールスピードをクラブスピードで割った数字の『スマッシュファクター』(最高効率1.50)ですが、センターヒットが1.48に対してトウヒットが1.46、ヒールヒットが1.43と、真ん中から外れると確実に落ちるので、やはりオフセンターヒットは効率もそれなりに悪くなるのかなと思います。

■結論

画像: 「メーカーが言っているように上級者向けで、しっかり芯に当てられて、球をコントロールしたいプレーヤーに合うクラブ」(癸生川)

「メーカーが言っているように上級者向けで、しっかり芯に当てられて、球をコントロールしたいプレーヤーに合うクラブ」(癸生川)

試打をした『コブラ DS-ADAPT LS』のはどういうタイプのゴルファーにマッチすると思ったのか、二人の結論を聞いてみよう。

癸生川プロは、「メーカーが言っているように上級者向けで、しっかり芯に当てられて、球をコントロールしたいプレーヤーに合うクラブだと思いましたね」ということ。

小島プロからは、「我々はガチをコンセプトにやっているので、芯に当てられる上級者に絞って頂いていいんじゃないかなって思います。今回の10.5度に関しては、シングルプレーヤーくらいまでかな。ハンディ10を超えたら厳しそうかなと思います」とガチな結論が出た。

冒頭、この『コブラDS-ADAPTLS』のメーカー発のセールスポイントとして挙げた『大型H.O.T.フェイスインサート』は、フェースの真ん中で当てることがハイパフォーマンスに繋がるとの特性で、小島プロはここに注目し、「上級者向けという分かりやすいコンセプト」だと言っていたが、今回のオフセンターヒットの打ち比べでは、弾道もデータも、そをことごとく立証するような、ガチな試打結果となった。

みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、『コブラDS-ADAPT LS』のオフセンターヒットの検証以外に、最適スピード帯の割り出しなども行っているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。

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