レギュラーツアーの出場者のおさらい
国内女子のレギュラーツアーの出場者は、3日間競技なら120名、4日間競技なら144名が基準となっている。第1回のリランキング基準競技である「ニチレイレディス」までの出場者の内訳は、①24年のメルセデス・ランキングポイントで上位50名をシード選手②51~55位を準シード選手、③明治安田ステップ・ランキングの1、2位の選手で57名が確定。また20名前後が主催者になるので、残り40~60名前後が昨年12月に実施したファイナルQTの上位者に割り当てられることになる。
では、次に「リランキング」である。前述のとおり、「ニチレイレディス」を基準競技に第1回リランキングが実施されるが、そもそも「リランキング」とは選手間の競争力を高め、ツアー強化を図るため、2018年度より、LPGAツアー(レギュラーツアー)において導入された制度だ。昨年の政田夢乃のように、開幕時に十分な出場権を持たなかった選手がこの制度を通じて飛躍するケースも多い。

昨年はQT147位からスタートし、リゾートトラストレディス8位などの好成績を上げ、第1回リランキングで30位。その後、NEC軽井沢72の2位などで第2回リランキングを14位で実質的な最終戦・大王製紙エリエールレディスまで出場し続けた
25年シーズンは開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」から6月に開催される「ニチレイレディス」までを第1回目のリランキング期間としており、その間に得たメルセデス・ランキングポイントにより、シード選手および25年優勝者を除く、上位35位前後に入ると、翌週の「アース・モンダミンカップ」から9月後半に開催される「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子」までの試合に出場できる計算だ。つまり、開幕時点のランクが有効なのは最初の14試合で、ファイナルQT上位者はその位置を守るための戦いとなる。QT下位の選手は限られた機会で結果を残し、メルセデス・ランキングポイントを積み重ねることが求められる。

QTランク51位だった工藤遥加はアクサレディスでの優勝でリランキング対象から外れ、シード権を獲得した
みんゴルが予想する第1回リランキング上位者は?
みんなのゴルフダイジェストでは直近3年間(2022~2024年)の第1回リランキングのポイント数から、基準を100ポイントに設定した。
1戦目:ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント
2戦目:Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント
3戦目:アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 2025
4戦目:ヤマハレディースオープン葛城
5戦目:富士フイルム・スタジオアリス女子オープン
6戦目:KKT杯バンテリンレディスオープン
来週/7戦目:パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント
2025年4月21日現在、みんゴル予想基準である、100ポイントを突破している選手は下記の通り。現在暫定リランキング1位の菅は第1戦の4日間競技で2位タイとなり140ptを獲得。6試合中4試合でトップ10以内の活躍をみせ現在427.29ポイント。これは、リランキング対象者のみならず、年間女王レースであるメルセデス・ランキングでも2位につけている。
リランキングポイント2位の入谷響はドライビングディスタンスが258.63Yと堂々1位で、その飛距離をアドバンテージに6試合でトップ10が2試合、予選落ちが1回だけと安定。3位の荒木優奈は4日間競技の「ダイキンオーキッドレディス」を7位タイ(66ポイント)、「ヤマハレディースオープン葛城」を18位タイ(34.50ポイント)を獲得。ポイントが高い4日間競技で上位に進出し、みんゴル突破基準の100ポイントを獲得している。また4位の泉田琴菜が「アクサレディス」と「ヤマハレディースオープン葛城」の2試合で111.50ポイントを獲得。
そして5位の中村心はQTランク74位と、レギュラーツアーへの出場は主催者推薦に頼るしかなかったが、第5戦の「富士フイルム・スタジオアリス」で2位タイとなり、一気に105ポイントを獲得し、ジャンプアップ。これらの5人は「アース・モンダミン」以降、高確率で試合に出られると予想する。
▼暫定リランキング順位
1位:(QTランク20位)菅楓華/427.29pts
2位:(QTランク18位)入谷響/189.74pts
3位:(QTランク37位)荒木優奈/143.20pts
4位:(QTランク33位)泉田琴菜/135.27pts
5位:(QTランク74位)中村心/110.12pts
==みんゴル突破ライン100pt==
6位:(QTランク14位)徳永歩/82.07pts
7位:(QTランク4位)サイ・ペイイン/78.16pts
8位:(QTランク10位)髙久みなみ/76.60pts
9位:(QTランク29位)葭葉ルミ/74.54pts
10位:(QTランク1位)永井花奈/73.70pts
突破ラインを100ポイントとした場合、突破ラインの100ポイントまで残り僅かな5人の選手もピックアップした。6位の徳永歩が100ポイントに達するために必要なポイントは18ポイントなので、単独22位以内に入ることで獲得できる。そして10位の永井花奈に必要な27ポイントは単独16位が必要だ。とはいえ、彼女たちはQTランクが上位者なので、残り8試合で所定のポイントを稼ぐことができればいいわけなので、そこまで難しいことではないのかもしれない。
▼暫定リランキング順位・QT下位の注目選手
22位:(QTランク49位)金田久美子/38.00pt(4試合出場)
25位:(QTランク47位)稲垣那奈子/31.00pt(2試合出場)
26位:(QTランク134位)青木香奈子/28.96pt(4試合出場)
28位:(QTランク62位)髙木優奈/22.30pt(3試合出場)
29位:(QTランク40位)山路晶/19.85pt(4試合出場)
34位:(QTランク45位)上野菜々子/15.18pt(1試合出場)
35位:(QTランク46位)林菜乃子/15.18pts(1試合出場)
QT下位の注目選手もピックアップした。主催者推薦は最大で8試合と決められているので、突破ラインを100ポイント、かつ「ニチレイレディス」までに残り4試合の推薦をもらったと仮定すると、金田久美子は62ポイント、青木香奈子は72ポイント、山路晶は81ポイント足りない。出場した試合で、コンスタントに20位以内でのフィニッシュが必要になってくる。
ちなみに、4日間競技で得られるポイントは3日間競技の1.5倍、また第8戦の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は公式戦なので3日間競技の2.0倍のポイントが得られる。この4日間競技に注目するのもありだろう。
【ニチレイレディスまでの4日間競技】
第8戦:ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ(公式戦)
第10戦:ブリヂストンレディスオープン
第11戦:リゾートトラスト レディス
第13戦:宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント
◆リランキングとは?
シード選手及び当該年度優勝者以外のTP(トーナメントプレーヤー)登録者が対象。メルセデス・ランキング上位順に並び替え(並び替えたリストをリランキングリストという)、リランキング実施競技から、リランキングリストに基づき出場資格を付与する。
▼リランキング実施時期
●第1回目
∟基準競技:週番号第24週「ニチレイレディス」
∟実施競技:週番号第25週「アース・モンダミンカップ」
●第2回目
∟基準競技:週番号第38週「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」
∟実施競技:週番号第40週「スタンレーレディスホンダ」
PHOTO/岡沢裕行、有原裕晶、姉崎正