チャレンジトーナメントのACNツアー第2戦「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘 2025」が23日から25日までの3日間の日程で筑紫ヶ丘ゴルフクラブで開催。ABEMAツアー最終年となった去年の同大会では、大嶋港がプロデビュー2戦目でいきなりチャレンジ初優勝し、余勢を駆って年間の賞金ランク4位に入り今季のレギュラーツアーの前半戦の出場権を獲得した。今季はどんな新人が現われ、また劇的なドラマが見られるのか。去年までACNツアーを現地リポーターとして7年間観てきた萩原菜乃花が、改めてチャレンジトーナメントのおさらいと、この試合の注目選手を紹介!
画像: 昨年まで下部ツアーなどの実況や現地リポーターを担当していた萩原(撮影/姉崎正)

昨年まで下部ツアーなどの実況や現地リポーターを担当していた萩原(撮影/姉崎正)

はぎわら・なのか。名門日本大学ゴルフ部に所属して腕を磨き、ベストスコアは75。学生時代から週刊ゴルフダイジェストなどに登場。大学卒業後はライムライト所属のフリーアナウンサーとして活動中。

ACNツアー2戦目! 舞台は福岡の筑紫ヶ丘ゴルフクラブ

ACNツアーはJGTO(レギュラー)ツアーの下部ツアー。レギュラーツアーの出場権がない、これから本格的に稼げるプロを目指す新人や一度トップツアーにいた再チャレンジ中の選手が参戦する試合だ。若手選手の育成に貢献しているのはもちろんレギュラーツアーへの出場権獲得を狙う、男子プロゴルファーの登竜門のような存在。レギュラーツアーの出場権は、ACNツアーの上位20位までの選手が翌年の前半戦の出場権を獲得する。(20位以内にシード選手がいる場合には繰り下がる。ちなみに2024シーズンは23位の古川龍之介までが有資格)

チャレンジトーナメントの試合の開催日数は2017年までは2日間競技で、2018年に「ABEMA(AbemaTV)ツアー」が始まって全試合が3日間競技に。今季の「ACNツアー」も全13試合が3日間競技で行われる。全試合入場無料で、ギャラリーにとって嬉しいのが試合によってはクラブハウス前の駐車場に停めることが可能で、さらに、クラブハウスに入場でき、レストランで食事をとれるところも!

ACNツアーになった今シーズンからの変更点をチェック! 

まず、ツアーの名称が『ABEMAツアー』から『ACNツアー』に。2024年限りで7年間続いたABEMAとのネーミングライツスポンサーとしての契約が終了し、今季は、株式会社ACNホールディングスと契約し、名称が『ACNツアー』に。これに伴い、昨年まではABEMAで配信していたチャレンジツアーの試合の放送は、今季はJGTOのオフィシャルYouTube『JGTOTV』で配信されることになった。

最も大きい変更が、年間ランキングを24年までの賞金ランキングからポイントランキング制になること。このポイントランキング制への移行は、世界のほぼ全てのツアーがポイント制を採用していることや、各大会の賞金総額の違いや天候不順などによる短縮開催などに左右されず、公平公正な競争により、選手の最大限のパフォーマンスを引き出すことを目的としているとのこと。各試合の優勝者には540ポイントが付与され、最終戦はチャレンジポイントとして1.5倍の810ポイントに。このポイントランキング制導入について、選手の意見を聞いてみた。

内山遥人は「 仕組みがまだよくわかっていないけど、コンスタントに上位にいければランキングは上には行けるはず」。芹澤慈眼は「ポイントの1位と2位の差だったり、未だよくわかってない。でも無駄な1打は打てないなという印象」。山脇健斗は「(初めてなので)裏シード獲得には何ポイント必要になるのかのボーダーラインがわからなくて難しい」、ということで、やはり初の試みに戸惑いもあるようだ。

この試合、私が注目する3人を紹介。開幕戦賑わせた3人が筑紫ヶ丘に戻ってきます!

オフの充実したトレーニングで開花間近! 山脇健斗

まず山脇健斗選手は、ACNツアー開幕戦「Novil Cup」が8位タイ、レギュラーの「東建ホームメイトカップ」が15位タイと好調の滑り出し。カリフォルニア州サンディエゴの出身で、去年の前半戦は日本での生活に慣れないこともあり体調を崩していたが、6月ごろから体調も良くなりそこから本領発揮。「LANDIC CHALLENGE」4位タイを皮切りに以後は全て予選を通過し、2位タイも2回。去年のACNツアーの賞金ランク12位でレギュラーの前半戦出場権を獲得している。

画像: キュートな笑顔で人気上昇中の山脇健斗(撮影/姉崎正)

キュートな笑顔で人気上昇中の山脇健斗(撮影/姉崎正)

今オフは地元サンディエゴでコーチのクリス・メイソンの元で良い練習ができたとのこと。

「サンディエゴは練習環境が整っていて、早朝ラウンドは3時間以内で終わるから、1日36ホール、なんなら45ホールも行ける。去年のオフは意味のある練習をしてなかったけど、今年は満足。コーチに練習方法を教えてもらいながら意味のある練習が出来たと思う」と、開幕までにいい練習が出来たようだ。それを証明するようにレギュラーとACNツアーの開幕戦でイイ感じの滑り出し。しかも「Novil」ではバーディー数1位! 飛距離も武器で、これまで下部ツアー「石川遼 everyone PROJECT Challenge」では2年連続でドライビングディスタンス賞を獲得している。日本の生活にも慣れてきて体調も万全、間違いなく去年よりもいいゴルフしているので、いつ優勝してもおかしくない選手。今年も注目!

突如現れたツアー屈指の飛ばし屋 内山遥人

内山遥人選手は、去年は優勝こそないけれどコンスタントに上位に入りトップ10が4回で賞金ランク15位に、レギュラー前半戦のシード権も獲得した。今オフは、キーンレック病という手首の付け根にある骨への血流が低下する病気になり、2カ月の間は全くクラブが握れず、練習再開は1月下旬から。「でも休養期間はトレーニングをして4.5キロ増えたのがむしろ良かったです」と前向き。

プロテスト合格直後から小田孔明プロの“チーム孔明”に入り、今年のオフは4年目の2週間のチーム合宿に参加。「孔明さんは聞いたらなんでも教えてくれるので、ツアーの雰囲気や優勝争いの話をいっぱい聞いて経験値を上げました」とのこと。

レギュラーの東建カップに初日は『66』のスコアで4位タイ発進。2日目も『69』と好調に見えたが、3日目は『76』と後退。この日は石川遼プロと同じ組となり、これまでに経験のないギャラリー数だったのが原因か。

画像: 東建ホームメイトカップの3日目はツアー屈指の人気を誇る石川遼選手と同組に(撮影/姉崎正)

東建ホームメイトカップの3日目はツアー屈指の人気を誇る石川遼選手と同組に(撮影/姉崎正)

「自分の体じゃないような感じでずっとふわふわしていた」という。とてもいい経験ができたようだ。その東建カップで内山選手は、3日間全てドライビングディスタンス1位という快挙。しかもあの飛ばし屋の幡地選手を抜いての1位は凄い。なんと初日は363.04ヤード!!本人は「カート道で跳ねてコロコロいった」と話しているが3日間1位だから、コレはすごい!! 

話を聞くと意外にも、小さいことから飛ぶタイプというわけではなく、距離がアップしたのはプロ転向あたりから。スピン量が多かったスウィングから、スウィング改造やクラブの調整をして20ヤード飛距離伸ばしたとのこと。武器はもちろんドライバーで、好きなクラブはパター。 「今年の目標は前半戦のうちにシードを確定させたい」とのこと。優勝も期待できそう。

レギュラーツアーで「62」! 芹澤慈眼

芹澤慈眼選手は2024年の賞金ランキング13位で、今シーズンはレギュラーの前半戦の出場権を得た。「今年は試合数が多いので1年戦うには体がもたない」と思い、去年よりもトレーニングを強化した。その成果はすぐに出たようで、東建カップの2日目に『62』というビックスコアで一気に5位タイまでジャンプアップ。実はこの試合、“優勝請負人”とも言われる清水重憲キャディと初タッグを組んで臨んだので、初日はお互いに探り探りで助言は少なめだったという。

画像: 清水重憲キャディに「ポテンシャルは十分ある」といわれた芹澤慈眼(撮影/姉崎正)

清水重憲キャディに「ポテンシャルは十分ある」といわれた芹澤慈眼(撮影/姉崎正)

プレースタイルが分かった2日目からは清水さんのアドバイスも効き、1イーグル、7バーディ、ノーボギーの好プレー。芹澤選手は「清水さんのキャディは最高です。今までなにも考えてなかった、僕アホすぎたんです」と笑いながら話していた。ちなみに、清水さんからのアドバイスのポイントは、ピンから逆算して考えられるようにショットを組み立てること。その場合、グリーンを狙うには右のフェアウェイが良い状況で、左のフェアウェイに打つより右のラフでも良いと考えて打つべきを教えてもらい、「あ、ラフでもいいんだと思い、許容範囲が広がりゴルフがしやすくなった」という。今年の目標はシード権獲得なので、まずは前半戦でリランキングで上位に入ること!開幕戦で新発見があった芹澤選手の今シーズンに期待! 

ポイントランキング制導入で注目される『ACNツアー』を、みんゴルは今季も萩原菜乃花のリポートでカバーしていくので、乞うご期待。

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