ゴルフで男性のアマチュアがプロのスウィングを参考にする場合、フィジカル面が違い過ぎる男子プロよりも女子プロのほうが参考にしやすい、というのはよくある意見だし、実際にレッスン記事や動画でテーマとして挙げられることも少なくない。
しかし「女子プロのスウィングが本当に参考になるかと言うと、実はちょっと怪しいところがあります」とJJコーチ。もちろんゴルフを始めたばかりのビギナーがいきなり女子プロのスウィングを参考にすることはないだろうが、これからゴルフを続けていき、そういった情報に触れる機会がある以上、頭の片隅に置いておいてほしいことだと言う。

埼玉県草加市のゴルフスクール「Tom's Bishon草加店」専属のJJコーチ
「僕の意見が世間的には少数派だと理解していますが、体の構造の違いがある以上、運動学の面から考えると男性と女性では飛ばすための体の使い方がそもそも違います。たとえば男性は比較的肩幅があり、腕が短い。対して女性は比較的肩幅が狭く手足が長い傾向です。筋肉の付き方や柔軟性だって変わります。これだけ違えば、スウィング中の遠心力の使い方も当然変わります」(JJコーチ、以下同)
女性の場合、肩幅が狭いぶん回転力があるから大きいトップを作って飛ばす。片や男性の場合、肩幅があって腕は短い。しかしフィジカル面の強さから、トップが小さくてもしっかりと力強くボールが飛ばせる。
こういった飛ばし方の違いがあるからこそ、単にヘッドスピードが男子プロよりは近しいという理由で参考にはできないし、真似しようとしても難しいわけだ。そして男子プロもフィジカル面に差があり過ぎる以上、参考にしづらい。つまり男子でも女子でも、プロのスウィングは基本的にそのままお手本にはしづらいという結論になる。
そのうえで、比較的参考にしやすいのは「良くも悪くも女子プロ的でない選手のスウィングです」とのこと。
「ひとつは男子プロを参考にスウィングを作り上げた女子プロ。たとえばローリー・マキロイ選手を参考にした笹生優花選手などですね。またシン・ジエ選手やアン・ソンジュ選手といった、柔軟性でなく、パワーとテクニックで飛ばす選手も参考にしやすいでしょう」

男子アマが女子プロを参考にするのは、体の構造の違いから難しい。ただ、写真の笹生優花のように、男子プロを参考にスウィングを作った選手なら比較的参考にしやすい(写真は2025年のホンダLPGAタイランド 撮影/姉崎正)
協力/Tom's Bishon草加店