2007年テネシー州ナッシュビルで生まれたブラウンは17歳にしてすでにアマチュアではなくプロ。じつは彼、23年に高校2年(16歳)のとき全米アマチュアゴルフ選手権でボビー・ジョーンズの持つ最年少ストロークプレーメダリストの記録(18歳)を塗り替え注目された若き天才なのである。

コーンフェリーツアー「ベリテックスバンク選手権」で2位タイとなった17歳、ブレーズ・ブラウン(写真/Getty Images)
多くの名門大学からの誘いを断りプロの道を選んだブラウンは今季コーンフェリーツアー(下部ツアー/以下KFT)3試合、PGAツアー4試合に出場している。
残念ながらPGAツアーで予選を突破したのはメキシコオープン(34位タイ)だけだが、KFTの3試合は全て予選をクリア。前週のベリテックスバンク選手権では61-67-66-63の通算27アンダーをマークし優勝には届かなかったが2位タイに食い込んだ。
この結果同ツアーのポイントランクは140位から44位にジャンプアップ。KFTの特別テンポラリーメンバー資格獲得まであと58ポイントに迫った。
プロ宣言してもブラウンはあくまでも非会員。非会員のKFTへの出場は年間4試合しか認められていないが前週2位タイに入ったことで今週のトゥルム選手権の出場権を獲得し、1試合できる試合が増えた。
仮にCJカップに出場した場合、トゥルム選手権には出られず残り1試合で58ポイントを稼がなければテンポラリーメンバーにはなれない。メンバー資格を確実に獲ることを優先し、CJカップへの出場を辞退したというわけだ。
もちろんあと2試合で58ポイントを獲得できる保証はない。しかし残り2試合でテンポラリーにせよメンバーになれば出場機会がさらに増え、最終的にトップ20入りすれば来季のPGAツアー昇格も夢ではない。
母・ロンダさんはWNBAの元プロバスケットボール選手。女子のバスケットボール界で初の3ポイントシュートを決めたレジェンドで23年にミズーリー州のスポーツ殿堂入りを果たしている。
姉のミリーさんもバスケットボールの有名選手で子供のころブラウンの夢は「姉のようにシューターとして成功すること」だったという。
高校時代は州選手権で3連覇を達成するなど卓越した戦績を残し、24年にはAJGA(全米ジュニアゴルフ協会)のランキング1位にも輝いている。
17歳のキャリアはまだ始まったばかり。しかしKFTですでに準優勝を経験したブラウンの将来は明るい。未来の成功に向けPGAツアーの1試合をスキップすることくらいなんら支障はないのだろう。