
ステップ・アップ・ツアーでプロ初優勝を飾り、今週レギュラーツアーのパナソニックオープンレディースに出場している青木香奈子
クロスハンドからクロウグリップに変えてプロ初優勝

クロウグリップスタイルに変えた青木
ルーキーの青木はデビュー戦のVポイント×SMBCで13位タイ(初日8位、2日目9位)と活躍、2戦目のアクサレディスとステップ・アップ・ツアーのYANMAR HANASAKAレディスで予選通過したものの、富士フイルム・スタジオアリスとKKT杯バンテリンで予選落ちが続いた。
悪い流れを変えたのが、パッティングのグリップチェンジ。クロスハンドグリップから変えたクロウグリップだった。
左手をネック側にして右手をグリップエンド側に握るスタイルを、右手甲側を正面に向けて鳥獣の爪(クロウ)のように添えて握るスタイルで、タッチが良くなり前週のステップ・アップ・ツアー、大王海運レディスでのプロ初優勝につながったという。
「バンテリンと富士フイルムでパターが良くなくて、悩んでいたんですけど、ちょっとパターのグリップを変えてみようと思って、先週からクロウグリップを取り入れて自分のプレーができるようになりました」
クロウグリップのメリットはどこにあるか。
「緊張したときに右手がちょっと強く入っちゃうのが怖くて。クロスハンドではちょっとグッと(力が)入るから(しっかり)打てなくてショートっていうのが多かったんです。クロウグリップにして右手(の力やパンチ)を消すことによって、自ずとラインに乗せられるようになったかなって」
ショートパットだけでなくロングパットの上りで打てなくてショートになってしまうこともなくなった。

右手2本をグリップ部分に添えるスクロウグリップで、右手のパンチが入りにくくなるという
クロウグリップの右手を添える指の本数を聞かれた青木は「4(本)より2(本)が良かったので2にしてみました。2のほうが右手の力が入りにくいと思います」と2本にしている。
また、クロスハンドも右手を消して力が入りにくくなる効果があるが、指を添えて握るクロウに変えることでさらに良くなる発見があったという。
「クロスハンドにするとストローク自体はいいんですが、私の場合、“打ち切る”みたいな雰囲気になって“しっかり打つ”イメージになっていました。クロウにしてから振り子運動ができて良くなったように思います」
そう大会前に話していた青木は初日イーブンパー(16H終了)とまずまずのスタート。残りのホールと2ラウンド目以降もパッティングの好調はキープするのではないか。
そんなクロウグリップは、青木が優勝した同週の男子ツアー「前澤杯」で優勝した小西たかのりも採用していた。マスターズを制したセルヒオ・ガルシアら、世界でも多くの選手がクロウに変えて活躍している。
一時期プロの間で広がりを見せたクロウグリップスタイルは、青木の活躍で再度ブームが巻き起こるかもしれない。