
「最新のUTは確実に進化していると感じました」と小倉氏(写真/有原裕晶)
「大ロフトUT」はグリーンを狙える!
クラブフィッター小倉です。今回は、UTについてです。先日、雑誌の企画で様々なUTを打たせていただきました。様々なモデル違いはもちろん、同じモデルの全番手のデータを取ったり、大ロフトモデルを集めて比較してみたりと、大変楽しく、非常に意義あるお仕事でした。
最新のUTを打って、クラブは確実に進化しているなと感じました。特にそう感じたのが、大ロフトモデルです。ひと昔前のUTには30度前後のスペックをラインアップしているモデルは、かなり限られていましたし、つかまり具合の大きい仕様ばかりでした。
最新の大ロフトUTは、ラインアップが増え、アスリートが使えるようなニュートラルなつかまりのモデルも登場し、弾道調整機能によって微調整のできるモデルも存在します。ヘッドは、どのモデルもミスに強く、安定した高いボールを打ちやすくなっていました。
近年の女子プロのセッティングは、アイアンの本数が減り、これらの大ロフトUTが増えている傾向があります。こういった点からも大ロフトUTが、“お助けクラブ”から“グリーンを狙うクラブ”に変わってきていると感じました。
ミスに強く、上がりやすい大ロフトUTは、アマチュアにこそ効果を発揮するクラブです。特に昨今のアイアンは、飛距離性能を高めたモデルが増えてきているため、ミドルアイアンでもグリーンに直接着弾させて止めることが難しくなってきています。大ロフトUTであれば、高さが出しやすいためグリーンに直接着弾しても止まりやすく、安心してピンを狙うことができます。
ピンポイントで狙うクラブに仕上げるなら、カスタムは必須になるでしょう。特にロング、ミドルアイアンの代わりとして使うとなると、アイアンとの流れを考えたシャフトの選定が重要になります。たとえば、アイアンに100~130g台のスチールシャフトを使用されている方であれば、同じ重量か少し軽めの重量のスチールシャフトで、長さはアイアンの流れに合わせるか、少しだけ長いぐらいのスペックにするのがおすすめです。
このあたりは、ゴルファーのスウィングやイメージによって変わってきますので、断言はできませんが、初期設定でもロングアイアンとあまり変わらない長さになる大ロフトUTは、軽すぎると再現性が下がりやすいので、ちょっとしっかり目のスペックが良いですね。
それなりに距離が出るクラブの中で、1本でも自信を持って打てるクラブがあるとゴルフは、とても楽になります。あなたも大ロフトUTを駆使して、女子プロのようにグリーンを上から攻めてみてはいかがでしょうか?