2025年4月に『SPEEDER NX』シリーズから新たにフェアウェイウッド専用モデルとハイブリッド専用モデルが追加されました。ドライバー用シャフトの『SPEEDER NX』シリーズは最新モデルの『SPEEDER NX バイオレット』を含め4モデルがラインナップされていますが、待望のフェアウェイウッド専用モデルとハイブリッド専用モデルが発売となりました。
ブランド別トップシェアを誇るドライバー『SPEEDER NX』シリーズですのでユーザーからはフェアウェイウッドやハイブリッドシャフトはどれを選べば良いのか? という質問が以前から多くありました。今回のフェアウェイウッド専用モデルとハイブリッド専用モデルの発売は『SPEEDER NX』ユーザーにとって待望のモデルだと思います。

『SPEEDER NX』ユーザー待望のフェアウェイウッド専用モデル『SPEEDER NX FW』とハイブリッド専用モデル『SPEEDER NX HB』
そこで、フェアウェイウッド専用モデル『SPEEDER NX FW』とハイブリッド専用モデル『SPEEDER NX HB』を2本立てで検証してみたいと思います。今回は『SPEEDER NX FW』です。
外観は『SPEEDER NX バイオレット』から採用した新しいデザインです。NXシリーズのアイコンでもあるホワイトのNXロゴは存在感があります。手元側は艶のあるブラックで、NXのロゴから先はダークシルバーの落ち着いたシャフトカラーになっており、様々なメーカーのヘッドへ装着した際に違和感のないマッチングが可能になっています。
シャフトラインナップは以下の通り。『SPEEDER NX』ユーザーはもちろんフェアウェイシャフトに求められる重量とフレックスを用意して幅広いゴルファーに対応できる豊富なラインナップです。
>40グラム台のFW45シリーズはR2 ・R ・SR・ Sの4フレックス
>50グラム台のFW55シリーズはR・ SR・ S の3フレックス
>60グラム台のFW65シリーズはR ・SR・ S ・X の4フレックス
>70グラム台のFW75シリーズはS・ X の2フレックス
シャフト特性とフィーリング
シャフト振動数は以下の通りです。※テストクラブはEPON AF 257 5W、42.75インチ。
FW45 | FW55 | FW65 | FW75 | ||||
R2 | 227cpm | ||||||
R | 233cpm | R | 239cpm | R | 244cpm | ||
SR | 241cpm | SR | 244cpm | SR | 252cpm | ||
S | 251cpm | S | 254cpm | S | 260cpm | S | 264cpm |
X | 271cpm | X | 275cpm |
『SPEEDER NX FW』のシャフト特性に大きく影響しているのがVARIABLE TORQUE CORE「VTC」です。ドライバーシャフトの『SPEEDER NX』にも搭載されている 「VTC」を搭載したことでNXシリーズに相応しい完成度のフェアウェイウッド専用シャフトに仕上がっています。

試打ヘッドの『EPON AF 257 5W』と『SPEEDER NX FW』
「VTC」により手元と先端のトルク分布をコントロールすることで、インパクトエリアでの安定性を犠牲にせず、FW専用シャフトに必要な理想的なボールのつかまりと高い打ち出し角度を実現しています。『SPEEDER NX FW』のキックポイントは中調子の表記になっていますが各フレックス共通してシャフト先端部分がほんの少し動くことでフェースが開くことなくインパクトでき、フェアウェイからのボールの上がりやすさを体感しやすいシャフト設計になっています。
全ての重量とフレックスを打ってみましたが、手元側の剛性感は基本的にドライバー用の『SPEEDER NX』シリーズをイメージさせるものです。Sフレックス以上のフレックスは手元側の剛性を感じられますが、ドライバー用のモデルよりも適度に剛性が落としてあるので、FW専用モデルとして切り返ししやすい印象です。
フェアウェイからのショットは常にフルショットするとは限らず、ライ等の状況でスウィングスピード等のコントロールが必要になる場面も多いと思います。『SPEEDER NX FW』は様々な状況でも非常に扱いやすい設計のシャフトに仕上がっています。
さて、重量別に詳しく解説していきます。
FW45
軽めのシャフト重量がもたらす軽快な振り心地が特長です。S・SRフレックスはインパクトエリアでのスピード感が印象的です。RとR2フレックスのイメージよりもしっかり感がありますがインパクト時にフェースが開かずにボールをしっかりととらえてくれます。弾道の高さも期待通りしっかり出ます。FW45はRフレックスを基準に選ぶと良いでしょう。
FW55
『SPEEDER NX FW』らしいスピード感とフェアウェイウッドに求めるヘッドコントロール性能が特長です。Sフレックスはややしっかりとした手応えのあるフレックスですが、爽快なスピード感が魅力的です。SR・Rフレックスは手元側の切り返しがしやすいのでシャフトコントロールのしやすさとボールをしっかりと高く打ち出してくれる『SPEEDER NX FW』のシャフトパフォーマンスを体感しやすいフレックスです。特に一般的なパワーのアマチュアゴルファーはバランスの良いSRフレックスを基準に選ぶと良いでしょう。

FW65
シャフト重量がもたらす安定したインパクトが特長です。X・Sフレックスは手元剛性がしっかりしているのでヘッドスピードのある方にオススメですが、Sフレックスをアマチュアのアスリートゴルファーの基準フレックスと考えて良いでしょう。SRとRフレックスは手元側にゆとりを感じられることでシャフトコントロールのしやすさを感じられます。ボールのとらえやすさと安定したインパクトが非常にバランス良く体感できる仕上がりですので一般的なパワーのアマチュアゴルファーに良いと思います。FW65はSRフレックスを基準にするのが良いでしょう。
FW75
シャフト重量を生かしてしっかり打てる安定感が特長です。Xフレックスはかなりしっかりしていますのでパワーのある方向けのフレックスです。Sフレックスでも十分に手応えがあるフレックスで、インパクト時のブレも抑制されているので7W以降のショートウッド等に装着しやすいシャフト重量だと思います。FW75はSフレックスを基準に選んで下さい。
SPEEDER NX ユーザーのシャフトスペックの選び方
続いてシャフトスペックの選び方ですが、『SPEEDER NX』のドライバーシャフトをお使いの方は基本的にはお使いのドライバーのシャフトの重量と同じ重量を選べば良いでしょう。例えば『SPEEDER NX 50』シリーズをお使いになっている方はFW55を選んで頂ければ良いと思います。重量感に違和感を感じずにお使い頂けるでしょう。ショートウッド等でシャフトに重量感が欲しい方は一つ上の重量帯のモデルを選ぶと良い場合もありますので、ぜひ試してみてください。

『SPEEDER NX 50』シリーズをお使いになっている方はFW55をチョイスするといい
フレックスについても、『SPEEDER NX』のドライバーシャフトをお使いの方は、基本的に同じフレックスのものを選んで頂くことをおすすめします。実際に打ってみても違和感は感じられませんでした。
ドライバーでSフレックスをお使いの方はFWのSフレックスを選ぶことでフェアウェイからのショット時に必要な地面からボールをとらえる理想的な動きを得ることができます。フェアウェイウッドが苦手という方はワンフレックス下のフレックスがおすすめです。よりボールのとらえやすさと上がりやすさを体感することができます。
『SPEEDER NX』のドライバー用を装着した場合の違い
『SPEEDER NX FW』はフェアウェイからボールをしっかり打ち出し角度の高さを出せる設計のFW専用モデルですので、『SPEEDER NX』のドライバーのシリーズとは設計が異なります。
今まで『SPEEDER NX』シリーズを全てフェアウェイウッドに装着して打ったイメージから判断すると、『SPEEDER NX FW』は『NX ブルー』と『NX ブラック』をお使いのユーザーにはフェアウェイウッドに必要なシャフトの動きに違和感なくお使い頂けると思います。
手元側がややしっかりとした剛性設計の『NX グリーン』と『NX バイオレット』ユーザーは手元側の剛性感が違う『NX FW』に切り返し時のイメージや、シャフト挙動に違いを感じると思います。『NX グリーン』と『NX バイオレット』ユーザーでドライバーのシャフトのタイミングがピッタリと合っているという方はドライバーシャフトと同じモデルをフェアウェイウッドに装着するのが良いでしょう。
『SPEEDER NX FW』総評
今回『SPEEDER NX FW』を打ってみて完成度の高さに感心しました。どの重量帯もどのフレックスもそれぞれの設定が適正に感じられました。現在4種類あるドライバー用シャフト『SPEEDER NX』の全てのモデルに完璧に合うという訳ではありませんが、「VTC」によるフェアウェイウッド用シャフト専用のトルクコントロール設計はインパクト時の安定感を持たせながら『SPEEDER NX』ブランドのフェアウェイウッド用シャフトらしさを感じられる完成度です。

フェアウェイからボールをしっかりとらえて高く打ち出すことが体感しやすいのでフェアウェイウッドが苦手な方にもオススメしたいシャフトです。アマチュアゴルファーのフェアウェイウッドのスタンダードモデルとして間違いなく人気になるでしょう。
来週は「SPEEDER NX HB」を検証していきます。