ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。その隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることを紹介。今回は、「レイアップ」がテーマです。
画像: 地味なプレーだと思われている「レイアップ」について考えた(写真はイメージ)

地味なプレーだと思われている「レイアップ」について考えた(写真はイメージ)

その後のプレーにつなげる大事なプレー

今回は、レイアップについて考えます。トーナメント中継ではよく耳にする言葉ですが、残りの距離がグリーンに届く場合でもグリーンを狙わずに、手前に刻む、置いていく事、ショットを指す言葉ですよね。トーナメントでは、パー5のホールで2オンを狙える状況で、グリーンを狙わずに3打目勝負、といったときに使われたりします。

刻む、というとプロの世界では、安全策、消極策といったイメージがあって、地味なプレー、野球で言えば「送りバント」みたいで、見ている側としては、もっとエキサイティングでスリリングなプレーが見たいし、第一、グリーンを狙わずに刻むだけのショットなんて技術的にも見るべきポイントも無さそうですよね。

マスターズトーナメントでは、パー5のホールで2オンを狙わないと、パトロン(ギャラリー)からブーイングが起こったりします。そう、レイアップという言葉には、どうしてもネガティブなイメージが付きまといます。でも本当にそうでしょうか?

実際のプレーの中では、レイアップにも神経を使います。レイアップしようとしたのに、バンカーやラフに入ってしまったら、受けるダメージは相当大きくなります。池の手前に刻もうとしたのに池に入れてしまったりしたら、もう最悪。なかなか立ち直れませんよね。当たり前の様ですが、ただ刻む、と云っても、どこでも良いわけではないのです。

次のショットが打ちやすく、ミスの確率の低いポジションにボールを運ぶ。レイアップするなら自分の意図したエリア内にボールを止めなければ意味がないとも言えます。

プロがレイアップする時も、そうした条件を熟慮した上で、刻むポジションを決めています。グリーンを狙わない。グリーンを狙えない。そんな状況の時、次打をどこに置くのか。これはプロアマ問わず、スコアメイクには欠かせないポイントと言えるでしょう。

例えば、砲台グリーンで、奥行きがなく、手前は深いバンカーという状況だとします。確実に攻めるには、しっかりキャリーが出てスピンの効いたショットが有効です。それなら30ヤード前後の距離を残すより、80ヤード残した方が断然易しくなります。

ボールのライも、左足下がりや爪先下がりは高いボールが打ちにくくなるので避けたいですね。林から脱出する時も、「あーあ、チョイ出しかあ。」なんてぼやきながら適当に打っていては、ミスにミスを重ねる事になります。しっかりグリーンの位置や形状を確認した上で、木や枝が障害にならずに打てるポジションに打つ。

そのショット自体は決して面白いプレーでは無いかも知れませんが、こういう何気ないプレーをきっちりこなす事がその後のプレーにつながると思います。ますます「送りバント」に近く思えてきました。

もう一つ、レイアップで気をつけたいのが、「スウィングの緩み」です。刻むショットをする時、普段よりスウィングを弱めてしまったり、インパクトで力を緩めてしまうといったミスにも注意が必要です。レイアップと言えども、自分が決めた番手でしっかり振り切る。

レイアップについて色々考えて来ましたが、漫然に刻むだけのショットではなく、次のショットが有利に打てるポジションに運んでいくという目的を持ってショットに臨んでもらえたら、レイアップもエキサイティングなプレーになる事と思います。

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