
ピンクのスカートを身につけて、メキシコで勝利を挙げた岩井千怜(PHOTO/Getty Images)
「ピンクがラッキーカラーなんです」

ダイキンオーキッドレディスで連覇した最終日もピンクのウェア。ピンクのヘッドはトレードマークになっている(撮影/岡沢裕行)
その特別なカラーであるピンクのスカートを身につけて、メキシコで勝利を挙げたのが、岩井千怜選手。会見では、「あなたのスカートがメキシコでは特別な色の名前を持っていることを知っていますか?」と問われ、「この色は私のラッキーカラーです。いつも最終日はピンクの何かを身につけます。今日もピンクを着ました。なぜかというと、日本でトーナメントに勝ったときによくピンクの服やパンツを着ていたので、これがラッキーカラーなんです」と答えています。
千怜選手といえばドライバーのヘッドもピンク色(マゼンタ)に塗っていることで知られています。これからも、ラッキーカラーのピンクを身につけて、最終日に活躍する姿を多く見せてくれるのではないでしょうか。

ポーラ・クリーマ―は17年に日本のサロンパスに出場した際は全身ピンクでプレー。バッバ・ワトソンはクラブ、ウィンダム・クラークは帽子のロゴがピンクだ
00年代に活躍し、米女子ツアー10勝を挙げた名選手、ポーラ・クリーマーもピンクのウェアを好んで身につけて戦った選手でした。ニックネームは“ピンク・パンサー”。日本でも2勝を挙げており、とても人気のある選手でした。
同じピンクをトレードマークとした選手といえば、2012年と2014年のマスターズを制した名レフティ、バッバ・ワトソンの名前も思い浮かびます。乳がん撲滅キャンペーンの“ピンクリボン”のカラーであり、ピンク色のドライバーで飛ばす姿は印象的です。2023年の全米オープン王者であるウィンダム・クラークも、愛する母を乳がんで失った経験から、ピンクのウェアを身にまとって戦います。どちらも啓蒙と寄付が目的です。

タイガー・ウッズは赤、リッキー・ファウラーはオレンジ、そしてわれらが松山は黄色が勝負カラーだ
ほかにも“イメージカラー”を持つ選手は多くいます。なんといっても有名なのはタイガー・ウッズ。最終日に赤いシャツを身につけて、史上最多の82勝を挙げてきました。デビュー当時の石川遼選手も、最終日は赤いパンツを身につけていましたよね。
もうひとり、最終日に決められた色を身にまとう選手で忘れちゃいけないのが、リッキー・ファウラーでしょう。出身校のオクラホマ州立大学のカラーであるオレンジ色はファウラーの代名詞。ツアーでは、リッキーのファンがお揃いのオレンジを身につけて応援する姿が見られます。
松山英樹選手はマスターズを制した際、最終日に黄色のシャツを着ていました。黄色は母校である東北福祉大ゴルフ部のチームカラー。それが松山選手の“勝負カラー”となっています。
こう考えてみると、ラッキーカラー、イメージカラーを持つ選手は強い選手ばかり。
前述した“ピンク・パンサー”ポーラ・クリーマーがそのキャリアで唯一制したメジャーが全米女子オープン。そのタイトルに今週挑む岩井千怜選手は最終日にどんな順位で、どんなウェアを着てプレーするのでしょうか。
ピンクといえば岩井千怜。そんなふうに言われる日も、そう遠くないかもしれませんね。