各社から続々とラインナップされているミニドライバー。なぜ”ミニドラ”が増えているのか? ギアオタクでフィッターの小倉勇人と改めて考えてみた。
画像: テーラーメイドからは往年の逸品の名を冠した「r7 Quad MINI DRIVER」も登場(写真・右)

テーラーメイドからは往年の逸品の名を冠した「r7 Quad MINI DRIVER」も登場(写真・右)

安定したティーショットが手に入れられる!?

クラブフィッター小倉です。近年、急成長というか、ラインアップを増やしているジャンルのクラブがあります。そのクラブとはミニドライバー。通常のドライバーよりもヘッドが小さく、そして短く重めに設定されているクラブで、その役割は、ティーショットで、一定の距離を飛ばしながら安定したショットを打つことにあります。

ドライバーよりも短いため、最大飛距離は出にくいですが、曲がりが少なくてすみ、3Wよりはヘッドが大きいため、ミスに強く、ある程度の距離も出しやすい。いわば置きに行くためのドライバーといったクラブです。

ミニドライバーが生まれた背景は、USPGAのツアープロがそういったクラブを欲したのが始まりだと思います。出始めのころは、テーラーメイドやキャロウェイが作っていましたが、限定であったり、日本未発売であったりとあまり注目されていませんでした。

潮目が変わったのが2023年。テーラーメイドのバーナーミニドライバーを使用する多くのツアープロが試合で活躍し、注目されるようになりました。すると、日本でも発売され、ドライバー販売ランキング上位を長い期間維持し、一躍ヒットモデルになったのです。

おそらくですが、発売したメーカーでさえ、ここまでのヒットになるとは予想していなかったように思います。なぜなら日本のアマチュアは飛距離にこだわるゴルファーが多いから。そんなゴルファーたちが置きに行くクラブを購入するとは思わなかったはずです。

ところが蓋を開けたら、予想外の大ヒット。そんなクラブを他のメーカーが放っておくわけがありません。次々と各メーカーが追従し、キャロウェイ、PXG、タイトリスト、リンクスなどがこのジャンルに参入。まだまだ増えそうな情報も得ています。

さて、なぜミニドライバーはこれだけ日本のゴルファーに受けたのでしょうか。海外でも発売されてはいますが、日本ほど勢いはないようです。これは個人的な考察ですが、日本のゴルファーは、ドライバーを苦手にしている方が思いのほか多いのではないでしょうか。

ドライバーは、最も飛ぶクラブ。飛距離にこだわる日本のゴルファーは、購入時、飛距離性能で選ぶことが多いと思います。それ自体は決して悪いことではありませんが、飛距離を最優先にするあまり、ティーショットの安定感が乏しくなってしまったゴルファーに、ミニドライバーが受けているのかな、と感じます。

新しいジャンルのため、物珍しさで売れているといった見方もありますが、かれこれ2年以上も売れ続け、まだまだ拡大の方向に動いているところを見ると、決してそれだけではなさそうです。ミニドライバーで安定したティーショットを手に入れたゴルファーが多くいるからこそ、これだけ長くブームが続いているのでしょう。

かくいう私も、今年ミニドライバーを4本購入しました。半分以上趣味ですが、打ち比べてみると、メーカーによるミニドライバーに対する考え方の違いなのか、性能に結構違いを感じています。ドライバーよりもボールをとらえやすく、一定のエリアをとらえやすいというのは、どのモデルもしっかりと高い性能を持っていますね。どうしてもティーショットのミスでスコアを崩しやすいという方は、ミニドライバーに頼ってみるのもいいかもしれませんよ。

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