男子ゴルフの今季国内ツアー第6戦、~全英への道~ミズノオープン最終日が6月1日、岡山県・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で行われ、首位から出たプロ10年目の30歳、阿久津未来也が4バーディ、3ボギーの1アンダー71で回り、2位に4打差をつける通算13アンダーの圧勝でツアー初優勝を果たした。今大会の上位3人に与えられる全英オープン(17日開幕、ロイヤルポートラッシュゴルフクラブ)出場資格は阿久津と通算9アンダーで2位に並んだ宋永漢、河本力がつかんだ。
画像: 優勝した阿久津未来也と宋永漢(左)、河本力(右)が全英オープン出場権を得た(撮影/岡沢裕行)

優勝した阿久津未来也と宋永漢(左)、河本力(右)が全英オープン出場権を得た(撮影/岡沢裕行)

「ただただうれしいという気持ち」

画像: 優勝を決めて同組の小木曽喬とハイタッチする阿久津(撮影/岡沢裕行)

優勝を決めて同組の小木曽喬とハイタッチする阿久津(撮影/岡沢裕行)

阿久津は最終18番で3メートルのバーディパットをカップ右へ外すと左手で口元を押さえて照れ臭そうに笑った。続けて短いウィニングパットをあっさりと沈め、右手の拳に力を込めながら言葉にならない叫びを吐き出した。

「もうもう、ただただうれしいという気持ちですね」

グリーンサイドで待ち構えていたプロ仲間からは手洗い祝福のウォーターシャワー。昨年は優勝した木下稜介にかけてやる立場だったが、今年は浴びる立場になり「正直僕のことなので誰も(待って)いない可能性もあったんですけど、グリーンに上がるときにいろいろな選手の顔が見えてうるっときた。最後は滝のように水をかけていただいて一番気持ちのいい瞬間を味わうことができました」とうれしそうに振り返った。

この日は2位に1打差をつけてスタートし、3番パー3でティーショットを3メートルにつけてバーディ先行。いい流れを呼び込むと、6番では小技でギャラリーを沸かせた。グリーン右奥のエッジからのアプローチをウェッジの歯で打って転がし、見事OKの距離に着けてバーディを奪った。9番はティーショットを左バンカーに打ち込んだが、ここから5メートルに乗せてスコアを伸ばした。

勝負どころのバックナインでは12番パー4、16番パー3では4~5メートルのパーパットが残るピンチだったが、しっかり沈めてリードを死守。17番パー4は2.5メートルのスライスラインを読み切って通算13アンダーまで伸ばした。

「今日は緊張して手が動かないとか、そういうシーンはあまりなかったのですが、本当にコースがコースなので息つく間がなかった。とにかく自分のやれることを決めてやることに徹しました。キーホールは9番ですかね。左バンカーからバーディを決められました。あとは12番。5メートルのパーパットが決められたので、自分の中でギアを上げられた感じがありましたね」

画像: 夢だった全英オープンへの出場切符もつかみ取った(撮影/岡沢裕行)

夢だった全英オープンへの出場切符もつかみ取った(撮影/岡沢裕行)

栃木県出身。作新学院高、日大を経て2016年にプロに転向し、2017年にプロテストに合格した。ツアー未勝利のまま今年3月17日に30歳の誕生日を迎えたが、ようやく悲願の初優勝を手にした。同時に夢だった全英オープンへの出場切符もつかみ取った。

「アメリカのPGAツアーはもちろん初めての挑戦ですし、全英オープンもテレビでしか見たことがないので、どこまでできるかまったく想像できないんですけど、日本の代表選手ということになっているので、チャレンジャーの気持ちでしっかり戦ってきたいなと思っています」

プロ10年目とはいえまだ30歳の選手会副会長。初優勝までにかかった時間はまだ十分に取り戻せる。

全英オープンが行われるロイヤルポートラッシュGC

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