女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第65話、堅実で現実的。ちょっとケチでもいいですよね。
画像: 5月の全米女子オープンは45位タイに終わった小祝さくら。獲得賞金は3万9231.6ドル、日本円で約561万円

5月の全米女子オープンは45位タイに終わった小祝さくら。獲得賞金は3万9231.6ドル、日本円で約561万円

小祝さくらは、非常に堅実な性格である。自分のために賞金で何かを買うことは少ない。買ったものは、ウクレレ、電動自転車くらいで、その他も日々の生活に必要なものばかりだ。昨年の賞金で買ったものを聞いても、「え~……私服を買うことは多いんですけど、それ以外だと……パジャマとか。あ、ソファを買い替えました。もちろんニトリさんで買いましたよ。家具を買い替えるために頑張る、というモチベーションで最後の試合のリコーカップは戦いましたね」

最終戦終了後、マネジャーのもとに「これで元は取れた」と帰ってきたらしい。ソファは時間を見つけて宮崎のニトリで注文した。お店に行き、このリクライニングがいい、硬さはこれがいい、など、きちんと座って試して買ったという。

「一応、部屋の色やテーブルなんかとも合わせて買いましたよ。部屋はライトグレー系の落ち着いた色で統一しています」。すべてにおいて「シンプルが好き」な小祝さくららしいチョイスであるが、ここでもおしゃれな「北欧系」にしたい、などの発想はほとんどない。もちろん、高級ブランドものを買ったりもしない。「自分にご褒美で腕時計を買うとか、ブランドものの何かを買うとか、まったくないですね。人にプレゼントをするときは、ブランド品もありますよ。プレゼントする相手が好きそうなブランドはめっちゃ買いますけど、自分では、一瞬欲しいなと思っても買わないんです。ふふふ」

画像: 小祝さくらがBBQの煙よけ対策にゴーグルを着けることも現実的な選択だ(この豪華な海鮮は、マーカー契約のミクニさんが提供してくれました)

小祝さくらがBBQの煙よけ対策にゴーグルを着けることも現実的な選択だ(この豪華な海鮮は、マーカー契約のミクニさんが提供してくれました)

小祝さくらは何も好感度アップを狙ってこんなことを言っているのではない。単に堅実なのだ。本人いわく「ちょっとケチ」らしい。「欲しいと思っても、結局無駄だなあと思ったり。今までに買ってみたブランド品を見てもすごく使っているわけではないし、一度も使わずに終わるものもあって……やっぱり無駄遣いだなあと思って買わなくなりました。結局、実用性が高いものを今は使っているので、それでいいんです」。堅実かつ現実的なさくら。さまざまな場面でその性格は現れる。たとえば、試合中のランチをギャラリープラザで購入することもしばしば。安上がりだし、時間短縮にもなるし、そのまま練習にも持っていけるし、地元の美味しいものにも巡り合うかもしれず……。

これはアメリカツアーに舞台を移さないことにもつながっている。現実的に食事が合わない。現実的に移動が大変。それであれば、日本ツアーで休まずしっかり試合に出る。もちろん、出るからには、常に調子を整えて、常に優勝を狙う。小祝さくらの現実は無理せずシンプル。それがさくらの戦う姿勢なのだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年6月17日号〝ゴルフときどきタン塩〟より(PHOTO/Blue Sky Photos)

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