全米女子オープンでマヤ・スタークがスウェーデン勢としては06年のアニカ・ソレンスタム以来3人目の優勝を挙げた。
画像: 175㎝・25歳。オクラホマ州立大出身で世界ランクは6位

175㎝・25歳。オクラホマ州立大出身で世界ランクは6位

アニカアカデミー出身者の快挙はレジェンドを大いに喜ばせた。

単独トップで最終日をスタートする前、大会歴代優勝者の大先輩であるリサロッテ・ノイマンとアニカから激励の連絡を受けたスターク。

「そんなメッセージをもらうだけでもすでにクールでした」

勝利を収めた直後にはアニカからビデオ電話がかかってきて「おめでとう。努力が報われたわね。今はこの感激にどっぷり浸って心から楽しんで!」と祝福され言葉を失うほど感激していた。

スウェーデンはこれまでに6人のメジャーチャンピオンを輩出しているが30年前はゴルフ後進国だった。1年の半分は雪に閉ざされ屋外での練習ができない。だがアニカがゴルフ協会の受付で電話番のアルバイトをしていたときに54ビジョンの創始者、ピア・ニールソンと出会ったことがスウェーデンゴルフの運命を変えた。

ニールソンは世界のゴルフ事情を分析し実力に大差はないのに結果に差が出るのはメンタルが原因と考え、ナショナルチームのコーチに就任するやロッククライミングや水泳を練習に取り入れ「頂点に立ったときの達成感」や「困難に直面しても諦めない強い心」の育成に尽力。スピーチが嫌で「優勝したくない」と考えていたアニカの意識を変え勝つことの喜びを与え95、96年の全米女子オープン連覇に導いた。

アニカというロールモデルを得たスウェーデンは以来「自分たちも世界で戦える」と自信を深め、続々とメジャーチャンピオンが出現。今季もすでに3人のスウェーデン勢がLPGAツアーで優勝を飾っている。

「全米女子オープンに勝つなんてそんな大それた夢を持っていなかったから現実離れしています。先週までは本当に調子が悪くて自信喪失。でも友人から自信を持つべきだ、とアドバイスされ自分を信じたらこんな結果が出ました」(スターク)

メンタルは技術を凌駕する。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年6月24日号「バック9」より

全米女子オープンで活躍した日本勢

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