全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する。今回は6月末に日本から発売される「ARETERA(アルテラ)」を検証!

6月末に日本上陸する「ARETERA(アルテラ)」とは?

アメリカから本格的プロ・アスリートゴルファーのシャフトがいよいよ上陸です。その名は「ARETERA(以下 アルテラ)」。

「アルテラ」はアメリカのシャフトメーカーから独立したディレクターを中心にゴルフ業界で数十年の経験を持つベテラン達によって結成された本格的なプロ・アスリートゴルファー用シャフトブランドです。

画像: 本格的プロ・アスリートゴルファーのシャフト「ARETERA」

本格的プロ・アスリートゴルファーのシャフト「ARETERA」

「アルテラ」のネーミングはギリシャ語で「卓越」を意味する言葉に由来していて、品質やデザイン、パフォーマンスを高いレベルで目指すブランドの理念が込められています。既にアメリカではゴルフメーカーのカスタムクラブ等に採用されていて販売も開始されています。日本では朝日ゴルフが代理店となり、6月末からの販売を予定しています。

シャフトカラーが同色にはわけがある!

「アルテラ」シャフトは「EC1 GRAY」「EC1 BLUE」の2モデル。どちらもシャフトは明るめのグレーメタリックカラーで、「EC1 BLUE」はデザインの一部にブルーを採用していることで見分けがつきます。

画像: 手前が「EC1 BLUE」で奥が「EC1 GRAY」。いま業界で注目されているシャフトだ

手前が「EC1 BLUE」で奥が「EC1 GRAY」。いま業界で注目されているシャフトだ

アメリカではクラブやシャフトをフィッティングで選ぶのがスタンダードです。シャフトの色が違うとフィーリングのイメージに差が出ることがわかっていますので、「アルテラ」は「EC1 GRAY」「EC1 BLUE」の外装色とデザインを同じにすることで、シャフト自体への先入観を払拭し、理想的なフィッティングを可能にしています。

理想的なシャフトフィッティングを可能にするスペック

「EC1 GRAY」と「EC1 BLUE」はそれぞれ40グラム台の45、50グラム台の55、 60グラム台の65、70グラム台の75の4つの重量が用意され、フレックスは”2、3、4、5、6”といったように数字で表記されています。通常のSやXといったフレックス表記によるシャフトの硬さへの先入観がないようにしてあります。45シリーズは日本と韓国のために用意された商品とのことです。

「GRAY」「BLUE」のシャフトフィーリングの差

「EC1 BLUE」と「EC1 GRAY」は安定性や方向性を犠牲にすることなくスムーズに流れるようなフィーリングが得られる設計のシャフトです。従来のシート積層方法を見直すことで(特に中間部分)アルテラらしい特徴的なフィーリングを実現しているようです。「GRAY」と「BLUE」のコアの設計は基本的にほぼ同じで、最大の違いといえば、先端部分の動きです。

「GRAY 55 フレックス3」※テストクラブのシャフト振動数247CPM

日本の市場でメインとなる重量帯の55を打ってみました。

50グラム台でもワッグルした時から感じる剛性感の高さはプロ・アスリートゴルファー用のシャフトらしく潰れに強いイメージです。特に手元側の剛性感がしっかりしていて切り返しの際に手応えを感じます。

画像: アルテラ EC1 GRAY 55

アルテラ EC1 GRAY 55

アルテラシャフトの特徴であるねじれは安定性に寄与する層の積層によるコア部分の設計「CONTROL CENTR(コントロールセンター)」によるもので、しっかりとインパクトを作っていける安定した挙動が実現します。

「GRAY」は余分な動きのないシャフト挙動で、ボールが左右にブレない中弾道です。先端部分は硬くハードにインパクトした時でも、バックスピンが多くならない設計に仕上がっています。

「BLUE 55 フレックス3」 ※テストクラブのシャフト振動数は245CPM

手元側の剛性感は「GRAY」と同様しっかりとした手応えです。「BLUE」はシャフト先端部分に動きを持たせていて中間部分の剛性をやや落としてありますが、あくまでも「GRAY」と打ち比べることによって先端部分の動きとボールのつかまりがわかる程度です。インパクト時に当たり負けする感じもなく、中弾道でボールが右へ逃げていかないくらいのボールのつかまり感です。

画像: アルテラ EC1 BLUE 55

アルテラ EC1 BLUE 55

ほかの重量帯にも軽くふれておきます。「EC1 GRAY」「EC1 BLUE」ともに、45シリーズはシャフトが軽くなることによりコア部分の硬さを感じます。スッキリしたフィーリングですが、イメージよりしっかりとした手応えです。65シリーズはシャフト重量があるぶん粘る感じがプラスされる印象です。75シリーズはシャフト重量が78グラムですので、65シリーズでも軽いという方向けの重量帯です。どの重量帯もフレックスの数字が上がるほどシャフト全体のハリ感が強くなり、しなりを感じにくくなります。

2つのモデルを打ち比べることでプレーヤーが求める好みのフィーリングやイメージする弾道のスペックを見つけることができるフィッティング用シャフトといったところでしょうか。

ライバルシャフトは?

アルテラはアメリカのプロ・アスリートゴルファー向けのシャフトですので、PGAツアーでプロが使用しているシャフトをベンチマークに開発されています。ライバルシャフトはPGAツアーで使用率が高いフジクラ VENTUSや 三菱ケミカル TENSEI ・DIAMANA、グラファイトデザインTOUR AD、USTマミヤ LIN-Q、PROJECT Xや LA GOLFとなるでしょう。

どのようなゴルファーにオススメ?

基本的にしっかりとした硬めのフィーリングが好みのゴルファーがターゲットになるでしょう。スウィング完成度が高いしっかりとしたスウィングの方がフィッティングでの結果が導きやすく、シャフトの持つパフォーマンスを発揮できると思います。「GRAY」と「BLUE」の大きな違いはシャフト先端部分の動きの違いです。

画像: 吉田が考える「EC1 GRAY」の分布図

吉田が考える「EC1 GRAY」の分布図

シャフト自体に動きを求めずにしっかりと自身のスウィングでインパクトを作っていきたい方は「GRAY」。シャフト先端部分の動きに少しアシストを求めたいイメージの方は「BLUE」が良いでしょう。

画像: 吉田が考える「EC1 BLUE」の分布図

吉田が考える「EC1 BLUE」の分布図

オススメのヘッドマッチング

アメリカ発のメーカーなので、開発段階のプロゴルファーによるテストで使用されたヘッドは間違いなくアメリカのクラブメーカーです。基本的にここ数年アメリカのクラブメーカーから発売されたドライバーヘッドは大きい慣性モーメントを持ったヘッドが多いですが、それらのヘッドとのマッチングに問題はありません。

フェアウェイウッドへの装着ですが、プロゴルファーに対応しているシャフトですのでフェアウェイウッドに装着する場合も考慮された先端部分の設計になっています。メーカー推奨のTIPカット量は3番ウッドが0.5インチ、5番ウッドが0・75インチ、7番・9番ウッドが1インチです。装着時の参考にして下さい。

ARETERA総評

アルテラは「GRAY」と「BLUE」はともにアメリカでのフィッティングを前提に開発されたプロ・アスリートゴルファー仕様の本格シャフトです。そのこだわりは、シャフトカラーやデザイン等からも感じられますし、シャフト重量とフレックスを豊富に用意されていることからも推察できます。

最近はシャフトをインターネットで購入される方も多いですが、打たずにイメージだけで購入するのはオススメできません。アルテラは全く新しいフィッティングシャフトブランド。購入を検討している方は合うか合わないかを必ず打ち比べて、自分にどのモデルが合っているかを選んでもらいながら判断して下さい。

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