起きて良いミスと悪いミスを認識しよう
埼玉県草加市のゴルフスクール「Tom's Bishon草加店」専属のJJコーチ
ゴルフスウィングはミスの仕方も様々あり、そのすべてを避けて完璧に打つこと自体が難しいものだ。
ビギナーが上達していくうえでまず大切なことは、すべてのミスを嫌がるのではなく「今取り組んでいること、目指している目標に対して近づいているミスなのか、遠ざかってしまっているミスなのかを認識することです」とJJコーチ。
「もちろんそれって今何を直したいのかによって変わります。例えばゴルフを始めたばかりで、クラブを振ってもボールの上を空振ってしまうとしましょう。『空振りをなくす』ために練習をしているなかで起きたダフリって、目標に向けて一歩近づいている“良いミス”と言えますよね」（JJコーチ、以下同）
空振りの改善が目標なら、練習中に起こるダフリは“良いミス”と言える
空振りだけでなく、トップやチョロがよく起きるというゴルファーはまず地面を叩くことが最優先の目標。ダフリもたしかにミスのひとつだが地面にクラブが届いている証拠でもあるから、少なくとも空振りやトップ、チョロといったミスよりは改善に向けて進んでいると言えるわけだ。
逆も然り。ダフリを直す練習に取り組んでいるなかで起こるトップやチョロも、改善に向かっている“良いミス”と言えるし、ダフリは改善に向かっていない“悪いミス”と言える。このように「自分がどんなミスの改善に取り組んでいるのか」によってミスの優劣が出てくる。だからこそすべてのミスをなくそうとするのではなく「そのとき起きて良いミスと悪いミス」を認識することが大切というわけだ。
「もちろんダフリもいずれなくしたいミスです。でもひとつずつ段階を踏んで改善していくことが大切です。まずはダフってもいいから空振らないこと。コンスタントに空振りせずボールに当たるようになったら、今度はダフリの度合いを減らすために打点の高さを改善していく。それができたら、次はフェースのどこにボールが当たっているかを気にして、フェースの芯でボールをとらえるように……と一歩ずつ上達していくんです」
取り組みを「可視化」する
加えて大切なのが、今自分が取り組んでいることが本当にできているのかを可視化することだという。
「たとえば空振りを改善したいなら、スウィングしたときにヘッドが地面に当たった感触が感じられるかどうかで判断できると思います。打点の高さを改善するときは、地面にマスキングテープを貼ってみましょう。ヘッドが地面を擦るよう当たっていればテープは剥がれてヘッドに付くのでわかりやすいです」
ボール位置にマスキングテープを貼ってスウィングしてみよう。地面を擦るように振れていればマスキングテープは剥がれヘッドに付くので目安にしやすい。ダフリを改善し適切な打点の高さを作るための練習法としてオススメ
そしてフェースのどこに当たっているかを可視化したいなら、フェースに貼って打つとボールの当たった場所の色が変わるシールが市販されている。「何なら100均で打っている点シールでも良いです。ココに当てて打つというイメージも湧きやすいですし、実際に当たればどんどん削れたり剥がれたりするので指標になります」とJJコーチ。
フェースの芯でボールを打つためには、芯の位置に点シールを貼るのがオススメ。シールが削れたり剥がれたりして判断しやすいし、芯の位置もイメージしやすくなる
すべてのミスを嫌がるのではなく、改善したい目標によってミスにも優劣が生まれるということ、そして正しく練習に取り組めているかを判断するために一工夫をして可視化すること。長い道のりにはなるだろうが、これらを意識しながら悪い部分を地道にひとつずつ直していくことが上達の秘訣だ。
協力/Tom's Bishon草加店
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