「エリート ♦♦♦ MAX」の試打動画をチェック!
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今回のヘッドは『エリート ♦♦♦ MAX(9.0度)』×シャフト『TENSEI GREEN 60for Callaway(Flex S)』
『エリート ♦♦♦ MAX』はヘッド体積が460ccで、『エリート ♦♦♦』という名前の他の3機種が450ccなので、構えたときの見た目が大きくなっている。またボールのつかまりやすさも持ち合わせ、スピンも入る特性で、他の『エリート ♦♦♦』シリーズに比べて難しさのハードルは低く抑えられている。ロフトの展開は9度と10.5度。今回は9度を試打する。まず、見た目の印象から。
小島: 見ためが大きい、やさしいツアー仕様で、ボールのつかまりとスピン量がアップの460ccというメッセージですが、構えてみてどうですか。
癸生川: 大きいよ。フェースは右向いているよね。
小島: キャロウェイはグリップにバックラインが入っているので、それに通りに構えるとさらに開いている感じがするのかな。
癸生川 そうだね。
今回の試打ではロフト9度のヘッドで、クラブスピード45m/s前後で、センター、トウ、ヒールの3カ所で打った時のデータを採り、その結果を分析してオフセンターヒット時のパフォーマンスに関して考察していく。使用するボールはタイトリスト『プロV1』では試打開始!
■HS45m/s前後でセンターヒット

HS45m/s前後でセンターヒット時のトラックマン4のデータ(画像上)、GCクワッドのデータ(画像下)
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.5m/s
ボール初速●68.2m/s
打ち出し角●12.3度
スピン量●2234rpm
降下角●31.8度
キャリー●246.6Y
飛距離●276.0Y
打ち出し方向●2.4度右
スピンアクシス●4.7度右
SIDE●14.0Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●9ミリトウ
Vインパクト●5ミリ高
まず打感や弾道を見ての感想を二人で出し合う。
癸生川: 振った感じは良いけど、なんかつかまる感じがあまりしないんだよね。
小島: 9度だからちょっとつかまらないというのはあると思う。
癸生川: スピードもある?
小島: (クラブスピードが)45.5m/sと出ているから、それに対してシャフトがしなり戻って来ないのかなというのはあるね。トリプルダイヤの片鱗があるというのはこの辺だと思いますね。コントロールしやすいヘッドでありながら、無駄につかまらないというところはあると思う。だから左がちょっと嫌だなという人はいいかもしれない。
小島プロのデータ分析
クラブスピードとボールスピードの割合は良いです。打ち出し角は12.3度でスピン量が2234rpm。落下の角度が31.8度ですから、もう(スピード帯としては45m/sくらいが)限界ですね。キャリーが246.6ヤード、トータルが276.0ヤード、距離もしっかり出ています。2.4度右に飛び出してアクシスが4.7度右に傾いている。14.0ヤード右に着弾している。これまでのガチギアの検証で、14.0ヤード右のデータが残るというのがあまりない。この『エリート ♦♦♦ MAX』の9度は、純正Sシャフトでクラブスピード45m/s前後で打ったという条件付きだけど、あまりつかまらないヘッドなのかなという感じはします。
では、このセンターヒットした時のデータを基準にして、トウヒットとヒールヒットした時のデータとの差を比較してみよう。
■HS45m/s前後でトウヒット

HS45m/s前後でトウヒット時のトラックマン4のデータ(画像上)、GCクワッドのデータ(画像下)
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.6m/s
ボール初速●68.1m/s
打ち出し角●11.6度
スピン量●2291rpm
降下角●31.1度
キャリー●238.8Y
飛距離●268.7Y
打ち出し方向●5.6度右
スピンアクシス●3.6度右
SIDE●21.7Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●18ミリトウ
Vインパクト●7ミリ高
打感と弾道を見ての感想
小島: 球が戻って来ないね。打っていて戻ってこない感じはしますか?
癸生川: するね。でもシャフトで戻ってこないんだろうな。
小島: そうだよね。9度だから45m/s前後のスピード帯が欲しいんだけど、でもそれだとシャフトが戻ってこないから右に行っているというのが結論でしょうね。当たった感触は?
癸生川: 感触はイイよ。
小島: 良いんだ!?
癸生川: というか、悪くない。
小島: 今、18ミリトウで7ミリ上に当たっているので、ワィーンって(ヘッドを)もってかれるところだけど。
癸生川: そんなに気にならない。
小島: それイイですね。やっぱ扱いやすいんだろうなぁ。
癸生川: そうかもしれないね。
メーカーのメッセージに、『つかまりやすさを持ち合わせたヘッド』と謳われていたが、45m/sで打った結果からは、それは証明できなかったようだ。では、ヒールヒットではどうだろう。
■HS45m/s前後でヒールヒット

HS45m/s前後でヒールヒット時のトラックマン4のデータ(画像上)、GCクワッドのデータ(画像下)
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.6m/s
ボール初速●65.4m/s
打ち出し角●12.6度
スピン量●2471rpm
降下角●33.6度
キャリー●237.4Y
飛距離●261.9Y
打ち出し方向●3.2度左
スピンアクシス●2.3度右
SIDE●14.8Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●16ミリヒール
Vインパクト●6ミリ高
打感と弾道を検証(実は、癸生川プロヒールに当たらず何発もNGを繰り返す)
癸生川: いやぁ~、当てづらい。
小島: 逆に、ヒールに“当たりづらい”と言っていいと思います。
癸生川: そうだよね。(クラブによって)当てづらい、当てやすいってあるよね。
小島: (別の言い方をすると)操作性が『エリート ♦♦♦』と比べてどうなのかという、そこは劣るんでしょうね。この『エリート ♦♦♦ MAX』のメッセージはそこではない。だからやさしいモノにした時に、操作性というのはちょっと落ちるんだと思いますね。
癸生川 ヘッドも大きいしね。
センターヒット、トウヒット、ヒールヒットの3つのデータから小島プロが分析
●ヒールには弱い。でもヒールに当たらない
初速を見ると「ヒールに弱い」ことが分かるけど、それも計算された設定だと思う。トウで当たった時はボールスピードは真ん中で当たった時と比べて落ちていません。ヒールに当たった時はクラブスピードが44.6m/sでボールスピードは65.4m/sで、ヒールに弱い。クラブスピードが44.6m/sで遅くはなっていますけど、それを差し引いてもボールスピードは真ん中で当たった時と比べて2m/sくらい落ちると思います。『ヒールに弱い』と言ったけれど、そもそもこの『MAX』は、『ヒールに当たりづらい』という設定まで入っている。
●スピン量はトウもヒールも変わらない
真ん中で2234rpm、トウで2291rpmですから、トウに当たってもスピン量が落ちないと言っていいと思います。ヒールも16ミリ外れているので増えてはいるけど、それも200rpmくらいですから、ほとんど変わらないと言っていい。
●飛距離もほとんど落ちていない
トウ寄りでヒットしてもキャリーは8~9ヤードくらいしか落ちて無い。ヒールはクラブスピードが1m/sくらい遅いんですけど、その割にこれくらい(9.2ヤード)の落ち方なので、もしクラブスピードが揃っていたらセンターヒットと大して変わらない。トータルの飛距離でも、トウに18ミリ、ヒールに16ミリずれても、芯に当たった時と比べて10ヤードも落ちないということです。
●方向性は強くない
距離に関しては落ちていなかったけど、その代わりに、ちょっと操作がしにくいんじゃないというのはありますね。両方良いとこどりはできないというところでしょうね。サイドは真中で打った時が14ヤード右、トウヒットした時に21.7ヤード右、ヒールヒットで14.8ヤード左です。つまり、距離に対しては強いんだけど、横(方向性)に関してはそんなに強くないかもしれないということだと思います。
結論

試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)とデータ分析を担当した小島慶太プロ(右)
今回試打をした、キャロウェイ『エリート ♦♦♦ MAX』のオフセンターヒットをした時のパフォーマンスに関して、どんな印象をもったのか、二人の結論を聞いてみよう。
癸生川: ヒールに当てろと言われてもなかなか当たらない。それほど、ヒールに当たりづらかったです。だから、ヒールに当たって悩んでいる人には試してもらいたいですね。あとどこに当たっても距離がそれほど変わらなかったので、そういうクラブを探している人もぜひぜひ試してみてください。
小島: 『トリプルダイヤ』でありながら、距離を求めてて、ちょっと左が嫌で、スピン量を抑えたいというプレーヤーは合いやすいと思いますので、是非試してみてください。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、『エリート ♦♦♦ MAX』、の最適スピード帯の選定やお勧めのプレーヤー層など、より細かな考察を行っているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。
THANKS/アコーディアゴルフ技術研究所