女子ゴルフの今季国内ツアー第14戦ニチレイレディス最終日が22日、千葉市の袖ケ浦カンツリークラブ新袖コースで行われ、4打差単独首位から出た19歳の入谷響が4バーディ、4ボギーのイーブンパー72で回り、通算12アンダーで初優勝を果たした。2024年プロテスト合格ルーキーのレギュラーツアー初優勝一番乗り。永峰咲希、ささきしょうこ、高橋彩華が4打差の通算8アンダーで2位を分けた。
画像: ニチレイレディスでツアー初優勝を飾ったルーキーの入谷響(撮影/大澤進二)

ニチレイレディスでツアー初優勝を飾ったルーキーの入谷響(撮影/大澤進二)

最終ホールは275Yをかっ飛ばした

画像: 18番でバーディを奪い、キャディと喜びを分かち合った(撮影/大澤進二)

18番でバーディを奪い、キャディと喜びを分かち合った(撮影/大澤進二)

圧巻のフィナーレだった。

最終18番パー5。入谷はドライバーのティーショットをこん身の力で振り切った。ボールは高く舞い上がり、275ヤード先のフェアウェイをとらえた。ピンまで残り185ヤードの第2打はグリーン右のバンカーにつかまったが、残り15ヤードの第3打を20センチに寄せた。ウィニングパットはタップインバーディ。グリーンサイドで待ち受けた同年代の菅楓華、同期の都玲華、中村心から祝福を受けると、ようやくほっとしたような笑みをこぼした。

「今日一日終わったというほっとした気持ちです。その後に同期のみんなに会ってハグしてもらって、ようやく優勝の実感が沸いた感じでした」

プロ14試合目で同期生の中で初優勝一番乗りを果たしたが、生みの苦しみも味わった。この日は65(後半29)をマークした2日目のようなプレーが影を潜め、2番パー4で第1打を右の林に打ち込んでボギーが先行。4番パー3で20ヤードのアプローチでチップインバーディを決めたものの、5番パー4、7番パー5でボギーをたたき、前半は2オーバー38と苦しんだ。

巻き返しのきっかけは10番パー5。第1打を左の林に打ち込んだが、残り220ヤードの第3打を3番ウッドでピン左奥8メートルに乗せ、これを沈めてバーディ。15番パー4でも第2打を手前1.5メートルに乗せてバーディを奪った。最難関の17番パー3は第1打を右手前のバンカーに入れ、目玉状態になっていたことに加えてスタンスが取れない状況だったため、右方向のサブグリーンに打ち出す選択をした。この日最大のピンチとなったが、残り33ヤードの3打目アプローチを2.5メートルに寄せ、こん身の"ナイスボギー"。優勝への流れを手放さなかった。

「スタートから左に曲げてドタバタしてしまい、いい流れではなかった。10番の2打目を林から出して3打目をあの位置に乗せられてバーディを取れたことと、11番も右手前バンカーの目玉から2.5メートルをしっかり沈められたので、その2ホールで流れが変わったと思う」

小6から中嶋常幸に指導を受けている

画像: 18番パー5で右のガードバンカーから20センチに寄せてバーディを奪うなど、飛距離も小技も高い技術を見せた(撮影/大澤進二)

18番パー5で右のガードバンカーから20センチに寄せてバーディを奪うなど、飛距離も小技も高い技術を見せた(撮影/大澤進二)

最終日を単独首位でスタートした4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでは、18番で1メートルのパーパットを外して1打届かずプレーオフ進出を逃がした。今大会はそのときの経験も生かした。

「1ホール、2ホールで何があるか分からないし、油断はできないと思いながら少しずつスコアを落としてしまい怖かった。でも、後半のほうが自分は伸ばせると思っていたので、しっかり頑張りました」

2005年12月21日、愛知県豊川市出身。6歳でゴルフを始めた。小学校6年から中島常幸が主催するトミーアカデミーで指導を受け、2024年11月のプロテストに2度目の挑戦で合格を果たした。武器は飛距離で今季のドライビングディスタンスは258.20ヤードで堂々の2位。将来は米ツアーでの活躍を目標にしている。

「これから優勝回数を上げて将来はアメリカで戦えるように頑張りたい。アメリカで女王になれることを自分の最大の目標にしてキャリアを終えたいと思います」

プロ人生の滑り出しは順調だ。

昨年プロテストに合格した入谷響

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