元LIVの選手がPGAツアーに出場するためには最後にLIVの大会に出てから1年が経過しなければならない。パイオットは23年以降LIVの試合に参加していないためロケットクラシックに推薦を受けることができた。

元LIVゴルファーのジェームズ・パイオット。スポンサー推薦でPGAツアー「ロケットクラシック」への出場が決定した(写真/Getty Images)
パイオットにうれしい知らせが届いたのは月曜日に行われるマンデークォリファイ(予選会)に挑戦するため会場を訪れたとき。ちょうど駐車場からクラブハウスに向かうところだった。
デトロイトニュース紙のインタビューで感想を求められた26歳は「最高です。こんなことが現実に起きるなんて世界でもっとも素晴らしい出来事の1つ。ロケットクラシックがツアーのスケジュールに組み込まれたときからずっと出たいと思っていました」と興奮を隠せなかった。
元LIVゴルファーがPGAツアーに参戦したケースは彼が初めてではない。LIVからアジアンツアー、DPワールドツアーを経てPGAツアーに復帰した第一号はローリー・キャンターだがスポンサー招待での出場はパイオットが初。
主催者は地元紙に「彼は我々の選考過程で当初から参加させたいと思っていた人物です」と語っており、ミシガン州出身者唯一の全米アマチャンピオンを招待したい意向は早い段階からあったようだ。
高額な移籍金で注目を集めたLIVへの選手流出を恐れたPGAツアーはここ数年、LIVに対抗するように賞金額を倍増させてきた。しかし24年シーズン直前にジョン・ラームが移籍して以来LIVの大物釣りはなくなった。
もう高額な移籍金は払われないという話も聞こえてくる。リーグの羽振りが良かった頃、大学からいきなりLIVでプロデビューしたパイオットには2年契約で600万ドル(約8億7千万円)が支払われたといわれている。
26歳はまだ若い。とはいえ不動の世界No.1スコッティ・シェフラー(28歳)とは2歳しか違わない。いまは元LIVの全米アマチャンピオンという肩書きしかないが今後は自らの手でプロとしてのキャリアを切り拓いていくしかない。