備蓄米を見習え、安さは正義だ!

わずか20年ちょっとで、年販427万台のホンダや日産をブチ抜く大規模メーカーに
備蓄米で大騒ぎするニッポン! 今や何でも価格高騰していますが、それは新車も同じ。今や軽で150万円、コンパクトで300万円超えは当たり前。なかでも電池代のかさむバッテリーEVは高く、軽でも250万円、ミドルクラスだと平気で600万円以上はします。
だからこそ貧乏化する日本でEVが売れないわけですが、そこにとんでもない戦略で挑むメーカーがあるんです。それが中国メーカー、BYD。元々、世界最大の二次電池メーカーで、自動車産業入りは2000年過ぎ。以降わずか20年チョイで、年販427万台のホンダや日産をブチ抜く大規模メーカーに。何といってもすごいのはその価格競争力です。
一昨年、日本の乗用車市場に初参入。いきなりカローラクロスサイズのATTO3を440万円、翌年コンパクトEVのドルフィンを300万円切りで導入したのですが、恐ろしさはここから。去年、上質セダンのシールを82.56kWhの大容量電池搭載で、500円ちょいから発売したところプチヒット。と思ったら、先日出たそのSUV版たるシーライオン7を見てまたビックリ。
ベースはシールで、電池量も同じですが、アッパーボディは新設計で、シールより30㎜長く、50㎜広く、160㎜も高く立派なうえ、フルLEDヘッドライトも進化。なのに価格は逆に“値下がり”して、500万円切りの495万円から! 二輪駆動のベーシックグレードとはいえ、電池量を考えると700万円超えでもおかしくない出来なのです。
その実、見た目はシールよりワイルドで、イタリアンSUV顔負けだし、インテリアは全面ナッパレザー仕様で上質。前後左右シートは電動式でリアは20度の電動リクライニング付きで4座式のシートヒーターまで標準。さらに縦横に回る15 .6インチのパソコンサイズのディスプレイを備え、画面はやたらキレイでサクサク動く。まさに最先端なのです。
500ℓあるラゲッジは、そのままだとキャディバッグは1本しか積めませんが、リアを倒せば3本積載でき、文句ナシ。
走りは日欧メーカーに比べてツメの甘さが残りつつも、前後ツインモーターのシステム出力は529馬力と激速。4駆モデルは572万円に上がりますが、それでもメチャ安い。備蓄米のごとき恐ろしさを備えた最新ゴルフカーなのです。
撮影車種/BYD SEALION 7 AWD
全長×全幅×全高/4830×1925×1620mm
メーカー希望小売価格/572万円~
撮影/望月浩彦
撮影協力/カメリアヒルズカントリークラブ
※週刊ゴルフダイジェスト7月8日号「コージ中」より