PGAツアー1勝の実績を持ち、「ショートゲームシェフ」の名前でSNSでも大人気のパーカー・マクラクリン。彼のコーチ向けセミナーに参加した兼濱開人が最先端アプローチ術をやさしく解説しているが、そのノウハウをシングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた!

ベーシックピッチのアドレス、打ち方は?

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。パーオン率の低いアマチュアがスコアを作ろうと思うと、大事になってくるのはアプローチ。しかしなかなかうまく寄せられないんですよね。週刊ゴルフダイジェスト7/8号に「3つの構えだけで寄せるアプローチ」という記事がありました。その記事ではどこでも使える「ベーシックピッチ」という打ち方が解説されていたので、やってみることにしました。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2025/7/8号で特集されていたアプローチの打ち方「ベーシックピッチ」を実践!

週刊ゴルフダイジェスト2025/7/8号で特集されていたアプローチの打ち方「ベーシックピッチ」を実践!

この記事では有名なショートゲームコーチのパーカー・マクラクリン氏が、日本のコーチ向けのセミナーで教えていたことを、そのセミナーに参加していた兼濱開人プロが解説してくれています。パーカー氏によるといいアプローチの条件は、インパクトでヘッドが加速していることと、それにもかかわらずボールがゆっくり飛び出すことだそうです。そのための大事なことが詰まっているのがスタンダードな「ベーシックピッチ」という打ち方。

ベーシックピッチの基本的なアドレスはスタンス狭め。肩幅よりも狭いくらいで、体重配分は5:5。ボールはスタンスの中央で、ライ角通りにクラブを置き、シャフトはなるべく傾けないで構えます。これは持っているクラブの最大ロフトでインパクトするための準備だそうです。

画像: ベーシックピッチの基本的な構え方

ベーシックピッチの基本的な構え方

テークバックは手首をほぼ固めたままコックを使わず、体の回転で行います。重心はずっとアドレスの位置のまま。テークバックからトップで体重が左に動いてしまうと、最下点が左にズレてしまい入射角が鋭角になり、ボール初速が上がってしまいます。

画像: コックは使わないで体の回転で上げる。トップで左に体重が動かないように注意

コックは使わないで体の回転で上げる。トップで左に体重が動かないように注意

インパクトではボールをクリーンに打つイメージではなく、まずソールが接地してその後にフェースにボールが乗るのが理想ということです。インパクトの時のシャフトの角度は垂直。ハンドファーストに当ててしまうと初速が上がってしまいます。完全な振り子の動きで、最下点でボールをヒットするイメージです。

画像: インパクトは完全な振り子のイメージで、まずソールが接地してからフェースにボールが乗る。ハンドファーストに当ててはダメ

インパクトは完全な振り子のイメージで、まずソールが接地してからフェースにボールが乗る。ハンドファーストに当ててはダメ

そしてフォローですが、インパクトは加速しないといけないのですが、それを手を速く振ることでやってしまってはダメ。体の回転を大きく、鋭くしてスピードを上げます。フォローの早い段階で「へそ」を目標方向に回すイメージ。手だけを返したり、手と体がバラバラになると初速が不安定になってしまいます。

画像: 体の正面が目標方向を向くように回転する。手だけを返してしまってはダメ

体の正面が目標方向を向くように回転する。手だけを返してしまってはダメ

これが基本的なベーシックピッチの打ち方ですが、パーカー氏によるとサンドウェッジ(58度~60度)を使った場合だとノーコックスウィングで対応できる最長距離は30ヤードということです。なので、30ヤード以内は全部このベーシックピッチで対応できるということ。

実際にやってみると……

さっそくベーシックピッチで打ってみましたが、まずアドレスで少し違和感がありますね。今までは少しハンドファーストに構えていたし、ボール位置ももう少し右足寄りでした。こんなに真ん中にボールを置いて、しかもシャフトが垂直というのが驚きです。そして体重も今までは少し左に乗っていたのに5:5というのが少し違和感を感じます。

そこからノーコックでテークバックするのですが、コックを使わないので、かなり体を回転させるようにしないとクラブが上がっていきません。

そしてインパクトもどうしても少しハンドファーストで当てたくなってしまうのですが、振り子をイメージして最下点でインパクトできるようにイメージします。体重も左に動きがちですが、そこを我慢して体の回転でヘッドが加速するように振ります。

フォローもしっかりと体が目標方向を向くくらいに回転することを意識。どうしても手だけで振ってしまいそうですが、思い切って体を回転させます。

画像: 体重移動せず体の回転で最下点のボールをとらえ、フォローでも思い切って体を回していく

体重移動せず体の回転で最下点のボールをとらえ、フォローでも思い切って体を回していく

最初は体重移動せず最下点でボールをとらえるという動きがなかなか難しかったですが、それができるようになってくるとソールが接地してからボールがフェースに乗る感覚がわかってきました。フォローもかなり体を回転させるくらいのイメージでちょうどいいくらいで、それができてくると回転でボールをとらえる感覚がわかってきます。

うまく打てた時にはあまり高くない弾道で、ボールが少しゆっくりと飛び出していきます。スピンも少しかかりますが、ランが少し出て距離感も合わせやすい。距離感は振り幅で出す感じですね。

ベーシックピッチは自分が今までやってきたアプローチとは動きが違うとはいえ、動き自体はシンプルなので、これをマスターすればかなりアプローチの成功率が高くなりそうです。最初こそ少し違和感がありましたが、少し練習すればできるようになってきます。

そしてこのベーシックピッチをベースにして、さらに初速を遅くすることで距離の短い場合や、下りのアプローチにも対応できるといいます。その際の構え方は、基本はベーシックピッチと同じですが、少しボールに近づきハンドアップにします。そしてフェースは必ずオープン。構え方としてはパターに近いものになります。パターのように構えることで「ヒット」ではなく「ストローク」だと脳をだますという効果もあるそうです。これらの要素で初速を落として打てば短い距離でもしっかり打っていけるということなんですね。

画像: ボールに近づきハンドアップに構える。フェースはオープンにする

ボールに近づきハンドアップに構える。フェースはオープンにする

これもやってみましたが、打ち方的にはベーシックピッチなのですが、フェースの開き具合で初速が変わってくるので最初は距離感が難しいです。思ったより飛ばなかったりしてショートしがちでした。しかしかなり初速を落とすことができるので、短めのアプローチでもしっかりゆるまずに打てるのはいいですね。距離感は少し練習する必要がありそうですが。

今回ベーシックピッチという打ち方をやってみましたが、これをマスターすれば、グリーン周りのアプローチがかなり楽になりそうな気がします。ボール位置やフェースの開閉でアレンジもできるので、かなりいろいろなシチュエーションで使えそう。シンプルな動きなのでミスも少なくなる気がします。

アプローチがどうしてもうまくいかない人は、このベーシックピッチを試してみてはいかがでしょうか。この記事には他にもフワッと打つアプローチの打ち方なども解説されているので、ぜひ読んでみてください。

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