混戦模様となったPGAツアーのロケットクラシック最終日。通算22アンダーで並んだ40歳のクリス・カーク、30歳のマックス・グレイサーマン、20歳のアルドリック・ポトギーターが三つ巴のプレーオフに進出し、5ホール目で最年少のポトギーターが5メートルのバーディパットを沈め歓喜の雄叫びを上げた。

4日間のドライビングディスタンスは337.2ヤードでフィールドNo.1。圧巻の飛距離を武器にぽっちゃり体型(97キロ)の若者が躍動した。

あるホールではティーショットを370ヤード以上飛ばし、残り200ヤードを超えるセカンドショットを9番アイアンで打つ異次元のゴルフ。

72ホールでは勝ち切れなかったがジェネレーション対決となったプレーオフではツアー6勝のカーク(2ホール目で脱落)、準優勝3回(今大会で4回目)のグレイサーマンを退け15番パー3のバーディでポトギーターが念願の初優勝を飾った。

画像: PGAツアー「ロケットクラシック」を制したアルドリック・ポトギーター(写真/Getty Images)

PGAツアー「ロケットクラシック」を制したアルドリック・ポトギーター(写真/Getty Images)

「苦しい戦いだったけれどプレーオフはいいイメージのあるホール(18番→15番→16番→14番→15番)で戦えて良かった」と安堵の吐息を漏らした20歳。

ゴルフの手ほどきをしてくれた父・ヘインリッチさんと抱き合い喜びを分かち合うと「家族には本当に感謝している」と感無量の表情を浮かべた。

2月のメキシコオープンでもプレーオフに進出したが2ホール目でブライアン・キャンベルに敗れ悔しい思いを味わった。だが良かったのはそこまで。以降9試合で予選落ちが7回と低迷していただけにまさかここで優勝するとは。

南アフリカで生まれ全英オープン覇者のルイ・ウエストハイゼンが主宰するジュニアゴルフアカデミーで育った早咲きの新星は22年、17歳で史上2番目の年少記録で全英アマを制覇した。

プロデビューした昨年はコーンフェリーツアー(下部ツアー)でジェイソン・デイの持っていた最年少記録を塗り替え19歳133日で戴冠。PGAツアーに昇格した今年14試合目で栄冠に輝いた。

全英アマ優勝の資格で23年にマスターズに出場したときは予選落ちに終わっているが一緒の組でプレーした母国の先輩(マスターズチャンピオン)シャール・シュワーツェルが「こんなに球を遠くに飛ばす人間がいるとは信じられない。末恐ろしい」と畏怖の念を口にしている。

グランドスラマーのゲーリー・プレーヤーをはじめ多くのメジャーチャンピオンを輩出している南アフリカからまたひとり有望株が結果を出した。

まだ荒削りでいいときと悪いときの差があるがそこが魅力でもある。シュワーツェルのいった通り「末恐ろしい」若者がツアーに現れた。

【動画】PGAツアー公式Xでポトギーターの366ヤード飛ばすドライバースウィングをチェック

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