地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「縦距離と方向性を重視したアイアン」

連載66回目は本試打企画の4回目に掲載されている「スポーティゴルフスタジオ」の小村斎さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。エポン「AF-307」アイアンがオススメとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

工房店主の小村さんがエポン「AF-307」の特徴を語る

「今回の『AF-307』は、同シリーズの『AF-306』に比べて寛容性が高いモデルになっています。変更点としてはタングステンをヒールのみならず、トウ側にも配置することで重心が僅かに低くなり、上下左右の打点ブレに強くなっています。そして新たに発売されるフジクラ『MCI』は、従来のモデルよりやや振り心地が軽やかになり、スピン量が多くなりますので、総飛距離は同じでもキャリーが伸びてランが短くなるようなイメージでしょうか」と小村さん。

「アイアンは7番で32度と、今では通常くらいのロフト設定です。私のお客様の中には、ロフトが立ったぶん、高さが出ずにキャリーが落ちてしまい、飛距離の階段が作れない方も多くなっている現状があります。今回の組み合わせはヘッドで飛距離を稼ぎつつも、シャフトで球をあげて、キャリーの階段を整えるようなイメージで組み上げました。スピン量だけではなく、打ち出し角も高くなるため、着弾してからのランが少なく、グリーンに止まる球が打ちやすくなります」と、ロングアイアンになるにつれて飛距離があまり変わらないという層にはぜひ試して欲しい組み合わせだ。

画像: エポン「AF‐307」と、新たな「MCI/80S」※価格はスポーティゴルフスタジオまで

エポン「AF‐307」と、新たな「MCI/80S」※価格はスポーティゴルフスタジオまで

続けて、「従来の『MCI』は重量帯によってキックポイントが変わっていましたが、今回はすべて中調子で設計されています。歳を取って振れなくなってきても、できるだけフィーリングを損なわないようになっている点もポイントです」と話した。飛距離が落ち始める40代~60代に特にオススメといい、「MCI」には50~100gまでラインナップがあり、今の重量帯が振れなくなってきても選択肢に迷いにくいという。

エポン「AF‐307」の印象を堀越プロに聞いた

「エポンはこの企画の中でトップクラスに出ているメーカーで、特にアイアンやUTが人気の印象があります。以前同ブランドで試打をした『AF‐306』に比べ、僅かにフェース面が大きくなり、安心感が追加されたような印象を受けます。おそらく左右に配置された重量が大きくなり、ミスヒットに強いモデルといった位置づけと感じます。寛容性の高いモデルですが、トップブレードのシャープさやオフセットも少めで、上級者が好みそうな見た目を意識している辺りが人気の秘訣なのでしょうか」

「そしてシャフトも見たことのないデザインの『MCI』です。MCIといえばシルバーを基調とした見た目の印象が強かったのですが、こちらは7月10日に発売される新しいモデルのようですね。女子プロで人気の高いカーボンシャフトとして有名ですが、今回のエポンヘッドとの組み合わせはとても楽しみです」と堀越プロ。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

ドライバ―換算でヘッドスピード42m/sで試打を開始。

●キャリー/157.3Y
●着弾角/48.8度
●打ち出し角/21.2度
●スピン量/6235rpm
※7番アイアン(32度)のデータ

「打った印象としては、やはり『AF‐306』よりかなり寛容性が高くなり、方向性が安定している様に思えます。実際打点がズレた場合にも感触は感じますが、球は比較的真っすぐ打ち出されています。縦距離も極端に落ちることもなく、実際のラウンドで自信をもって打つことができそうです」と安定性を評価。「AF-307」はネック内とトウ側にタングステンを入れて寛容性を追加し、短重心化によってつかまりも向上している。

球筋に感しては、「球がすごく高く上がるね! 」と驚く堀越プロ。「カーボンシートの巻き方を変えているとのことで、従来のMCIとは違ってやや加速感があり、スピン量も6200台とかなり増えている印象を受けます。このくらいの落下角とスピン量があれば確実にグリーンに止まりますので、特にミドルアイアンやロングアイアンで恩恵を感じやすいかもしれませんね」とシャフトも好印象。新たに開発された新しい「MCI」は、番手によってバット径を調整し、一貫した太さで握ることができるためフィーリングも損なわれない設計となっている。

総評

画像: 「球も高く飛距離も出ていますね」(堀越プロ)

「球も高く飛距離も出ていますね」(堀越プロ)

「今回の『AF-307』と『MCI』の組み合わせは、低重心で上がりやすいヘッドと、スピン量を確保できるシャフトの組み合わせで、グリーンに止まりやすく、更に寛容性まで実現された組み合わせでした。ソールも抜けが良くなるようにリーディングエッジとトレーリングエッジの両側を落す工夫や、流行り廃りのない伝統的なデザインは長く使うほどにプレーヤーに馴染んでくれるようなアイアンだと感じました。カーボンシャフトはスチールに比べ質量が多く、しっかり感がありますので、選ぶ際にはスチールよりやや軽めのものを選ぶと同じようなフィーリングで振れると思います」と評価した。

THANKS/クレアゴルフフィールド

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