いよいよ7月。6月からすでに全国各地で30度超え続出で、グロッキー気味のゴルファーも少なくないはず。そんなとき、コースにある“茶店”での小休憩が体と心のリラックスにつながるという。現在発売中の「週刊ゴルフダイジェスト」7月22日号で紹介された一部を「みんなのゴルフダイジェスト」でも紹介!

日本のゴルフ場特有。「夏にありがたい」の声

画像: 茶店文化は日本ならではという菊地氏。最近は自販機だけ置いてあるところも多くなったが……

茶店文化は日本ならではという菊地氏。最近は自販機だけ置いてあるところも多くなったが……

暑い時期、体力が消耗し、「ハーフ休憩までもたない」となった経験はありませんか? そんなとき
にありがたいのが茶店の存在ですが、近年は有人の茶店が減り、自販機のみというケースが増えてい
る。コスパの点で致し方ないとは言えますが、独自の文化でもあり、もったいない気も……。

まず、ゴルフ場コンサルタントの菊地英樹氏に“茶店文化”について聞いてみると……。

「ゴルフ場の茶店というのは日本独特の文化と思われます。欧米ではまず見かけないですし、韓国やタイなどには茶店のあるコースもありますが、それらは基本的に日本のスタイルを取り入れたようです」と言う。

欧米では「ビバレッジカーと呼ばれる、飲み物やスナックなどを積んだカートでスタッフがコース内を移動販売するケースが多いです。スタッフがお客さんに声がけして、コミュニケーションを取りながら『飲み物はいかがですか? 』というふうに販売していきます。日本でいうと野球場のビールの売り子に近い感じでしょうか」。

画像: 「リアルゴールド+アクエリアスで清涼飲料水『マッチ』の味になるよ」と、味を足して工夫をしているゴルファーも多い。

「リアルゴールド+アクエリアスで清涼飲料水『マッチ』の味になるよ」と、味を足して工夫をしているゴルファーも多い。

日本で発展した理由については「経営視点が大きいと思います。欧米のスループレーと違い、日本はランチ休憩を取るスタイル。さらに茶店がハーフごとに1カ所、合計2カ所あるのが普通。レストランや茶店での売り上げも経営面で重視されていたんです」。

しかし、バブル崩壊後、セルフプレーが主流になると茶店文化に変化が。

「進行管理も担っていたキャディが不在、お客さん自体たくさん入れていることもあり、客の判断による“茶店で一休み”が進行に影響するようになったんです。日本は後続組を先に行かせる文化がないうえ、電磁誘導式カートではなおさらです。
 
全体的に詰まっているのに、1組休憩すると後ろが詰まって、キャディもいないし誘導式カートだから後続組をパスさせられない。茶店があっても寄りづらいのは当然です。コースの茶店のポジションがなおざりになっていきました。そして、コロナ禍や最近の人手不足もあり、どんどん閉鎖され自販機に置き換わっているのが現状です」

一方で、今も大にぎわいしているコースの茶店もある。八王子CC(東京都)もそのひとつで、プレーヤーのほとんどが茶店を利用するという。大きな理由は飲み物(ペットボトル飲料は除く)が無料という点。ビールを含む9種類のドリンクが選べ、お代わりもできる。同CCはキャディ付きのプレーが多いこともあり、進行の調整もしやすく、茶店休憩を楽しみにしているプレーヤーは多い。

画像: 八王子CC内にて

八王子CC内にて

冷たいドリンクは、ビール、トマトジュース、アクエリアス、レモンスカッシュ、コカ・コーラ、ウーロン茶、アイスコーヒー、カルピス、リアルゴールドがある。

茶店での休憩は「お客さまのためなのはもちろんですが、キャディのためでもあります」と、キャディマスターの中村尊重さん。30度を超えるなかの激務であり、ハーフをぶっ通しの勤務は確かに厳しい。エアコンの入った涼しい茶店で5~10分休み、ワイワイゴルフトークを楽しみながらドリンクや菓子などでエネルギーをチャージするのが八王子CC流だ。しかも、茶店のスタッフは次に来る客のグラスを事前に用意し、いつも同じドリンクを選ぶメンバーには「カルピスでいいですか? 」などと声がけしつつ、席に着く頃には注ぎ終わっているようなサービス。プレーヤーの声は総じて「この5分、10分で全然違うよ」だ。

PHOTO/ Yasuo Masuda
※週刊ゴルフダイジェスト7月22日号「守りたい! コースの茶店文化」より

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後編では実際に八王子CCで茶店を利用したゴルファーの声や、ゴルフに限らずスポーツでの「エイドステーション」の役割を果たす事例を紹介している。続きはMyゴルフダイジェスト、週刊ゴルフダイジェスト7月22日号に掲載中!

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