「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はフェアウェイウッドのロフトの選び方について教えてもらった。
画像: アベレージゴルファーはFWのロフトをどう選べばいい?(写真/姉﨑正)

アベレージゴルファーはFWのロフトをどう選べばいい?(写真/姉﨑正)

アマチュアは5Wが1本あればいい!?

みんゴル取材班(以下、み):15度の3Wがアマチュアには難しすぎるという評価はかなり一般的になってきたと思います。そこで、16.5度の3WHLや4Wがふつうのアマチュアの選択肢になると思うのですが宮城はどう考えますか?

宮城:アイアンのロフトが立ってきたのと逆にウッドが寝てきたこと自体はいい流れだと思います。最近はプロでも16.5度に移行する選手が増えています。

み:さすがにプロが15度を打てないわけはないと思いますが

宮城:13.5度や15度の3Wだとキャリーがドライバーと変わらなくなっています。かんたんにいえば飛び過ぎてハザードに届いてしまうのでレイアップができません。プロがいうには3Wがどこまでも飛んでいいのは打ち下ろしのロングホールだけで、それ以外はちゃんとキャリーを計算して打ちたいわけです。そこに出てきたのが16.5度のHL。最近は3Wもスピンが少なく実際に打ってみないとグリーンで止まるかどうかわからないといわれています。その点、16.5度ならスピンも増えるので止めることもできます。

み:飛びすぎが悩みとはうらやましい限りですが、ふつうのアマチュアにとってロフトの大きなウッドにはどんなメリットがありますか?

宮城:アマチュアには絶対にロフトが必要です。打ち出し角が上がってキャリーが出るからです。3Wで230ヤード飛ぶと自慢する人がいても、低い球でキャリーが180ヤードしか飛ばず、ランで50ヤードも稼いでいたりすることもよくあります。それだとハザードを越せません。16.5度ならキャリー200ヤード、ラン20ヤードくらい期待できます。トータルでは飛ばなくてもキャリーが計算ができてゲームを組み立てられます。

み:たった1.5度でそんなに違うのですね。

宮城:かまえたときの安心感は段違いです。視覚的にも性能的にも1.5度の差は大きいと思います。

み:アマチュアのセッティングには16.5度のHLや4Wがいいのか、それとも18度の5Wで事足りるのでしょうか?

宮城:ロフトだけでなくレングスも気にしてください。16.5度のHLは3Wと同じレングスなので当たる確率が低くなります。3Wが打てない人には4Wがおすすめです。4WあるいはHLと5Wの2本を入れるセッティングもありですが、正直にいえばアマチュアには5W1本で十分だと思います。いまの5Wは飛距離性能が高く3Wのミスショットよりも飛びます。18度と16.5度ならキャリーは10ヤードも変わりません。それならウッドは1本にして、UTやウェッジを増やす方がメリットはあると思います。

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