「ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ」の3日目、初日から首位を守る地元北海道出身の内田ことこは72でプレーし、トータル13アンダーでこの日も首位をキープ。2打差の2位に山城奈々、3打差の3位に泉田琴菜、4打差の4位に髙久みなみと続く。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からレポートお届け。

12時発表の気象データによると気温23.7度、風速4.2m/sと湿度の少ない北海道ならではの天候に選手たちも練習時間が長くなりがちです。“ムービングデー”の3日目ですが強い風の影響もあり、大きくスコアを伸ばす展開にはなりませんでした。

初日を66、2日目を65と13アンダーまでスコアを伸ばし首位でスタートした内田ことこ選手は3日目を72で終え、68、66の10アンダーで2位スタートの山城奈々選手は71と1つスコアを伸ばして11アンダー、67、70の7アンダーの4位タイでスタートした泉田琴菜選手が69とスコアを3つ伸ばして10アンダーまで来ました。

画像: 「ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ」の3日目を2位に2打差の首位で終えた内田ことこ

「ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ」の3日目を2位に2打差の首位で終えた内田ことこ

実家がコースから1時間程度の地元出身の内田ことこ選手は、多くのギャラリーを引き連れ声援にも背中を押され、前半は3バーディ2ボギーと1つスコアを伸ばしてターンします。ところが11番のパー5でパットに苦しみダブルボギー、続く12番パー5をバーディとしバウンスバックを決めます。15番でバーディを奪うも16番パー4のティーショットを左に曲げ深いブッシュの中に入れると、アンプレヤブルを宣言し1打罰を払って2クラブレングス以内にドロップし、強いつま先下がりのライからグリーンを狙いますが少しオーバー。アプローチも寄せきれませんでしたが、なんとかボギーでしのぎ17、18番をパーでまとめ72でホールアウト。2位に2打差で地元北海道で初優勝を目指します。

画像: ドローの曲がり幅狭くなりパットも好調とゴルフレベルが一段上がった内田ことこ

ドローの曲がり幅狭くなりパットも好調とゴルフレベルが一段上がった内田ことこ

ドローヒッターの内田選手は、飛距離も魅力ですが今季は特にアイアンショットの精度が向上しています。左に大きく曲げるミスが減りドローの曲がり幅が少なくなっていて、初日はパーオンの回数は44/54で全体の3番目のスタッツを示しています。

コンビを組む島中大輔キャディは「風やピン位置、バンカーの位置など情報が入り過ぎないようにして、方向と距離だけでシンプルに打つように心がけています」と教えてくれました。さらに今週は初日に26パット、2日目27パットと好調で、3日目は4パットもあって32パットと苦労しましたが、スコアを落とさなかった3日目を乗り越えたことは大きな収穫だったと思います。

続いて距離が長く打ち上げの最終ホールをバーディとし71でプレーし、首位から2打差で終えた山城奈々選手。飛距離が自慢の選手ですが、今週はパーオンの回数が47/54と全体の1位とアイアンショットも含めて好調です。プレーを見ていて攻める場面とセーフティに狙う場面のメリハリがはっきりしています。

画像: 首位に2打差の2位で最終日を迎える山城奈々

首位に2打差の2位で最終日を迎える山城奈々

初日は30パットで68とノーボギーのラウンド、2日目は28パットで66とスコアを伸ばし、3日目は33パットで71と惜しいパットが続きましたが、最終ホールのバーディで首位から2打差で終えられたのは大きな上がり方でした。

画像: 3日間のパーオン率1位と好調なショット、パットを生かして初優勝を目指す

3日間のパーオン率1位と好調なショット、パットを生かして初優勝を目指す

今季はドライバーの極度の不振から立ち直り、パーオン率も向上し、3度のトップ10フィニッシュから初優勝を目指す31歳。明日は「無理をしない。明日こそパットを決めて優勝したい」と最終日に臨みます。

風の中で3バーディノーボギーで3位に浮上した泉田琴菜選手。この3日間でボギーは2つだけと「ボギーを叩かないゴルフ」で首位に3打差まで追い上げてきました。「当たり前のことですが伸ばし合いの展開では伸ばさないと勝てません。とはいえ、(今年初出場した)全米女子オープンではボギーを打てば予選も通らないことを学び、予選を通らなければ勝てないと思いました」と話します。

画像: 3日間でボギーは2個と首位から3打差まで追い上げて来た泉田琴菜

3日間でボギーは2個と首位から3打差まで追い上げて来た泉田琴菜

選手とキャディには前日の夜にピン位置が配信されていますが、その「ピン位置を見てグリーンを外しても大丈夫なエリア、外してはダメなエリアをイメージしています」と、マネジメント力も向上してきた成果が表れて来ているようです。

明日は首位の内田ことこ、2打差の山城奈々、3打差の泉田琴菜、4打差の高久みなみ、5打差の荒木優奈、ウー・チャイェン、小祝さくらと5打差以内の小祝さくら選手以外は初優勝がかかっています。一体どんな結末が待っているのでしょうか。明日も現地からのレポートをお届けします。

写真/有原裕晶

あわせて読んでほしい

This article is a sponsored article by
''.