
解説/川田太三氏
「日本のリンクスといえば河川敷ですよね」
日本ゴルフコース設計者協会特別顧問、元日本ゴルフ協会特別顧問。設計・監修したコースは40 を超え、海外のメジャーでは競技委員も務めた。米国ゴルフダイジェスト誌『世界のベスト100コース』選定委員
今年の全英OPは“ロイヤルポートラッシュ”

ロイヤルポートラッシュ
毎年、全英オープンでの激闘を見るたびに、リンクスへの挑戦意欲をかき立てられるゴルファーも多いだろう。とはいえ円安の状況で、スコットランドやアイルランドに行くのは厳しい。そこで目を向けたいのが日本でリンクス気分が味わえるコースだ。全英オープン開催コースを何度もラウンドし、リンクスコースへの造詣が深い川田太三氏に日本にあるリンクス風コースの特徴について聞いた。
「日本のリンクスといえば、河川敷ですよね。水に近く、視界が開けていて、さらに風が強いという意味でリンクスと似た部分があると言えます。一方、海が近いコースも日本には多くありますが、規制の関係上、防風林を植えなければならないため、リンクスというよりシーサイドコースと言ったほうがしっくりくるコースが多いですね」(川田氏・以下同)
一方で、本場スコットランドのリンクスはどのようなものなのか。川田氏は「自然のまま」というキーワードでその特徴を語る。
「本場のリンクスコースは自然が生み出した地形をそのままコースとして利用している節があります。例えばクラブハウスなんかもコース側にとんでもなくでかいクラブハウスがドカンとあるのではなく、土手を挟んだ内陸側にあったりするんです。そういうふうに自然の条件に適応するようになっていると感じます。そういった観点で日本のコースを見てみると、人工的に造り込んだコースより、できるだけ自然のまま、素朴に造ったコースのほうが、より“リンクス風”に感じられますね」
そんな川田氏におススメの日本のリンクス風コースを教えてもらった。
「新潟県にある日本海CCは、割と海が近く、造り込みすぎずに素朴に造られている印象を受けました。それから古河ゴルフリンクスとGC金沢リンクスは、同じように人工的になりすぎないように配慮がされていると聞いてぜひプレーしてみたいと思っています」
▼ 川田's choice1
古河ゴルフリンクス(茨城県)渡良瀬川沿岸に広がる“河川敷リンクス”

古河ゴルフリンクス
よくある河川敷コースに比べてハザードの配置などが本場のリンクスを彷彿とさせるコース。広いフェアウェイは微妙なアンジュレーションがついているためティーショットの落としどころには注意が必要。ベント芝でやや大きめのグリーンは、ほとんどが2段で本場さながらのパッティングクオリティが求められる。
▼ 川田's choice2
GC金沢リンクス(石川県) 日本海と白山連峰を望む絶景のリンクス

GC金沢リンクスの9番ホール
7万平方メートルに及ぶウォーターハザードにより池の絡まないホールは5ホールのみと、正確なショットが要求される18ホール。白山連峰、海岸線の先には能登半島、日本海を走る船など、ここでしか堪能できない“日本式リンクス”の景観が広がる。
日本海CC(新潟県)「“自然”を感じられる印象に残ったコース」(川田氏)

日本海CC、中コース4番ホール
日本海から程近く、赤松に覆われた砂丘に広がる27ホール。海からの風や自然のままの適度な起伏など、その土地の特性が生かされた造りで、“リンクスの精神”が宿るコースに。
PHOTO/Satoru Abe、Hiroaki Yokoyama
※週刊ゴルフダイジェスト7月29日号「日本でリンクス気分が味わえるコース」より
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リンクスを味わえるコース紹介の続きはMyゴルフダイジェスト、週刊ゴルフダイジェスト7月29日号で掲載中!