もし理系と文系があるとしたら、あなたはどちらですか? 今回、週刊ゴルフダイジェスト7月22日号では“理系”のゴルファーたちに話を聞いてみたら、こだわりがゾクゾクと……。「No Data No Golf」。ここに上達のヒントが隠れているかもしれません。「みんゴル」では3回に分けてご紹介。【3回中1回目】
画像: 『振り幅基準』を作ったらパットの距離感が良くなった! 理系ゴルファーが行った上達への取り組みとは?【理系のゴルフ①】

堀田泰彦さん(71歳・平均スコア90/白杭)

事前にメールで詳細な資料を送ってくれた堀田さん。機械工学を学び、設計や開発の仕事で物理学を使っていた。最初のページはパットの距離感について。

「ヘッドがボールに当たる速度に比例してボールは転がり、速度27cm/sで約7m転がります。また、オデッセイ『2ボール』パターを使用。わかりやすいんです」

そのうえで、①距離は歩測。②テンポは80bpm(0.75秒/拍)で「ワン・ツー・スリー」で一定に振る。③歩数10歩の場合、振り幅20cm(1個4cmのパターのボール柄5個分/グリーンの速さ8~9ft時)。15歩の場合、振り幅30cm(ボール柄7.5個分/この時リズムは同じで速度は40.5cm/sとなる)となるという。

「ボール1個分で1歩違う感じを体得」
5年間、ほぼ毎日練習。基準が身に付く。「1mのパットを外すと精神的ダメージが大きいのでパターレールで30球。週4日のスクール前にも練習します」

「一定のテンポが肝心です」
気持ちいいテンポをメトロノームで確認。家の廊下で4歩、8歩パット30球、スクール前に10・15・20歩×20、5 歩の4つの傾斜×20、アプローチ(20歩)10球など練習。

画像: パターレールの練習と家の廊下(右下)での練習法

パターレールの練習と家の廊下(右下)での練習法

一見わかりづらいかもしれないが、基準を覚えてしまい練習はみっちり行う。

加えてラウンド時には、①練習グリーンの平らな場所で10歩の距離で打つ。②リズムは変えず振り幅20cmで転がりを見て速め・遅めを調べる。通常の1割遅い場合、全体的に振り幅を1割減に。③傾斜の調整は上り・下りの場所で「割増・割引」を振り幅で決める。リズムは変えない。④ラウンド中はカートのグリーン情報で傾斜を確認。フック、スライスの判断はパターを吊るして読む方法を使う。「ピンまで歩測→傾斜判断→振り幅決め→フック・スライス判断→ボールのラインを目標にセット→振り幅とリズムを合わせて3回素振り→あとはなるようになる」が鉄板パッティングルーティンだ。

画像: ノートにあふれる理系脳とゴルフ愛 マネジメントも明確。「飛ばしたいけど今の実力は1Wで200Y、これをベースに組み立てる。350Y以上のホールはボギーオン狙い。だから150~180Yのショットが課題です」

ノートにあふれる理系脳とゴルフ愛
マネジメントも明確。「飛ばしたいけど今の実力は1Wで200Y、これをベースに組み立てる。350Y以上のホールはボギーオン狙い。だから150~180Yのショットが課題です」

「本当は傾斜を水準器で測りたい」と笑う堀田さん。

「ゴルフしていると感情的になりがち。でも基準があると心も落ち着きます」

本格的にゴルフに取り組み、レッスンも受け始めたのはここ5、6年。コツコツ取り組んだら平均スコアが96~ 97から昨年90に。

「パットが入る確率は上がりました。苦労している方には『振り幅基準』をおススメします」

”ゴルフは科学実験⁉”
「数字で分析して、改善ポイントを見つける作業が大好きです」堺直樹さん(53歳・平均スコア95)

ヨーロッパの建設機械・資材メーカーの日本法人の社長を務める堺さん。ゴルフ歴は5年だが、その「奥深さ」にすっかりハマっているという。理工学部の大学院卒業の頭脳は、やはりゴルフへの取り組みにも表れるようで……。

「スウィングを数字で分析して、改善ポイントを見つける作業が大好きです。ほんのわずかのインプットの変化が、これほど結果(アウトプット)に大きな違いをもたらすスポーツはほかにないと思います。計測器を使って、少しずつアドレスやテークバックの軌道、コックの使い方などを変えていきながら、スウィングプレーンやフェースの向きなどにどのような影響を与えるのかをチェックしています。その結果が数字で出てくることに、科学の実験をやっているような面白さを感じます。ただ、ゴルフには結果に影響を与える要因が数多くあり、結局は泥沼にハマってスコアは改善しないということが、この数年間の結論です。やはりゴルフは奥深いですね」

得意クラブは8番アイアン。“実験”の平均値がわかるからだろうか。練習は週2回、ラウンドは月1回で、ベストスコアは83。このまま追求していけばきっと、近いうちに「70台」達成も見えてくるに違いないのだ。

画像: 堺直樹さん。練習でセットアップする堺さん。頭の中には常に“データ”があるように見えますよ!

堺直樹さん。練習でセットアップする堺さん。頭の中には常に“データ”があるように見えますよ!

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▶学びにも教えにも“理系脳”を使う。「テクノロジーの進歩で、理系ゴルフを生かせる」

PHOTO/Tsukasa Kobayashi
※週刊ゴルフダイジェスト7月22日号「理系のゴルフ」より一部抜粋

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