
ゴルフインストラクター・後藤悠斗プロ
手や足と同じように、目にも“主に使う側”、いわゆる「利き目」が存在する。
自分の利き目を知ることは「100切りがどうこうと言うより、もっと大きな括り……ゴルフに限らずスポーツ全般において基礎中の基礎の話です」と後藤。
「多くの方にレッスンしてきて、完全に肌感覚ですが『利き目がどちらかわかりますか?』って質問すると、たぶん3割くらい答えられない方がいると思います。
でも答えられない方のうち、8割くらいは無意識に利き目を使えています。だからほとんどの方は意識しているかどうかはともかく、あまり問題は起きないんです。
ただ割合としては少ないけれど、利き目を自覚していないし、無意識に使えていない、『どちらの目で見ていいかわからない』という方がいるのも事実です」(後藤、以下同)
利き目のチェック法は様々ある。「専門家ではないのでより詳しく知りたい方は調べてほしいですが、よく言われるのが両手で三角形を作ってチェックする方法です」と後藤(写真A)。
「まず三角形越しに、少し離れたところにある物を見るんです。物自体は何でも良いので、まずは両目で三角形の中に収まるように見てみてください。その状態から片目ずつ閉じて見た時、見え方が変わらなかったほうが利き目、ズレたほうが利き目ではないと判別できます」

写真A:両手で三角形を作って行う利き目チェック法を試してみよう
では、利き目はゴルフにどんな影響を与えるのか。後藤は「利き目を自覚してアドレスやターゲットの設定をしないと、実際の見え方と自分の感覚がズレてしまう可能性があります」と言う。
「パッティングやショットを打つ前に、ボールの後ろから狙いを定めることってありますよね。この時、基本的には利き目だけで狙いを定めるようにしないと、ズレが生じてしまいます。
また、ボールを見る時に両目を開いていても、効き目が右か左かで見え方は変わります。構えた時に『どのようにボールを見たいか』にもよりますが、見え方が違えば感覚的な差が出てきて、実際のアドレスにも影響します。
例えばショートアイアンでスタンスの中心にあるボールに対して構える時に『ほんの少し左足重心にして、ボールを上から見るように構えたい』としましょう。でも効き目が右の場合、視界も右目がメインですから、感覚的には結構左足に重心を乗せないと『上からボールを見下ろしている感覚』にならないんです。だから正面から動画などで確認すると『あれ、ちょっと左に突っ込み過ぎてるかも』みたいなことが起こってしまいます(写真B)」

写真B:スタンスの中心にあるボールを「ほんの少し左足重心」で「上からボールを見下ろす」感覚で構えたい場合、同じ意識でも構えは大きく変わる(写真左が左目、右が右目が利き目の場合)
逆も然りで、アッパーに打ちたいドライバーの場合は「利き目が左だと、結構右に体を傾けて構えるような感覚になりがちです」と後藤(写真C)。利き目によって、アドレスの作り方の癖が思った以上に変わるわけだ。

写真C:ドライバーをアッパー軌道で打つためにボールの後ろ側を見るイメージで構えたい場合、利き目が左(写真左)だと、右(写真右)の場合より体の傾きが強くなる
加えて、ボール位置は常に一定なわけではない。状況や打ちたいショットによって変えていくため「視線の向け方次第で、利き目じゃないほうでボールを見ちゃうことって全然あるんです。そうなっちゃうと、見え方が変わるから結果にもブレが出てしまいます」という。
「だからアドレスにせよターゲットを定める時にせよ、見え方を統一したほうがいいですね。そのためにも利き目は自分で知っておくことが大切ですよ」


