
山本大雅 ー Taiga Yamamoto。京都府出身。父の影響で12歳でゴルフを始め、東北福祉大学卒業。師匠は林照康プロ
ゴルフが大好き、だから楽しむことを大切にしている
GD ACNツアーのポイントランキングでは2位につけていますが前半戦を終えて感想は?
山本 とりあえず今シーズンの目標にしていた1勝を挙げることができたので、その点では満足しています。ただ、早く2勝目を挙げたい気持ちがあります。
GD 笑顔を絶やさない印象がありますが、山本プロが大事にしていることは?
山本 とにかくゴルフが好きなので、ゴルフを楽しむことを大切にしています。
GD 楽しむことと、勝ちにこだわることは繋がっていますか?
山本 もちろん勝ちたい気持ちはあるし、そこにこだわっている部分はありますが、そのためにはまずは楽しまなければと考えています。
GD 筑紫ヶ丘の優勝の時はプレーオフでしたが、楽しんだ結果が優勝につながった?
山本 プレーオフは最高に楽しめたと思います。ただ、最終日は楽しむこと半分、優勝したい気持ち半分で、スタート時は固かったと思います。途中、連続ボギーが来て、そこで「ああ、楽しめてない。これじゃダメだ」と気持ちを切り替えたんです。
GD その直後の8番でバーディでしたもんね?
山本 あのバーディは大きかったですね。
GD 緊張とかはあまりしないタイプですか?
山本 そうなんです。あの時も、最終日の前日の夜も寝れないなぁとか思っていたら、気づいたら朝でした(笑)。元々あまり緊張しないタイプではあると思います。

勝つためにまずは楽しまないと!
父がティーチングをしていたのがゴルフを始めたきかっけ
GD 改めてゴルフを始めたきっかけは?
山本 父(博史)の影響です。父が京都にある練習場(城陽オレンジゴルフ)でティーチングをしていたので、ぼく自身も高校に入るまでは練習をさせてもらっていました。
GD では師匠というかコーチはお父さん?
山本 いえ、師匠は林照康プロになります。父との繋がりで、親戚のような感覚で付き合わさせてもらっています。めちゃくちゃ怖いですけど(笑)その林プロのお姉さんが東北におられたので、それで東北高校を選んだというのもあったんです。
GD なるほど。高校に入るときに親元を完全に離れたわけですね?
山本 林プロ的にはすぐに帰ってこられない環境がいいという考えもあったようです。
GD プロ転向後はなかなか成績を残せていませんが、やはりプロの壁というものですか?
山本 そうですね。それはあったのかもしれません。一昨年のQTで失敗して、去年はほとんど出られる試合がない状況で予選会にも出場したんですが、1打足らずなどで、まさかの1試合も出られないという感じでした。
GD でも奈良県オープンでは優勝していますよね?
山本 あれがプロとしての初優勝でした。でもなぜかJGTO関連の試合には弱くて(笑)
GD それも今年の優勝で払拭できそうですね!
山本 そのためにも早くもう1勝して、レギュラーツアーで戦うための準備をしたいと思っています。
GD 山本プロの同級生、同世代の選手は?
山本 同じ東北福祉で言えば蟬川泰果、鈴木晃祐。同学年では中島啓太、平田憲聖、古川龍之介らですね。
GD すごい世代ですね。
山本 そうなんです。みんなバケモノみたいな選手ばかりで(笑)。
GD 同世代がプロ入りしてどんどん活躍する中で、山本プロは苦しい時間を過ごしていたと思いますが、支えになったことなどありますか?
山本 やっぱりゴルフが好きだという気持ちですかね。ゴルフができることの感謝を忘れず、好きなゴルフを目一杯やりたいと常に思っています。
GD ちなみにリフレッシュというか趣味のようなものはありますか?
山本 サウナも好きですし、あとは筋トレです。
GD 筋トレはやっぱりフィジカル面の強化?
山本 いえ、ゴルフというかシンプルに格好良くなりたいという目的です。(笑)

カッコ良くなる目的で筋トレに励んでます(笑)
GD でも、あまり筋力をつけるとスウィングに弊害もおきますよね?
山本 そこは気をつけるようにしています。実は昨年の冬からスウィングを変える目的で肉体改造をしたんです。63キロから1カ月半で70キロくらいまで増やしたんですが、全く飛ばなくて。これは体重や筋力じゃ無いなと思って戻し始めたら、飛距離も伸びたんです。
GD じゃあ筋トレはある意味で仕事としてのゴルフから切り離せるリフレッシュ方法になっているのかもしれませんね?
山本 それはあるかもしれません。趣味と実益を兼ねているのかもしれません。それこそ蟬川もすごい体格していると思うんですが、大学の頃は同じジムに通っていて、週5は筋トレをしていたんです。蟬川が追い込んでいるのを見て、筋トレってこういうことかと思いました。
実は優勝した『i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘』の最終日も、表彰式やインタビューが終わってから空港に戻る途中でジムに行けないかと考えていたそう。会員になっているエニタイムが福岡空港内にあることを知っていれば、もう少し早く行ってできたのにと悔やむほどの筋トレ好き。言い換えれば自分磨きには妥協しないのが山本選手の強みなのかもしれない。大好きなゴルフを目一杯楽しむために、自分磨きに余念がない山本選手の後半のプレーに目が離せない!
文/出島正登