「北海道meijiカップ」で今季初優勝(通算3勝目)を飾った河本結。混戦を抜け出し勝ち切ったスウィングをみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が解説。

「AIG女子オープン」を制して凱旋帰国したばかりの山下美夢有が優勝争いに加わるなか、河本結が1打差で優勝しました。森田遥や鶴岡果恋らも終盤まで追い上げを見せ、涼しい北海道で最後まで熱い戦いが繰り広げられました。

画像: 「北海道Meijiカップ」で今季初優勝を飾った河本結(写真/岡沢裕行)

「北海道Meijiカップ」で今季初優勝を飾った河本結(写真/岡沢裕行)

15番パー4でイーグルを奪った河本結が、その1打のリードを守り抜き、見事優勝を果たしました。昨年は最終日に首位の濱田茉優を4打差で追いかけるも、同組の竹田麗央が最終18番でバーディを奪い、河本は1打及ばず2位。この優勝は、その時の悔しさを晴らすリベンジとなりました。最終ホールでもスコアを伸ばしたいという本人の思いとは裏腹に、強風が吹き荒れ、パーセーブとなりましが、後続がスコアを伸ばせなかったこともあり、見事な逃げ切り優勝でした。

画像: 平均パット1位(パーオンホール)のパット力の向上はミスの傾向を知り自ら修正できるようになったこと(写真/岡沢裕行)

平均パット1位(パーオンホール)のパット力の向上はミスの傾向を知り自ら修正できるようになったこと(写真/岡沢裕行)

オープンウィークをリフレッシュに当て準備万端で試合に臨んでいましたが、ショットの調子は悪かったと言います。それでもリカバリー率、パーオンホールの平均パット数、1ラウンド当たりの平均パット数すべてで1位という高い総合力と、3年前から取り組むメンタル面の成長によって4打差の逆転劇を生みました。

河本選手をサポートする橋本真和パットコーチに話しを聞くと「自分で調整、修正できるようになってきたことが大きい」とレベルアップの要因を語ります。元々悪くなるとバックスウィングで低く上がりフェースが開きやすくフェースローテーションが大きくなる傾向があったいいます。「1年、2年かけて改善を地道にコツコツと積み重ねて来たことが河本選手の強さだと思います」と橋本コーチ。「Finalラウンド平均ストローク」が69.6667で1位というスタッツを見てもメンタル面の成長が表れているのではないでしょうか。

それではスウィングを見てみましょう。フェードヒッターの河本選手は、ターゲットよりも左にスタンス向きを取って構えます。背中を反らないアドレス、テークバックで動かない足裏からひざ、ダウンスウィングでの右足の粘りから背中を丸めるような腹筋をしっかりと使ったインパクトに真田和俊トレーナーと作り上げてきたスウィングがわかります。

画像: クラブ軌道は一枚の板の上をなぞるように描く(写真/岡沢裕行)

クラブ軌道は一枚の板の上をなぞるように描く(写真/岡沢裕行)

画像で注目するのはアドレス、トップからの切り返し、インパクトでシャフトの角度が一定になっている点です。クラブの軌道が一枚の板の上をなぞるように描かれていることが見て取れます。この正確なインパクトを再現する河本選手の練習法を紹介します。

画像: 高くティーアップしたボールをアイアンで打つ練習法(写真/大澤進二)

高くティーアップしたボールをアイアンで打つ練習法(写真/大澤進二)

どの会場でも毎回見かけるの高くティーアップしたボールをアイアンで打つ練習法です。試合当日の朝でも行うのでルーティンにもなっていますが、体が前後左右にブレるとインパクトが安定せず弾道の高さや方向性が狂います。その日の体のコンディションやスウィング軸の確認をしながら繰り返し、河本選手はほぼフルショットでも毎回同じ弾道を繰り出します。

こういった基礎練習を欠かさずに積み重ねながら気づいたことをインプットし、改善し安定したショットを作り上げています。目指すは年間の平均ストローク60台を達成し、年間女王という大きな目標に向かって後半戦もツアーを大いに沸かせる存在になるでしょう。

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