
渋谷の宮益坂から少し入った閑静な場所にある。渋谷駅からも表参道駅からも徒歩10分かからず到着(渋谷区渋谷1‐3-7 VORT渋谷east/☎0570-0562-99/月~金10:00~17:00※祝日除く)。その外観と吉田プロ
パフォーマンスセンターには、手前にオデッセイパターのフィッティングブースがあり、奥には三面鏡のような巨大モニターが配置されたショットのフィッティング打席がある。

三面鏡のような巨大スクリーンへ打つショットのフィッティング打席。ゆったりした空間を囲むようにドライバーからウェッジまで、多くのヘッドとシャフトが整然と並ぶ。一般のショップでは売られていない限定モデルも用意されている
吉田洋一郎プロに、まずパットのフィッティング体験をしてもらった。ブースにはロングネックのAi-ONE ジラフ ビームシリーズ、ラケットホーゼルのAi-ONE トライビームシリーズ、フルオートマチックのAi-ONE スクエア2スクエアシリーズなど、オデッセイパターのあらゆるモデルが揃っている。フィッターは、この道23年の中島淳フィッティングセクションマネージャー。

パターフィッティングは、SAMパットラボという高精度な測定システムを活用。左がフィッターの中島淳さん
パット専用のSAMパットラボで測定、アドレス時のフェースアングルやロフト、ストローク中の軌道やフェースアングル、インパクト時のロフトや打点位置、ストロークのリズムなどのデータがモニターにわかりやすく反映される。
「2ボールのヘッドを選んでフィッティングしました。最初にマイクロヒンジ インサートの2ボールを打つと、フェースの向きがじゃっかん右寄りで、軌道はインサイドアウト傾向、打点位置も高めの傾向と出ました。その後、フィッターの中島さんの勧めでAi-ONE トライビームの2ボールに替えると、アドレスの右向きが改善されて、転がりも良くなって立て続けにカップイン。パターのフィッティングは初めて体験しましたが、正直、ここまで劇変するとは思わなかったので驚きました」(吉田プロ)

吉田洋一郎プロ/2019年GDレッスン・オブ・ザ・イヤー受賞、地面反力理論の先駆でもあるスウィングコーディネーター。向かって左のパターがフィッティングを通じて選んだAi-ONE トライビーム 2ボール。「構えやストロークは何も替えていないのに転がりが良くなり、とにかく入りました」
「どちらのパターが優れているということではなく、吉田プロの特徴に合うのがAi-ONE トライビームだったのです。吉田プロはクロスハンドグリップでロフトを立たせる傾向が強く、打点位置が上目に揃います。トライビームは少し重心位置が高いので、打点と重心が揃いやすい。微細な打点ブレもAIインサートが吸収してくれるので転がりの再現性が高まりました。ヘッドを置いた時の据わりの感覚も、吉田プロと相性が良かったようです」(中島さん)
次にショットのフィッティングを体験。キャロウェイには多くの軟鉄鍛造アイアンがラインナップされていることもあり、吉田プロの要望を受けてフォージドアイアンでフィッティング。Xフォージド MAX STAR、Xフォージド MAX、直営店限定のX PROTOTYPE BLACKなどを打っていった。

GCクワッドで計測した数値がキャロウェイUS本社のシステムを通したオリジナル方式で、弾道とデータがわかりやすく映し出される
フェーダーの吉田プロには、Xフォージド MAX STARの結果が合っているように見えた。シャープなXフォージド MAXも良さそうだが、球のつかまりがやや強い印象……。シャフトはいずれもモーダス³ TOUR105(S)。そこで中島さんが、ダイナミックゴールド105(S200)を挿したXフォージド MAXを持ち出し、吉田プロが打つと、綺麗なフェードが続き出した。吉田プロも気持ちよさそうで納得の表情。
最後に、モーダス³ TOUR110のSを挿したX PROTOTYPE BLACKを打つ。これも打ち出しが揃ったフェードが続いた。

吉田プロが試打したXフォージド MAX(手前と奥)、Xフォージド MAX STAR(中央)
「MAX STARは重心距離がやや長く、それがフェードを打つ吉田プロの感覚と合ったのだと思います。対してMAXは重心距離が短めなので同じ感覚で打つとつかまり具合いが強かった。そこでシャフトを替えてみると、しなりの感覚がマッチしてMAXでもイメージ通りのフェードになりました。剛性のあるTOUR110を挿したX PROTOはそのままで合っていましたね」(中嶋さん)

公式オンラインストア、キャロウェイ/トラヴィスマシュー青山店、キャロウェイ心斎橋店、ヴィクトリアゴルフ新宿店9Fなどで売られる限定モデル、X PROTOTYPE BLACK アイアンも試打できた
「DG105を挿したXフォージド MAXは、打っていて〝自分のアイアン〟という感じ(笑)。普段、ヘッドとシャフトをこれだけ替えながら打てる機会はなく、クラブとスペックの違いでこれほど打感と弾道が変わるのかと改めて感じました。自分のフィーリングとデータの両方を確認できるフィッティングは本当に大事ですし、専門家にフィッティングしてもらうことも重要だと感じました。中島さんの長年の経験と知識を生かしたフィッティングは知らないことばかりで大変勉強になりました」(吉田プロ)
中島さんは、キャロウェイ契約時代に賞金王(2002年、2007年)になった谷口徹プロや、女子ツアー17勝の上田桃子プロなど、トップ選手のクラブに携わってきた経歴の持ち主。その経験とノウハウもフィッティングの質を向上させている。中島さんは、今後もこのパフォーマンスセンターをメインに活動予定とのこと。
「このパフォーマンスセンターのように、パットとショットの両方をフィッティングできる施設は、なかなかありません。クラブもシャフトも豊富に揃っているので、本当に貴重な空間だと感じました。一度、体験しに行ってほしいです」(吉田プロ)

ヘッド、シャフトのラインナップの一角。フィッターとともにフィッティングして最適なクラブを見つける準備は万全
今回の取材では、フィッティングの重要性はもちろん、フィッターの経験とそれを生かす充実した設備が、ゴルファーのパフォーマンスを引き出してくれることを証明していた。
キャロウェイ パフォーマンスセンターは、ゴルファーひとりひとりが最適なクラブと出会える、パワースポットのような存在になっていきそうだ。
※撮影/三木崇徳