試打・解説
西田幸一プロ
専修大ゴルフ部からプロ入り。ドライバー試打の名手のひとりで合田洋ゴルフクリニックに所属してレッスンにも力を注いでいる
これなら生涯ツアーADも夢じゃない!?
「ツアーAD」といえば、あまたの男子プロをはじめ、競技ゴルファーやハードヒッターに愛されてきたグラファイトデザインを代表するシリーズ。そんなハードなイメージのある「ツアーAD」に、シリーズ最軽量となるニューモデルが加わった。ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーにぴったりだというが、果たしてその振り心地や性能は?

「ヘッド挙動が安定しているので、一番飛ばせる芯の少し上でしっかり叩けるのが魅力」

「中間部分が程よくしなりますが、手元と先端はしっかり。この軽さでこの剛性感は驚きです」

軽いのに強いのは「AD SHIELD」にあり!
スウィング中のシャフトのつぶれを抑えるためカーボン繊維を周方向に配置(フープ層)。安定性と手応えのあるフィーリングを両立
程よいつかまりをプラスしたハイブリット用、アイアン用もラインナップ!
TOUR AD Liaは、ウッド用(37~39g)に加えてハイブリッド用(43~44g)、アイアン用(44~45g)もラインナップ。クラブ全体の振り感を揃え、重量フローを整えることが可能だ。ウッドシャフトからの流れを維持しつつ、地面から打つことを考慮し、適度なつかまり感がプラスされている。
西田幸一プロが徹底試打!TOUR AD Liaの評価は?
もちろんツアーADらしい「しっかり感」がある!
ドライバー用シャフトはフレックス「Light S」と「Light R」の2モデル。シャフト重量は「LS」が39g、「LR」37g と「ツアーAD」シリーズ最軽量となるが、手にした感触は「軽いけれど、ツアーADらしい」と西田プロ。
「中調子のシャフトですが、手元はしっかりしていて、中から先にしなりを感じます。タイミングが取りやすく、ヘッドが遅れずに返ってきてくれる印象です」(西田プロ)
ヘッドスピード40m/s前後でさっそく「LS」から試打してもらうと納得の表情を見せた。
「いい意味でシャフトが余計な仕事をしないので、フェースの芯で打ちやすく、意図したボールがきちんと出てくれます。『ツアーAD』の中では断トツの軽さですが、先端が変に動かないあたりはやっぱりツアーAD。頼りなさはまったくありません。シャフトを軽くしてHSを上げたいけど、出球をコントロールできる〝しっかり感〞は欲しい。そんな方におすすめです。ヘッドスピード38〜42m/sくらいで、『ツアーAD PT』のようなオーソドックスなシャフトが好きな方にはドンピシャでしょう」

軽くシャープに振り抜きやすいが、コントロール性能もしっかり。「飛距離と方向性の兼ね合いが抜群ですね」と西田プロ
続いて「LR」を試打。
「こちらはかなり軟らかいです。しなりは大きいですが、トルクのあんばいが絶妙なのか厚めに当たる印象です。私がレディスシャフトのような軟らかいシャフトを使うとヒールに当たりやすいですが、これは違いますね。しなっている感覚はあるのに、芯に当たってくれる。少し引っかけ気味にドローを打ってランを稼いだり、いろいろできる魅力もあります」
TOUR ADLia(LS)をHS40前後で試打テスト!

ヘッドスピード40m/s前後で打ち分けた結果がこちら。
「どちらもヘッドスピードに対して十分なキャリーとトータルが出ました。数字以上に振り抜きやすさ、芯への当てやすさ、一球ごとの数字の揃い方に驚きました。HSが45m/s以上になるとブレが出てくるので、38~42m/sが一番おいしいところでしょうね」(西田プロ)
「ツアーAD Lia」はどんなゴルファーに合うだろう?

「ヘッドスピードが40m/s前後の方で、シャフトを軽くすることでヘッドスピードを上げたい方には全般的におすすめなのは先述の通り。その他にも、競技志向の強い〝振れる〞女性ゴルファーにも合いそうです。シャープに振り抜けるのに、弾道の打ち分けもしやすいのでボールを打つのが楽しくなると思いますよ」
写真/増田保雄