地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「見た目はクラシック、中身は最新鋭『PTx Pro』」

連載73回目は本試打企画の8回目に掲載されている「ヴォクス ゴルフ オブ アメリカ」の佐々木さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はベンホーガン「PTx PRO」がオススメとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

工房店主の佐々木さんがベンホーガン「PTx PRO」の特徴を語る

「PTx Pro Irons」の最大の魅力は、最新技術と伝統的な感覚を見事に両立させている点です。見た目は、無駄のないエレガントなベンホーガン伝統のヘッドデザインと、クラブを構えた瞬間に感じるこの懐かしさが、まずゴルファーの心を掴みます。そして、内部構造には番手ごとに最適化された最先端のテクノロジーが隠されています」と佐々木さん。

画像: ベンホーガン「PTx PRO」

ベンホーガン「PTx PRO」

「たとえば、ロングアイアンには1025軟鉄ボディにMS300の鍛造フェースを組み合わせ、高密度のタングステンを配置しています。距離が長い場合でも高弾道で力強い球が打てて、グリーンにしっかりと止められます。一方、ショートアイアンは軽量チタンを内蔵し、弾道の吹き上がりを抑えることで、より低い弾道でピンを正確に狙えるのです。このような独自製法は、見た目は昔ながらの美しい軟鉄鍛造アイアンでありながら、中身は現代のプレーヤーが求める性能を実現しており、そのギャップが何よりの魅力だと感じています。また、独自の『V-SOLE』デザインも特筆すべき点です。芝の抵抗を抑えるソール形状により、深いラフからでもスムーズに振り抜け、コースでも安定した抜けの良さが期待できます」

「このベンホーガンというブランドは、誰もが知るベン・ホーガン自身が理想を追求し立ち上げたものです。彼の『最高のプレーヤーには最高の道具が必要』という哲学は、妥協を許さないクラフトマンシップとして今も受け継がれています。この『PTx Pro Irons』は、見た目の美しさと、それを裏切らない確かな性能を両立しており、まさにゴルファーのゴルフに対する本質的な探求心に応えてくれる、歴史と技術が詰まったクラブとなっています」と魅力を伝えてくれた。ベンホーガンブランドの歴史は1950年台から続き、昔ながらのルックスと現代の技術を盛り込んだクラブで多くのゴルファーを魅了し続けている。

ベンホーガン「PTx PRO」の印象を堀越プロに聞いた

「手に取ってみると、まず感じるのはその精巧な作りです。薄いトップラインに、オフセットを極限まで抑えたコンパクトなヘッドは、まさに上級者が求めるシェイプそのものです。そして今ではなかなか目にしない太めのネックや長めのソケットが、クラシカルさを彷彿させると同時に懐かしさも感じられます」

「1970年代にベンホーガンブランドから発売された『APEX』を彷彿とさせる佇まいですが、最新の技術も盛り込まれています。特に注目したいのは『プログレッシブ・センター・オブ・マス』という独自の重心設計です。番手ごとに重心の位置を変えることで、ショートアイアンでは吹き上がりを抑えた低い弾道でピンを狙え、ロングアイアンではしっかりと球が上がってキャリーを稼げるよう設計のようです。また、ソール形状にも工夫が見られ、「V-SOLE」というこのV字型のソールは、ラフからでもスムーズに振り抜くことができ、様々な入射角に対応し極端なミスヒットが出にくいように工夫されています。見た目は昔ながらですが、現代の技術が組み込まれ寛容性も追加されている辺りが非常にありがたいですね」

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

「また、最近では滅多に見ないロフト設定で、7番アイアンで34度とかなり寝ています。ホーガンブランドの伝統である、番手間のロフト差を4度刻みにしている点は、ロフトを立てて飛距離性能を謳うのではなく、全番手で安定した距離の打ち分けができることで、コースマネジメントにも活きてきそうですね」

1WでHS44m/s相当で試打
●キャリー/151.2Y
●トータル/153.3Y
●スピン量/6754rpm
●落下角度/50.4度
※7番アイアン(34度)の試打データ。

「実際に打つと、芯を捉えた時の軟らかい感触は格別です。この感触は、単なる気持ちよさだけでなく、ショットの良し悪しを正確にフィードバックしてくれるため、自分のスウィングを磨くうえで非常に重要だと感じました。他のクラブのように飛距離を優先するのではなく、安定した距離の打ち分けを可能にしてくれることで、安心して振り抜くことができるのだと思います」(堀越プロ)

総評

画像: シャフトの軽量化もあり振りやすく、更に肘にかかる負担まで軽減してくれます

シャフトの軽量化もあり振りやすく、更に肘にかかる負担まで軽減してくれます

「長年ゴルフに携わってきた私にとって、ベン・ホーガンという名前は特別な響きを持っています。今回試打した「PTx PRO」は、まさにその歴史と哲学が凝縮された逸品だと感じました。昔の雰囲気を漂わせるクラシックな佇まいや繊細な打感が、多くのゴルファーを魅了するクラブだと感じました。また昔ながらの見た目ではありますが、優れた機能性を持ち合わせていますので、懐かしさと新しさを両方味わえる素敵なクラブでした」

THANKS/クレアゴルフフィールド

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