2025年8月21日現在。今週は、イングリッシュレジェンズに出場するため、イギリスのロンドン北部にあるブロケットホールGCに来ています。今回は、明日から始まる本戦を前に、練習ラウンドの感想と、本戦に向けての意気込みなどをお話しすることにしましょう。
画像: 横田真一、クラブも技術も欧州仕様へ! マイナスバウンスのウェッジでチップインイーグル 【ヨコシンの欧州レジェンズツアーレポート「夢に向かって」 #18】

横田真一(よこたしんいち)

72年生まれ。53歳。専修大学ゴルフ部出身。95年にツアーデビューすると、その年にシード権を獲得し、97年の全日空オープンで初優勝を飾る。その後、アプローチイップスに悩むも、10年のキヤノンオープンで13年ぶり2度目の勝利を挙げた。40歳をすぎてから順天堂大学院・医学研究科に入学し、2年間の修士課程を修了するなど、知見を深める努力も怠らない個性派プロゴルファー。現在は、日本と欧州のシニアツアーに参戦しながら、YouTuberとしても活躍中。

横田真一チャンネル

今回イングリッシュレジェンズが行われるブロケットホールGCは、かつて貴族の遊び場だった場所に作られた林間コースです。本来はとても美しいコースだと思うのですが、今年のイギリスは日照りが激しく、雨が少ないために、グリーン以外の芝は大半が茶色くなっていて、残念ながらあまりいい状態とは言えません。青さを残すグリーンもあまり刈り込めないのでしょう。スピードは遅め、といった感じです。

コースについては、まだ1ラウンドしかしていないので、難しいのかやさしいのか、判断しきれていない状況です。ただ、フェアウェイに大きな起伏のあるホールがいくつかあり、フェアウェイのど真ん中に打った球が左右に蹴られて林のほうまで転がってしまうことがあったので、本番ではそういうミスをしないよう、慎重に攻めていきたいと思います。

本戦は明日から始まるのですが、実はまだ14本のクラブセッティングに悩んでいます。以前にもお話ししたとおり、欧州のフェアウェイは地面が硬く、ディープフェースのフェアウェイウッド(以下FW)やユーティリティ(以下UT)は地面に弾かれやすいという傾向があります。そこで今回はシャローフェースのFWとUTを用意して試しているのですが、どんな組み合わせでいくか考え中なのです。

画像: マイナスバウンスのウェッジでプロアマでチップインイーグルを達成!(YouTubeより)

マイナスバウンスのウェッジでプロアマでチップインイーグルを達成!(YouTubeより)

ウェッジに関しても、ハイバウンスのものは地面に弾かれやすいので、今回はバウンスのないウェッジを作ってきました。これはヒッコリー時代のウェッジを参考にしたもので、バターナイフのような形をした53度のウェッジです。そのバウンスは、ローバウンスどころかマイナスバウンスにしてあります。

マイナスバウンスのウェッジは、球を右に置いてロフトを立てると地面に刺さるので、いつもより左に置いてソールを滑らせるように使うのがポイントなのですが、これがなかなかいいのです。昨日もそのウェッジでバンカーからチップインイーグルを奪い、プロアマ戦で優勝することができました。いずれにしても、アプローチイップスのボクにとっては、強い味方になりそうです。

ヨーロッパ初勝利はプロアマで! 新調したウェッジのおかげ?【横田真一チャンネル】

画像1: まさかの初優勝を手に! 谷将貴先生から教わったスウィングでフェアウェイを捉え続け イングリッシュレジェンズのプロアマでヨーロッパでの初勝利 #ヨーロッパシニアツアー #イングリッシュレジェンズ www.youtube.com

まさかの初優勝を手に! 谷将貴先生から教わったスウィングでフェアウェイを捉え続け イングリッシュレジェンズのプロアマでヨーロッパでの初勝利 #ヨーロッパシニアツアー #イングリッシュレジェンズ

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さらに、ステイシュアPGAシニアチャンピオンシップでは、左からの爆風アゲンストに対応できなかったので、新しいドライバーを用意し、低いドローの練習もしてきました。まず、ドライバーは低いドローを打ちやすいように、ロフトを9度から10度のものに替えました。ドローを打つためには、球をつかまえる必要があります。そのためにはロフトがあったほうがやさしいからです。

このように書くと、「ロフトが立っているほうが低い球を打ちやすいのでは?」と考える人がいるかもしれません。しかし、ロフトの立ったクラブで低いドローを打つと、バックスピンが減りすぎて、キャリーが大幅に落ちてしまいます。飛距離を大きく落とさずに低いドローを打つためには、高い球よりもバックスピンを増やして浮力をつける必要があり、そのためにはロフトの大きなクラブが必要になるのです。

画像: 低い球を打つためにロフト10度台に変更した(YouTubeより)

低い球を打つためにロフト10度台に変更した(YouTubeより)

ボクはこのドライバーを持って、親交のある谷将貴プロコーチのところに行き、低いドローの練習をしてきました。技術的には、左足体重のままインサイドアウトの軌道でドローを打つ感じなのですが、だいぶ慣れてきて、コースの中でも使えるようになっています。

というように、最近のボクはクラブも技術もどんどん欧州仕様になってきています。低い球は若干飛距離が落ちますし、日本のコースは芝も地面の硬さも違うので、日本の試合でどう出るかはわからないのですが、いろいろな状況に対応できるようになったことは、決して悪いことではないはず。なにより、今年の目標はレジェンズツアーのシード権確定ですので、迷わずにこの道を進んでいきたいと思います。

写真/本人提供

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