
ホールアウト直後、アテスト会場に向かう前に1枚
苦しい序盤からの劇的な変化
最終日、首位タイでスタートした岩永だったが、序盤は思い通りのゴルフができなかったという。「最初は得意なパターも入らず、ショットも寄らず、何もかもが良くなくて諦めていました」と苦しい心境を語った。しかし、大きな転機は11番ホールに訪れた。
2番と6番、10番でボギーを叩き、序盤でスコアを落としていた岩永は、11番のセカンドショットが少し薄い当たりだったとはいえ、ピンからわずか1メートルに寄せ、これを沈めてバーディを奪う。ここから怒涛の巻き返しが始まった。12番でもバーディを奪うと、14番、15番でもスコアを伸ばし、最終18番も約6mのバーディパットを沈め、締めくくった。
勝利の裏側にある「ポジティブ思考」
この劇的な変化の要因を聞くと、「前まではすぐに諦めてマイナス思考になっていましたが、最近はプラス思考で頑張るようにしています。それがいい方向につながっています」と語り、メンタルコーチ・丹波幸一氏の存在を挙げた。
丹羽コーチからは「マイナス思考で考えるとそうなってしまうし、プラス思考で考えるとそうなる可能性が高い」と教わったといい、その教えを実践した結果、苦しい状況でも自力で流れを引き寄せることができたのだという。
姉に続き、栄冠を掴んだ女王
父親の趣味をきっかけに3~4歳からゴルフを始めたという岩永。2年前に同じ大会で優勝した姉の存在も、彼女をゴルフの世界へと導いた大きな要因だったようだ。岩永は「(中学3年で優勝した姉と比べて、自身は中学2年で優勝)姉に勝てて嬉しいです」と、姉妹での偉業達成を喜んだ。
なお、スコアは随時確認しており、前半の不調により自身が17番をプレーしている時、2組前を回っていた本村紅音選手に1打差で負けていることを把握していた。しかし、彼女が18番のティーショットを左に曲げ、木に当ててトラブルになったことに気づいたものの、スコアボードにその結果が反映されなかったため、18番グリーン上では「バーディパットを入れてプレーオフかも」と思ったそうだ。
前半の苦戦を乗り越え、メンタルの力で掴み取った日本ジュニアの栄冠。通算7アンダーで優勝を果たした岩永の次なる目標は、国内女子ツアー「大王製紙エリエールレディス」の予選会。彼女の冷静さとメンタルの強さは、今後さらなる大舞台での活躍を予感させる。
順位
1位/7アンダー/岩永 梨花(尼崎市立塚口中2年)
2位/6アンダー/本村 紅音(宝塚市立宝塚中3年)
3位/5アンダー/竹田 妃菜(王寺北義務教育学校3年)
4位タイ/3アンダー/橋川 珠空(奈良市立富雄中2年)
4位タイ/3アンダー/道上 稀唯(滝川第二中1年)