「CAT Ladies」の最終日に一時首位に立つも後半に崩れて惜敗した入谷響。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が惜敗からの学びを聞いた。

入谷響選手は「CAT Ladies」の初日に4連続を含む8バーディ1ボギーの65とスコアを伸ばし、櫻井心那、鈴木愛選手と共に首位タイで終えました。2日目はイーブンパーの72でスコアは伸ばせませんでしたが、櫻井選手が2つ伸ばして9アンダー、鈴木選手が8アンダーと上位陣も伸び悩み、首位に2打差の3位タイから最終日を迎えていました。

5番のパー3でボギーが先行するも、6番でバウンスバックのバーディを奪うと、8番パー4から怒涛の5連続バーディで一気に12アンダーまでスコアを伸ばし後続に3打差をつけ13番からの終盤へと向かいます。

画像: 「CAT Ladies」の最終日に一時首位に立つも9位タイで終えた入谷響

「CAT Ladies」の最終日に一時首位に立つも9位タイで終えた入谷響

「追いかける立場だったので、『周りのスコアを気にせず伸ばしていこう』という感じで自分のプレーに集中できていました」と中盤までの追い上げを振り返ります。

ところが13番で24ヤード奥に切られたピンに対して10mほどショートすると、上りのファーストパットを1.5mオーバーした返しのパットを外して3パットのボギー。14番は左のラフからグリーンを狙うも届かずに右手前のラフに。そこから軽い砲台グリーンの右から5ヤード、手前から10ヤードのピンに対して、柔らかく上げたアプローチはピン左横2m少しと寄せきれず、外して2連続ボギーで10アンダーまで後退します。

画像: 最終日の中盤に5連続バーディを奪いで一気に首位に立った

最終日の中盤に5連続バーディを奪いで一気に首位に立った

続く15番パー5はティーイングエリアが前に移動していましたが、飛ばし屋でも2オンするかどうかは難しい距離に設定されていました。ただグリーン手前に花道はなく、5mほどの深い溝があり2オンを狙ってショートするとバーディが難しくなります。藤田さいき選手はドライバーを使わずに3Wを選択していましたが、ドライバーを選んだ入谷選手は右に痛恨のOB。打ち直してフェアウェイを捉えた4打目は溝につかまりダブルボギーでホールアウトします。これで8アンダーまでスコアを落とします。

画像: 追う立場から追われる立場になったことを知り、自分にプレッシャーをかけゲームを難しくしてしまったという

追う立場から追われる立場になったことを知り、自分にプレッシャーをかけゲームを難しくしてしまったという

16番は打ち下ろしのパー4ですがピン位置が手前から上ってカップを境に下りが入る難しいロケーション。入谷選手は手前からのファーストパットを5mほどオーバーし3パットのボギーとし、13番からの4ホールで5つスコアを落とし首位から陥落します。17番のパー3をパーとし2オンも狙える最終18番パー5では、グリーン50ヤード手前のバンカーに入れボギー。最終的に7アンダーで終え、9アンダーで優勝した櫻井心那選手に2打及ばすに涙を飲みました。

「情けない負け方をしたな、とは思うんですが経験としては、良い経験ができたんじゃないかと今は思っています。メンタルやあの場に立ったときの技術面だったりと、そこをどうしたらもっと上げられるかというのも考える課題になりました」

画像: メンタルも技術面を上げて行くことで緊張した場面でもしっかりと振っていけるはずと前を見る

メンタルも技術面を上げて行くことで緊張した場面でもしっかりと振っていけるはずと前を見る

当時の場面の気持ちと振り返ってみた気持ちとの変化はあったのだろうか?

「あの時は後続組もあるし(スコアを)落としてはいけないと自分でプレッシャーをかけてしまっていたと思います。今冷静に考えると、何であそこであんなことしちゃったんだろう、というのも出てきますし、その時と今では反省できる部分はいっぱいあるなと思います」

13番、14番のボギーは「やっちゃったな」くらいでしたが15番のティーショットが一番やっちゃったポイントだと続けます。「刻んでもいいかなとも思ったんですけど、ドライバーで行こうとなったんですけど迷いが残っていて振り切れていなかったです」

首位を追う立場でスコアを伸ばした中盤に見ないようにしていたスコアボードが目に入ってしまい、”追う立場”から”追われる立場”に変わったことを知ってしまったことが難しくなってしまったと入谷選手。

18番でもバーディを奪えずに”情けない負け方”をしたと入谷選手は振り返りましたが、この悔しさをどう学びに変えていくかが大事なところ。

「やっぱり冷静さ。その場面が来た時にどれだけ冷静にマネジメントできるか。それと緊張していたとしても技術さえしっかりしていれば、振っていけると思うので技術面も上げていかなければと思っています」

入谷選手にとっては初優勝以来8試合ぶりのトップ10フィニッシュとなりました。ルーキーとして初優勝を飾りポイントランク11位(8月26日現在)に位置する入谷選手。あとで振り返ってみれば、あの”情けない負け方”も必要な経験だったと言える日が近い将来必ず来るはずです。今週の「ニトリレディスゴルフトーナメント」でも注目していきましょう。

写真/有原裕晶

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