▶プロは「右傾き軸で回るだけ」! 叩き上げコンビが体得した“体重移動”を捨てて「飛距離と安定」を両立する方法【中島邦宏&成冨晃広の傾き軸打法①】

中島邦宏(左)
なかしまくにひろ。福岡県出身。1993年生まれ。今季からACNツアーに本格参戦。常に全力で振り切るスウィングがツアー仲間の話題になっている。ACNツアー開幕戦で4位に入るなど優勝が期待される知る人ぞ知る逸材
成冨晃広(右)
なるとみあきひろ。福岡県出身。1995年生まれ。2021年に大山どりカップ(当時のABEMAツアー)でツアー初優勝。現在は足首の手術のリハビリ中だが福岡市内のアイズゴルフスタジオでレッスンを行う
軸の保ち方
GD ほかにも軸を右に傾けてスウィングするときの注意点はありますか。
中島 テークバックのとき、右腰を後ろに引く感じにするといいと思う。腰を右にスライドさせたら回転できないので、真後ろに引く感覚で回転するといいね。
成冨 実はこれメチャクチャ大事なポイントなんだわ。テークバックで右腰を後ろに引くように回転すると軸ブレがしにくいんだ。
GD どうしてですか。
中島 さっきも説明したけど、軸を右に倒すと体重移動する意識がなくても重心が自然と右足寄りになっちゃう。普通に体を回転すると、どうしても右へスライドしやすい体勢だからスムーズに回転できない。だから、成冨が言うように右腰を後ろへ引くくらいの意識があったほうが、右に軸が傾きすぎたりせずに軸の傾きをキープしたまま振れるから体が回転しやすくなるんだ。
成冨 付け加えると、アドレスからトップまで頭とボールの距離が変わりにくいから芯でとらえやすくなってミスヒットも減るってこと。そのまま振り抜けば、遠心力が働いてフォローも大きくなるから飛ぶってことよ。

右腰は後ろに引くと、右足で地面を踏みながら回転する感覚になる。そこから右に傾いた軸に対して体を回転させていけば、フォローでヘッドが加速する自然なアッパー軌道で振り抜くことができる
斜めの軸を意識したまま振る
右に傾けた軸に対して回る意識を持つ。ただ、軸が右に傾くことでテークバックで右足に軸がブレやすいので、右腰を引く意識を持つと軸がブレにくいという中島。このまま振り抜けば自然にアッパー軌道になり、高弾道でバックスピン量の少ない飛距離が出やすい球質になる。

斜めの軸を意識したまま振る
腰が深く折れ曲がるイメージ
右に傾けた軸をキープしたままトップまで振り上げるには、正面から見てひらがなの逆“く”の字になるくらいのイメージで右腰を後ろに引く。

くの字に曲げる
軸が立つと遠心力が使えん
ダウンスウィングで右に傾けた軸が立ってくると、フォローで体とヘッドが引っぱり合う遠心力を出すことができないため、ヘッドが走らず飛距離を伸ばすことができない。ヘッドが加速しないと振り抜きも悪くなり曲がる要因にもつながってくる。

ヘッドを加速させるのはマスト
狭いホールの注意点「死ぬほど体を回転させる」
GD 最後に狭くて怖いホールのときでも振り切るための注意点を教えてもらえますか。
中島 怖いとインパクトで手元が浮いてミスするので、それを防ぐためにハンドダウンに構えて体をさらに速く回転させる。ボールをつかまえる体勢を作って、体の高速回転でボールを逃がすような打ち方。怖いと体が止まってミスするから、これは体を思いっきり回転させるからやりやすい。
成冨 オレも狭いホールでOBが怖いと体が起き上がるので、回転力を強めつつインパクトで胸が空を向かないように気を付けてる。ビビると体の回転が遅くなって手打ちになるのが嫌だから、あえて体の回転を速くする意識はある。速く回転するけど力を入れるとかじゃないから間違えんといてね。もちろん、このときもスウィング軸は右に傾いていることは変わらんよ。
手元を低く構えると体もクラブも速く振れる by中島
アドレスで手元を低くするとクラブは上から振り下ろす動きになるので、自然と体の回転スピードを速くできるという中島。さらにハンドダウンにするとボールがつかまる体勢なので、体を思いっ切り回転させてもスライスしにくく、しっかり振り切れるので、結果的にボールは曲がりにくくなる。

これは極端にやっとる(笑)感覚的に“ つかまえて逃がす”
胸を下に向けておくby成富
狭いホールなど嫌な感じがする時は、上体が起き上がり体と腕の動きがバラバラになりやすいので、インパクトで胸が起き上がらないように地面へ向ける意識を強めるという成冨。

狭いホールでも右傾き軸は変わらんとばい
PHOTO/Hiroaki Arihara
THANKS/玄海ゴルフクラブ
※週刊ゴルフダイジェスト9月2日号「傾き打法」より一部抜粋