
岩井明愛プロ使用モデル(ターコイズブルー)を使用する埼玉栄高校3年の清水奏琉選手(撮影/岡沢裕行)
「2025年度(第69回)日本ジュニアゴルフ選手権競技 Presented by Sky」では、出場選手におけるヨネックスのクラブ使用率が急増し、注目を集めている。2024年大会で6~7%だったシェアが、2025年には13%とほぼ倍増したという。さらに、春の全国高校・中学大会や、契約外でクラブを使用するプロの増加など、全世代でヨネックスのクラブを使用するゴルファーが増加している。
大幅に強化されたジュニアゴルファーへのサポート体制についてジュニア担当のゴルフ営業部ゴルフ販売促進課の小野泰輔さんに話を聞いた。
全国を網羅するジュニア戦略の強化
「昨年からゴルフ事業の方針として更にジュニア戦略への活動を強化しています。全国にある6事業所でそれぞれジュニア担当を配置し、強いサポート体制を整えました」
以前は関東地区が中心だったジュニアサポートの活動を、全事業所の担当者との連携を密にし、地区予選から本当に小さな大会まで、ヨネックスの社員が必ず足を運ぶようにした。
有望なジュニア選手の発掘は、関係施設、販売店やゴルフ指導者、学校の顧問などに対して幅広く情報を拾い、紹介も積極的に受ける体制を構築したことで岩井姉妹を育てた永井哲二プロのような指導者からも、声がかかることが多くなったという。
また、全事業所に担当者を配置することでサポート体制が整い、紹介を受けた選手には迅速に対応できることが強みである。日本ジュニアに出場した海老澤愛泉選手の保護者(母)からも、「サポートのおかげで競技ゴルフを続けられている」と感謝の言葉が届いたという。これは、才能を伸ばし、ゴルフの裾野を広げたいというヨネックスの強い思いが形になった瞬間だろう。
ヨネックスのジュニア戦略は、単に「上手い子だけをサポートする」というものではない。これまで、ジュニアアカデミーによる育成からジュニアの更なるスキルUPに繋げる機会として「YONEX Junior Golf Championship」のような大会も開催し、幅広いジュニアゴルファーに大会の機会を提供するなどその活動を強化してきた。
岩井姉妹の活躍でヨネックスのこれまでの地道な努力や活動にスポットライトが当たり、ようやく花が咲きそうになっていることが嬉しいと小野さんは話す。
成長の場を提供する「YONEX Junior Golf Championship」
ヨネックスのジュニアゴルファー支援は、クラブ提供やサポートだけに留まらない。次世代のトッププレーヤーを育むため、自社主催の競技大会も開催している。
「YONEX Junior Golf Championship」は、2008年に第1回大会が開催されて以来、歴史を重ねてきた。2016年からは海外選手を招待し、2019年にはWAGR(世界アマチュアランキング)対象競技へと成長するなど、ジュニアゴルファーたちが世界への第一歩を踏み出すための重要な舞台となっている。
第15回目となる2025年大会では、海外5カ国を含む総勢107名が参加。天候不良で36ホールに短縮されたが、白熱した戦いが繰り広げられた。驚くべきことにこの大会でも、男女の優勝者をはじめ、何と40%以上の出場者がYONEX製のクラブを使用していた。
同大会は、総合順位2位までの選手にWAGRが付与されるほか、Aクラス男子の部優勝者には「SINGHA THAI JUNIOR WORLD OPEN GOLF 2025」の日本代表選手団に選出される権利が与えられるなど、未来のトッププロへつながるチャンスが用意されている。

ヨネックスジュニアアカデミーの様子
ヨネックスは、今後も大会やイベント、スクールなどを通じて、ジュニアゴルフの普及と発展に貢献していく方針だ。クラブの性能だけでなく、選手一人ひとりの成長に寄り添い、夢を育む「人間力」にも重点を置いている。この独自の取り組みが、次世代を担うジュニアゴルファーたちを力強く後押ししているのだ。
成長するジュニアに寄り添う独自の強み
ジュニアゴルファーに関心を寄せるメーカーは多いが、ヨネックスには他社にはない独自の強みがある。
一つは、全国に営業所を持つ「人的な強み」だ。これにより、ジュニア選手や親御さんが抱えるクラブに関する悩みに、すぐさま対応することができる。
二つ目は、ゴルフクラブ製造における「物的・技術的な強み」だ。新潟県長岡市にある自社工場で、ヘッドからシャフトまでのゴルフクラブを一貫して製造している。
そして、この「物的・技術的な強み」を活かした独自のサポート体制が、ジュニアゴルファーとその親御さんから絶大な信頼を得ている。それが、高校3年生まで毎年1本、ドライバーのシャフトを無償で交換するというサービスだ。
「中高生だと体の成長が早いので、学年が変わると使用シャフトの重さや硬さが変わったりします。それを無償でサポートできるというのは、親御さんの費用負担を軽減する意味でも、他社にはない大きな特徴です。中学1年生から高校3年生までの6年間、このサービスを受けられることに、感謝いただいております。」
憧れのプロが後押しする「カラーヘッド」
日本ジュニアの会場でヨネックスのクラブが増えているのを実感したのは、岩井明愛プロ使用モデルのターコイズブルーと岩井千怜プロ使用モデルのマゼンタカラーのドライバーを使っている選手を見かけたときだ。
小野さんは「15~17歳の部で22位タイに入った清水奏琉選手も『ターコイズブルーのヘッドに変えて飛距離が伸びた』と言ってくれています」と、その効果を語る。
とくに女子ジュニアの間では、岩井姉妹への憧れからカラーヘッドへの問い合わせが非常に多いという。プロの世界で活躍する姿に憧れを抱き、同じギアを使うことでモチベーションを高めるジュニアゴルファーの姿がそこにはあった。
ヨネックスのジュニアサポートは、クラブの性能だけでなく、選手一人ひとりの成長に寄り添い、夢を育む「人間力」にも重点を置いている。この独自の取り組みが、次世代を担うジュニアゴルファーたちを力強く後押ししているのだ。
日本ジュニアに出場したヨネックスクラブ使用者に話を聞いた
松下可育選手(柳ヶ浦高2年) 5アンダー 13位

松下可育選手(柳ヶ浦高2年)
ドライバー/EZONE GT
アイアン/EZONE CB901
「アイアンが特に気に入っています。少しグースがあって、自分の打ち方に合っています。今大会もアイアンでバーディチャンスに何度もつけられて、あとはパット。決められていればもっと上に行けた感じです。このアイアンのおかげで得意クラブになっています」
熊本坂田塾のコーチだった伊藤さんに教えてもらっているという。「ちょっと昔っぽい打ち方が合っているのかも」と話してました。










武中涼音選手(高知中央高3年) 1アンダー 44位

武中涼音選手(高知中央高3年)
アイアン/EZONE CB501
「アイアンのいいところはしっかりつかまってくれるとこ。当たり負ける心配がないので、打ちたい距離をしっかり打てるところがいいです。4月ぐらいから使い始めて、4カ月でぴったり合うようになりました。早くウッドもフィッティングして合うものを見つけたいです。」