男子ゴルフの今季国内ツアー第13戦「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2025」最終日が8月31日、福岡県・芥屋GC(7293ヤード、パー72)で行われ、トップに1打差から出たプロ10年目で27歳の小斉平優和が6バーディ、1ボギーの5アンダー67で回り、通算18アンダーで逆転のツアー初優勝を果たした。昨年今大会はプレーオフで敗退したが、見事に1年越しのリべンジを果たした。坂本雄介が通算17アンダーで2位に入った。
画像: 「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2025」でツアー初優勝を飾った小斉平優和。「優勝したら(子供を)抱きかかえるというのが夢だった」(撮影/有原裕晶)

「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2025」でツアー初優勝を飾った小斉平優和。「優勝したら(子供を)抱きかかえるというのが夢だった」(撮影/有原裕晶)

「ここで3回OBしたんですけど、今日は真っすぐ打ててよかった」

画像: 昨年OB3発も今大会はティーショットが冴えた(撮影/有原裕晶)

昨年OB3発も今大会はティーショットが冴えた(撮影/有原裕晶)

2位に2打差をつけて迎えた最終18番、小斉平が自分自身に打ち勝った。「鬼門」のティーショットを迷いなく振り抜き、フェアウェイ左サイドをとらえた。ちょうど1年前の今大会は優勝した香妻陣一朗とのプレーオフになったが、この日と同じ18番のティーショットで2ホール目にOBを3回連続で打ち、あっけなく敗退した。その苦い思いを1年の時空を経て払拭した瞬間だった。

優勝インタビューでは穏やかな笑顔で喜びを口にした。

「(去年)ここで3回OBしたんですけど、今日は真っすぐ打ててよかったです。本当にもうこのコースが大好きで、ここで優勝したかったので、それが叶って本当にうれしいです」

この日は首位に1打差4位からスタート。前半で3つスコアを伸ばして迎えた後半13番のティーショットを打ち終えたあとで、悪天候による競技中断となった。再開は1時間27分後で、この中断が結果としてプラス材料に働いたといえる。再開後の13番第2打でピンまで残り230ヤードを4Iでピン手前2メートルに2オンさせ、このイーグルパットこそ外したが、しっかりバーディを奪って単独首位に立つと、14番は4メートル、15番も2メートルを沈め3ホール連続でスコアを伸ばした。

そして迎えた18番。ティーショットで「鬼門」を突破したあとも、生みの苦しみを味わった。第2打がグリーン手前のバンカーで「目玉」になり、第3打は手前エッジまで出すだけで、アプローチも3メートルショート。ピンチが3回も続いたが、最後は事実上のウィニングパットになったパーパットを沈めた。その瞬間には右の拳に何度も力を込め、気合のガッツポーズ。1組あとの最終組の坂本が第3打をカップに入れられなかった時点で初優勝が決まった。

「年下に負けられないと思って今年やってきてよかった」

画像: 18番のパーパットを決め切って優勝を決めた(撮影/有原裕晶)

18番のパーパットを決め切って優勝を決めた(撮影/有原裕晶)

「(18番のパーパットは)これを入れておけば勝つチャンスは増えると思った。大事なパットと思って打ちました。入った瞬間はボールを打った感触も覚えていない。入ったのも覚えていないです。(ガッツポーズは)自分の意志ではなくて頭と体が勝手に動きました。(優勝は)夢で見た光景だったんですけど、現実になって本当にうれしいです。ここまで長かったし、何回もあきらめそうになったんですけど、あきらめずにやってきてよかったです」

優勝が決まると真っ先にグリーンサイドで見守った家族に喜びを伝えた。夫人に報告し1歳の娘を高々と抱き上げた。

「この優勝はまず家族に伝えたい。僕が優勝したら(子供を)抱きかかえるというのが夢だったので、僕の勝手な自己満です」

3歳からゴルフを始め、中学1年でツアー初出場。高3の2016年には日本ジュニア優勝、ツアーのフジサンケイクラシックではローアマを獲得した。同年にプロ転向。同世代には金谷拓実、桂川有人、大西魁斗、清水大成ら実力者がそろっており、発奮材料には事欠かない。

「初優勝まで時間はかかりましたね。プロになって2、3年で優勝できるという甘い考えでいたんですけど、そこから努力して、やっと、ここで勝てたので、いいんじゃないかと思います。同学年が本当に素晴らしい選手ばかりだし、年下の選手も今すごい勢いがあって、負けられないと思って今年やってきてよかったです」

ジュニア時代に大器と呼ばれた逸材が遅咲きながらも大輪の花を咲かせた。本領発揮はこれからだ。

小斉平の飛ばしワザ

This article is a sponsored article by
''.