
新シャフトに手ごたえを感じている鍋谷太一(撮影/岡沢裕行)
飛距離とコントロール性を両立する新シャフト「KAIZA MH」
鍋谷が以前から使用していた「REXIS KAIZA-H」は、先端剛性を高めて方向安定性を追求したモデル。対して、今回投入した新シャフト「KAIZA MH」は、同じ中元調子でありながら、先端の「しっかり感」を向上させているという。
「前のシャフトと比べると、先端が少ししっかりめになっていて、スウィング中の動きがより少なくなりました。より癖のないシャフトになった印象です」と鍋谷は語る。
この「癖のなさ」がもたらす最大のメリットは、コントロール性の向上だ。「いわゆる狙ったところに打ちやすい。ツアーだとフェアウェイキープ率が上がります」と、その効果を実感している。
ISPSが冠の2試合はフェアウェイキープ率の計測が実施していないので、「KAIZA MH」の分母は少ない(SanSan KBC オーガスタの4ラウンドとロピア フジサンケイクラシックの1ラウンドの合計5ラウンド)が、「REXIS KAIZA-H」を使用した25年シーズンのフェアウェイキープ率は56.735%だったが、この2試合では60.000%へと数字を伸ばしている。
また、「しっかり振ってもブレない感覚がある」ことで、飛距離アップにも繋がっているようで、初日のドライビングディスタンスは、シーズン平均283.46ヤード(90位)を大きく上回る305.25ヤード(44位)を記録。スピン量が200rpmほど減ったことで、「よりコントロールもしやすくて飛距離も出る」と、新シャフトへの信頼を語った。
自信を持って攻められる“感覚”
難易度の高い富士桜カントリー倶楽部で、2バーディ・ノーボギーという安定したプレーができたのも、新シャフトの恩恵といえるだろう。「コースレイアウトによってフェードもドローも打たなきゃいけないのですが、どちらも打ちやすい印象で、どちらの球も自信を持って打てるようになりました」と、このシャフトがもたらした“心の安定”が好スコアの要因になったのではないか。
「このシャフトはめちゃくちゃ気に入ってます」と満面の笑みで語った鍋谷。難関富士桜カントリー倶楽部での好スタートは、新シャフトが彼のゴルフを次のステージへと引き上げる確かな手応えを示しているのかもしれない。