「今日のスコアは100点、明日もこのスコアが出るように頑張りたい」

1位タイで初日を終えた蟬川泰果(撮影/岡沢裕行、写真は日本ゴルフツアー選手権 最終日)
首位に立ったのは、5アンダーをマークした蟬川と長野のWタイガ(蟬川は泰果、長野は泰雅)。特に蟬川は、スタートしたインコースと後半のアウトコースの両方で3連続バーディを奪うなど圧巻のプレーを披露。15番では196ヤードから7番アイアンでピンそば1メートルにつけるスーパーショットを見せ、本人も「今日はいい感じにアイアンが切れていた」と手応えを語った。今週からアイアンのシャフトを5グラム軽くし、全体的に軟らかいものに変更したことが功を奏し、力んだ際の左へのミスを軽減できたという。この日のゴルフを「100点」と称賛し、明日以降もこのスコアを出すことに意欲を見せた。
4アンダーで3位タイとなった細野勇策は、ドライバーが安定していたことが好調の要因と分析。コースの難しさについては、「毎ホール、気が抜けない」としつつも、それが集中力を高めてくれると前向きに捉えていた。フェアウェイが狭い今回のコースは、ターゲットが絞れてショットが安定しやすい傾向にあると自己分析している。

好調な滑り出しの永野竜太郎(撮影/有原裕晶、写真は2025年KBCオーガスタ 最終日)
3アンダーの5位タイでホールアウトした石川遼と永野竜太郎。石川は前半、フェアウェイやグリーンを外す場面が多かったが、アプローチとパットで耐えるゴルフを展開。結果としてボギーを最終ホールの1つに抑えることに成功 。特に、ピンチからのスタートとなった1番で3メートルのパーパットを沈めたことが、その後の流れを引き寄せたと振り返った。アプローチに手応えを感じている様子で、難しいコースだからこそ焦らずに自分のプレーをすることが重要だと語っている。
永野竜太郎も、安定したプレーで初日を好発進。スタートからバーディを奪い、前半を4アンダーでターン。コース全体を通して「ピンチらしいピンチは無かった」と語り、タフなコースでも丁寧にプレーできたことが好スコアにつながった。新設された2番ホールの池については、「ボギーは仕方がない」と思い、冷静なマネジメントでしっかりパーで乗り切った。
富士桜に苦しむリーダーボード

富士桜CCの11番ホール(トーナメント2番)。写真向かって左手に見えるグリーンの先に池が新設された
23人と少なくない選手がアンダーパーを記録しているものの、前週「Sansan KBCオーガスタ」は75人がアンダーパーだったことを考えると、苦戦を強いられていることがわかる。
明日以降は雨予報も出ており、コースはさらにタフなコンディションなるだろう。その中で、蟬川泰果が100点と語った初日のゴルフを再現できるか、そして上位陣がどこまでスコアを伸ばせるかが、今後の展開を左右する鍵となるだろう。