
野生動物撃退装置の「モンスターウルフ」が躍動している、男子ツアーの「ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」を開催された北海道ブルックスCC
先頃、男子ツアーの「ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」を開催した北海道ブルックスCCでは、野生動物撃退装置の「モンスターウルフ」が躍動している。
ゴルフ場は自然と共生しているので、野生動物もむろん生息している。クマ、イノシシ、サル、シカ、小動物などがコースその他に被害を与える。
「エゾシカがグリーンの芝を食べたり、歩き回って爪跡を残し、ふんをして……。被害に悩み、そこで2年前に薦められて採用したのがモンスターウルフなんです」(同CC支配人、宮下博樹氏)

モンスターウルフを"2匹"採用
ゴルフ場にとってグリーンはメンテナンスに一番時間と費用を要する肝のエリア。それが荒らされるのはゴルフ場にとって死活問題であり、それを救っているのがモンスターウルフというわけだ。体長1.2メートル、高さ80センチ。赤く光る2つの目、首が動くオオカミの外観で、大音量でほえ続ける。それも50種類以上の音を組み合わせているから動物に慣れさせない。さらに赤外線センサーにより強いLED点滅光を発し、威嚇して追い払う野生動物撃退システムだ。独立電源で電源確保が困難な場所にも設置可能、メンテナンスもほぼ不要という。
同CCでは“2匹を飼育"。14番ホールに常駐と、もう1台は電動カートに取り付け、移動してコース全体を監視する見張り役。1~18番までカート道路を1日7~8周パトロールする。毎日午前7時~翌朝5時まで無休で動き続ける働き者だ。
製作したのは㈱ウルフ・カムイという会社。「動物を傷つけることなく、獣害問題を何とかできないか?」で始まったという。「最初はレンタルで、今は買い取っています。おかげで被害は今のところ出ていません」(前出・宮下氏)
同CCは1992年開場。川田太三、エド・スニードの共同設計。アメリカンテイストの18ホールを安心して楽しんでいただきたい。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号「バック9」より