この時期、各メーカーのアイアン新作モデルが続々登場。”フォージド”をうたうモデルが結構多い。ギアオタクでフィッターの小倉勇人と、フォージドモデルの魅力を改めて考えた。
画像: 今年もフォージドアイアンの新作が数多く登場。なぜ人気?(写真はイメージ)

今年もフォージドアイアンの新作が数多く登場。なぜ人気?(写真はイメージ)

形がキレイなモデルも多い!

クラブフィッター小倉です。夏から秋にかけて、多くのアイアンが発表、発売されました。日本では、昔から鍛造製法で作られた、いわゆるフォージドモデルが高い人気を維持していますが、今年もフォージドモデルが数多く登場しています。

近年は、製造技術はもちろん、いろいろな素材を組み合わせる複合技術が発達し、様々な高性能モデルが作れるようになりました。それに対し、フォージドモデルは、昔ながらの鉄をたたいて成形する製法で、性能を高めるには限界があります。それでもフォージドモデルの人気は衰えないのは、なぜでしょうか。改めて考えてみたいと思います。

フォージドモデルと呼ばれるアイアンにも種類があります。ヘッド素材に軟鉄のみを使用し、鍛造製法で仕上げたいわゆる“一枚モノ”と呼ばれる純粋なフォージドモデルと、ボディに軟鉄や比較的柔らかいステンレスなどの素材を使って鍛造製法で成形し、フェースはバネ鋼を使用する複合フォージドモデルです。

前者は、単一素材でヘッドを仕上げるため、極端な性能を追求することはできませんが、操作性や打感といった良さがあります。後者は、フォージドの打感の良さを残しつつ、飛距離やミスへの寛容性を高められるため、バランスの良いアイアンに仕上げやすいです。

正直、フォージドにこだらないほうが高性能なアイアンは作りやすいです。実際に現在市販されているモデルで、飛距離に特化したモデルやミスへの寛容性の高いモデルはフォージドではないモデルのほうが多いです。

フォージドのメリットでよく挙げられる打感についても、フォージド以外でも打感のいいモデルはたくさんあります。それでもフォージドモデルの人気が衰えません。特に中上級者には、絶大な信頼を得ています。

フォージドの人気の秘密はいくつかありますが、もちろんまずは打感です。特に軟鉄鍛造のモデルは、素材のやわらかさと製法による打感は、衝撃収集材などではまねできない独特の気持ち良さがあります。

またメリットとして意外と大きいのがロフト角、ライ角が調整できること。スウィングのクセや上達に合わせてより自分に合ったクラブに調整できるというのは非常に大きいです。このあたりが中上級者にフォージド愛用者が多い理由でしょう。

私はずっとフォージドモデルを使用しています。理由はまさに打感と調整できるという部分が大きいです。あとこれは個人差がありますが、いわゆる“カッコイイ”モデルが多いなんて部分もあったりします。フォージドは形がきれいなモデルが多いですからね。

アイアンを選ぶ際、性能だけを追求していくならフォージドモデルにこだわる必要はないと思います。ただ、うまく打てたときの感触の”ご褒美”や、自分の打ち方に合わせることのできるところや、”所有感”という部分を大事にするのならば、フォージドのモデルが選択肢に入ってくると思います。そのあたりが、フォージドモデルが数多く登場する理由だと改めて思います。

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