タイガー、松山英樹が長く愛用し、世界中のゴルファーから憧れられるパターブランドの魅力を追いかけるシリーズ。第87回はブラックのボディにゴールドの刻印が映える「ハンドメイドパターfor Paul Azinger」について。
時を経ても失われぬ輝き

フェース(写真右下)には、エージンガーのイニシャルが。そのドットに、丸ではなく四角が使用されているのも珍しい
ポール・エージンガーは、強烈なストロンググリップから放たれる低いドローボールを武器にPGAツアーで11勝を挙げ、93年の全米プロを制したレジェンドプレーヤーである。
写真は、そんなエージンガーのために作られた一本で、ネックに刻まれた〝ZINGER〟の文字から、コレクターの間ではジンガーパターなどと呼ばれている。
ポール・エージンガー

※写真は90年代のもの
注目は、ソールにあるMIZUNOの刻印であろう。スコッティ・キャメロンは、95年にタイトリストと提携する以前、2年ほどミズノと業務提携をしていた(91~92年)。このパターは、その時期に作られたものと思われる。
ちなみに、その形状は後のクラシックⅠ、ニューポート、009へとつながる流れをくむものだが、現代のモデルに比べると、やや無骨な印象を受ける。しかし、それがいかにもハンドメイドらしく、このパターの魅力となっている。
製作から30数年。長い時を経ても、ブラックオキサイト仕上げの光沢が失われていないのは、オーナーの深い愛情の賜物であろう。
PHOTO/Takanori Miki
THANKS/スコッティキャメロン ゴルフギャラリージャパン
※週刊ゴルフダイジェスト9月16日合併号「キャメロンマニア宣言」より