「体の正面で打つ」とは「胸と腕が同調していること」
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。よく雑誌などで見かける「体の正面で打つ」という言葉があります。なんとなく理解できるような感じもするのですが、それって一体どんな効果があるのでしょうか。月刊ゴルフダイジェスト10月号に「なぜ体の正面で打つことが大事なのか?」という記事がありました。そこには体の正面で打つことの利点や、そのためのドリルが載っていたので、試してみることにしました。

月刊ゴルフダイジェスト2025/10号で特集されていた「体の正面で打つ」ための練習法を実践!
この記事で解説をしている内藤雄士コーチによると、「体の正面」で打てるようになると、正しい軌道が手に入るということです。そのことで、ボールに圧を加えられ、再現性が高くなり、振り遅れがなくなるのだとか。これはいいことだらけですね。
では、そもそも「体の正面」ってなんなのでしょうか。それは「胸と腕が同調していること」だそうです。テークバックでは「両腕の三角形」を、少なくとも腰の高さまではキープして上げることが大事です。これは胸、グリップ、ヘッドの関係性を変えずに上げるということ。胸の動きと腕の動きが同調するということが、クラブを正面で扱うということになるんですね。しかし腰の高さを過ぎると、手首のコックが入り、右ひじをたたむ動作が生じるため、アドレスと同じ三角形は維持されなくなります。それでも、手の位置が肩幅の範囲内にあること、右ひじと体の関係性が大きく変わらないことに注意すれば体の正面をキープできるということです。

(左)両腕の三角形を腰の高さまでキープする。(右)右ひじと体の関係性が変わってはいけない
では、そんなドリルをすれば「体の正面」で打てるようになるのでしょうか。いくつか紹介されていたのでやってみることにします。
①「ボール挟みドリル」
まずは「ボール挟みドリル」。専用の練習器具も売っていますが、両ひじの下あたりにボールを挟み、腰から腰くらいの振り幅でボールを打ちます。これはプロがよくやっているのも見かけますが、内藤プロ曰く「胸と腕の同調」といえばこれ! というくらいの定番ドリルだそうです。

ボールを腕の間に挟み、腰から腰のスウィングでボールを打つ
やってみましたが、確かにこれは腕が胸の正面から外れたり、手だけでスウィングをしてしまったりすると、ボールが落ちそうになりますね。これを続けていれば胸と腕の一体感をすごく感じられます。僕は持っていませんでしたが、専用の練習器具があるとやりやすいと思います。
②「片手打ちドリル」
次が「片手打ち」。これも定番だし、プロもよくやっていますよね。もちろん右手、左手の両方をやるべきなのですが、右利きの場合は左手片手打ちでは体(胸)と一体に動かさない限り芯に当たりません。つまり当てようとすれば自然に胸と腕が一体となって動くということなんですね。

右利きは左手打ちの方が胸と腕の一体感がないと上手く打てない
やってみると、確かに左手一本で打つのが本当に難しいです。特に僕は右手の感覚が強くて、スウィングもかなり右手を使っているので、左手だけで打つとなかなか芯に当たりません。特に手だけで動かそうとすると軌道がブレて全く当たらない。しっかりと胸と腕を一体化しないといけないので、これはいいドリルだな~と改めて思いました。で、右手一本打ちですが、これは結構うまく打てるのですが、実はここに落とし穴があるんです。器用な右手は手だけでもある程度上手く打てちゃうんですよね。なので、右手は左手以上に体と一体化させる意識が必要になるんです。右利きの人は気をつけてくださいね。
③「足閉じ素振りドリル」
3つ目は「足閉じ素振り」です。両足を閉じて素振りをするのですが、最初は小さいスウィングから始めて、徐々に足幅を広げ、スウィングも大きくしていくのがいいそうです。これを何度も繰り返すことで腕と胸の同調した動きが体に染み込んでいくそうです。

最初はピッタリ足を閉じ小さいスウィングから始め、徐々に足を広げながら振り幅も大きくする
やってみましたが、足を閉じているときに手だけでなくしっかりと体と腕を同調させてクラブを振り、その感覚を残したまま、徐々に足幅を広げていき、振り幅も大きくしていくといいと思いました。
④「タオル挟みドリル」
最後に「タオル挟み」ドリルです。これも定番ですが、タオルは背中から回して両わきに挟む方がいいそうです。こうすることで背筋が伸び、右ひじを正しい位置で使いやすくなるそうです。アマチュアはテークバックでクラブや右ひじを極端にインサイドに引くケースが多いらしいのですが、このドリルだと両脇が開かないのでそれができなくなるんですね。

定番のタオル挟みドリルですが、タオルを背中から回すと背筋が伸び右ひじを正しい位置で使いやすくなる
やってみましたが、確かに背中からタオルを挟むのは背中が丸くならず、背筋が伸びるのでいいかもしれません。今までもタオル挟みドリルはやったことがありましたが、背中から回したのは初めてです。このドリルもしっかりと胸と腕の一体感が感じられるのでとてもいいですね。ハーフスウィングでボールを打ってもいいと思いました。
体の正面で打つためのドリルを4つほどやりましたが、どれも結構見かける定番ドリルで驚きました。内藤コーチも言っているのですが、いろんなドリルをレッスンでやるけども、結局は胸と腕の同調のためにやっているものばかりだそうです。それだけ大事だということですね。どれも簡単にできるドリルばかりですので、ぜひ皆さんもやってみてください。