ブリヂストンのボールは「スリクソン」や「タイトリスト」と同じように2年ごとにモデルチェンジをしていますが、クラブがモデルチェンジをすると翌年にボールがモデルチェンジするという交互になるように新モデルは発表されています。これはクラブとボールが一緒に新しくなると、どちらの効果で飛んでいるのか、スピンが増えたのか、減ったのかという評価が難しくなるためです。

国内女子ツアーで配布され始めたブリヂストンの新モデル「ツアーB XS」(左)と「ツアーB X」(右)
これまで何度も契約選手にテストしてもらっていたのをのぞき見していましたので、磨きに磨いた最終的な製品版ができ上がったようです。メーカーからの詳細はまだ発表されていないので、練習ラウンドで「ツアーB X」をテストした佐藤心結選手に話しを聞きました。

「ドライバーのスピン量が少し減って直進性が向上しアイアンやアプローチではスピンがかかる」と佐藤心結
「新モデルはドライバーではスピン量が少し少なくなり、アイアンショットやアプローチではスピンがかかっている印象を持ちました。打感は違和感なく、ドライバーでボールが前に行ってくれるように感じました」と好感触。
「ツアーB X」は「ツアーB XS」に比べるとやや硬めの打感とロングゲームでのスピン量を減らし、ボール初速の速さ、弾道の高さが特徴です。「恐らくドライバーでのスピン量を300~400rpmくらいは減っているはず」という佐藤心結選手のコメントからドライバーなどのロングゲームでの直進性や風に強い特性を向上させているようです。

飛距離性能と風に強い弾道、やや硬めの打感を持つ「ツアーB X」
一方で軟らかい打感とスピン性能の高さ、コントロール性の高さが特徴の「ツアーB XS」については24年までは「ツアーB XS」を使用し25年は「ツアーB X」を使用する稲見萌寧選手に聞いてみました。

軟らかい打感とスピン性能、コントロール性の高さを持つ「ツアーB XS」
「やっぱり『ツアーB XS』はフェースに乗る感じとか打感からもコントロール性の高さを感じますね。しっかり距離も出ていますし、もう少しテストを重ねて慣れて来たら『XS』に戻すかもしれませんね」と、「ツアーB XS」ユーザーだったフェードヒッターの稲見選手は、コントロール性の高さを再認識したようです。

新「ツアーB XS」のスピン性能、コントロール性の高さを改めて認識した稲見萌寧
タイガー・ウッズも使用する現行モデルはタイガーの言う「ディープ感」(フェースに乗る感覚+軟らかい打感)を元に開発されていましたが、打感の部分で物足りなさを感じていたユーザーもいたようです。その部分を「ツアーB X」も「ツアーB XS」もそれぞれのキャラクターの持ち味を踏襲しながらも、もう一歩進化させたものが26年モデルのようです。
23年まで「ツアーB XS」を使用し24年から「ツアーB X」のイエローを使用する桑木志帆選手は、「まださっき受け取ったばかりで、まだテストしていないのですがどんなボールになっているかとっても楽しみです」と明日のプロアマ大会で投入するようです。

「ツアーB X」の新モデルのテストを楽しみにしていた桑木志帆
まだシーズン中なので、来季を見据えて練習ラウンドやプロアマ大会で使用し、慣れて行きながら変更する選手と、今季は現行モデルを使用しオフから新モデルへとチェンジする選手に分かれると思いますが、新モデルもショットの距離感やアプローチのスピン性能、パットのタッチなど、あらゆる場面で信頼できる相棒になっていくことでしょう。