
ABCGCに設置されたエコトイレ
兵庫県にあるABCGCは、これまで様々なサステナビリティアクションを策定してきた。具体的にはペグシル(スコアカード用鉛筆)やプラスチックマーカーの回収、廃棄芝生や間伐材の再利用、照明のLED化や太陽光発電の導入、地産地消への積極的な取り組み、環境負荷の少ないボイラーの導入などを行ってきた。
廃棄芝生の提供先である保育園の園児を招待するイベントも開催。こうした取り組みが認められ、今年1月には「ひょうご産業SDGs認証事業」において、最上位である「ゴールドステージ」の認証を受けている。
そして、今回はコース内にエコトイレを設置(4番ホールグリーン奥)した次第だ。このトイレは雨水をためて洗浄水とするだけでなく、流した水を再びきれいにして洗浄する環境配慮型トイレ。上下水道を使用せずに、汚水を無色・無臭・無菌の洗浄水として浄化・最利用することで、限られた資源を有効活用できる環境にやさしいトイレシステムだという。
「自然との共生が求められるゴルフ場においても景観を損なわずに設置できたと思います。使用したお客様からも清潔で気持ちよく利用できると好評を頂いています。これらのサステナビリティアクションは経営母体である朝日放送グループの方針です」(同GC支配人、伊喜利洋氏)
こういった取り組みについてゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は──。
「かつてゴルフ場造成は環境破壊といわれましたが、今は林の管理など環境保全の地といわれます。それをさらに推し進める施策を知名度のあるメディアグループが行っていくことは、環境問題の啓蒙につながっていくと思います」
今や関西を代表するコースとなった同GCの取り組みに感化されるゴルフ場も出てくるだろう。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年9月30日号「バック9」より